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禍々しい美女

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第四章

 巨大でしかも身体のあちこちから不気味な触手が出ている、それでミニーはジェーンに対して語った。
「うち等やったら倒せるけど」
「星のモンやとな」
「それでもな」
「水門をしっかり守ってる」
「そこで戦うとな」
「下手したら水門壊すわ」
「水門壊したら」
 そうなればというのだ。
「それでお水は流れてもな」
「閉める時に難儀する」
「それはそれで大変や」
「そやからな」
「それもな」
「避けるべきやな」
 ジェーンもこう言った。
「やっぱり」
「そや、そやからな」
「ここはやっぱりな」
「姿を消したり化けたり」
 その様にしてというのだ。
「それでジェーンはな」
「土の中潜って」
「そしてな」
「戦ってくか」
「そうしよな」
 こうジェーンに言ってだ、そうしてだった。
 ミニーは自身の神具であるアンジェリカの指輪の力を使ってまずは姿を消した、そうしてジェーンもだった。
 土の中に自身の神具である土竜爪で潜ってだった、モンスター達に向かった。二人はそれぞれだった。
 姿を消したまま、土の中からモンスター達に攻撃を仕掛けた。するとモンスター達は次から次にだった。
 二人に倒されていった、奇襲に慌て周りを探るがそれでもだった。
 二人の姿は見えず為す術もなく戸惑ったまま倒されていった、そして巨大な禍々しい美女もだった。
 周囲を必死に見回すがやはり二人はわからない、ミニーはモンスターにも化けるが同族にしか思えない。 
 それで自分自身も二人の攻撃を受けていってだった。
 遂に倒された、このモンスターが倒された時には全てのモンスターが倒されていて残ったのは金塊と水門だけになった。
 二人はまずは倒されたモンスターが姿を変えた金塊を拾いそのうえで水門を見た、するとミニーは眉を顰めさせてジェーンに言った。
「錆びてるな」
「それもえらくな」
「これだけ錆びてると」
 見れば水門は実際にかなり錆びていた。
「そう簡単にはな」
「落ちんな」
「ここはなどうしよか」
「何か考えある?」
「どうないしたもんか」
 腕を組んで考えつつだ、ミニーはジェーンに応えた。
「ほんまにな」
「錆を落とす薬とかな」
「そういうのはな」
「錬金術師とか科学者のもんで」
 そうした職業の者達のものだというのだ。
「それでな」
「ちょっとな」
「私等の専門やないから」
「ちょっとな」
「ましてや力もな」
 水門を無理に開こうとしてもというのだ。
「私幻術師で」
「僕ちんは道士で」
「力仕事担当やないし」
「さっきの戦いも術ばっかり使ったし」
 それでというのだ。
「力仕事もな」
「出来んし」
「どうしよか」
「ここまで来てな」
「難儀なことになってきたな」
「どうもな」
 二人共ここに来てどうしようかとなった、だが。
 ここでだ、ミニーは閃いた。そうして言うのだった。
「うちは幻術師で変身も出来る」
「神具の力もあるしな」
「それでや」
 だからだというのだ。
「モンスターに変身も出来る」
「それやな」
「スライム、それもな」
「金属食う種類か」
「クロゥジブスライムになってな」
 スライムの中でも特に酸性の強い種類だ、洞窟等にいて冒険者の鎧や兜を溶かす厄介や種類のモンスターだ。 
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