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鉄の破壊神達

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第一章

               鉄の破壊神達
 ジェーン=アンダーソンとミニー=キャノンは今はジェーンの神託でアメリカロードアイランド州プロビデンスに来ていた。
 街に入ると二人は即座に異変に気付いた、軍隊や警察だけでなく市民達が随分慌ただしい。まるで開戦前夜の様だ。
 それでミニーはジェーンに怪訝な顔で尋ねた。
「一体どないしたんや」
「ここは僕ちんの本拠地やってな」
「生まれ故郷でもあるな」
「起きた世界ではな」
 ジェーンはミニーにどうかという顔で答えた。
「そうや」
「それでよお知ってるな」
「こここんなに騒がしい街やないで」
 ジェーンはミニーに真顔で話した。
「枢軸にボロ負けする前にもここ来たけど」
「あの戦は私等引き分けやろ」
 それはとだ、ミニーはジェーンにすぐに言った。
「そこは間違えたらあかん」
「けれど僕ちん達女帝さん達にボコノコにやられてな」
「棟梁さん出てなかいな」
「ほんま壊滅してたで」
 軍勢自体がというのだ。
「それに手に入れた領土全部あっちに返したしな」
「それで負けやっていうんかいな」
「講和はしたし捕虜とかもお互い返したけどな」
「自分が見たらか」
「負けや」
 そうなるというのだ。
「ほんまにな」
「そうなるか」
「まあとにかくな、ここはな」
 プロビデンスはというのだ。
「落ち着いた平和な筈やけど」
「この世界では特にやな」
「その筈やのにな」
「それがやな」
「えらい物々しいな」
 そうした雰囲気だというのだ。
「ほんま開戦前夜みたいな」
「何か攻めて来るみたいな」
「そんな風やな」
「ほら何でそうなってるか」
「今からお話聞こうか」
「そうしよか」
 二人で話してだ、そしてだった。
 ジェーンはミニーと共に身分を明らかにしたうえで市役所に入り市長の話を聞いた、これはギルドよりもこちらの方がいいと判断してのことだ。
 それで市長の猫人の三十代の男、ボルド=ストライクが二人を市役所の中にある喫茶店に案内してそうしてだった。
 そこでコーヒーを飲みながら向かい合って話をした、ジェーンと市長は向かい合って座りミニーは二人の間に座っていた。
 そうして市長の話を聞くとここでだった、彼はジェーン達に苦い顔で話した。
「今この街に巨人軍がテロを行うとです」
「あの狂信的なテロ集団がかいな」
「はい、よりによって巨人達を神と崇めていて」
「巨人みたいにあちこち破壊しようっていうな」
「狂信者達です」
「あの連中がこのロートアイランドでもか」
「潜伏していて」
 そしてというのだ。
「この度です」
「テロを予告してきたんやな」
「はい、しかも」
 市長はさらに話した。
「街を完全に破壊するとまでです」
「言ってきたんやな」
「そうです、ですから」
「軍隊も警察も市民もか」
「はい、緊張状態にあります」
「そやねんな」
「この辺りの軍隊を集められるだけ集めて」
 そしてというのだ。
「州の警察もです」
「総動員やな」
「知事が認めてくれました」
 このことをというのだ。 
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