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魔法科高校の劣等生の魔法でISキャラ+etcをおちょくる話

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第二百十六話

五月最後の日曜日。

『告、王よ。ファントムタスク過激派の動きを察知した』

箒をモフッているなか珍しくイザナギが俺の視界に現れたかと思ったら、ろくでもない話だった。

そういう報告でイザナギが現れたって事は、今カンファレンスは全力稼働中か。

「わかった。十五分後に得られた情報を表示しろ」

『御心の儘に』

シュンっとイザナギが消える。

「こやぁ~ん?」

「ん? ああ。ヘイムダルがファントムタスクの動きを察知したってイザナギがな」

箒が獣化を解いた。

「ヘイムダル? カンファレンスじゃないのか?」

箒が俺を膝に乗せて、尻尾を俺のお腹にモフッと巻き付けた。

両手でモフる。

「ヘイムダルはカンファレンスの機能の一つだよ。
全世界傍聴システム。オープンネットワークや通信電波にさえ乗ればどんな情報でも察知できるけど、ファントムタスクって基本オフラインとかクローズドネットだから察知できねぇんだよ」

で、そういう計画が漏れたって事はネットワークに乗せた指示が飛んだってことだ。

つまり計画は結構進んでいる。

「ファントムタスク………。オータム達が居た所か」

「そうそう。あっちじゃモノクロームアバターっていう実動隊で裏じゃ割りと有名だったぞ。
正面戦闘のエキスパートだ」

「凄く今更な事を聞くが、ファントムタスクとはなんだ?
毎回聞きそびれていたんだが」

そういえば箒にファントムタスクの説明をした覚がないな…。

「ファントムタスクって言うのは、そうだな……話せば面倒になるんだが」

「構わない」

「じゃぁ諸々省いて。ファントムタスクは本来パレスチナ奪還を目指す組織だった」

「つまりアラブ系の組織ということか?」

「本来は、な。が今では国連や大国に対する不満を持った者達の集まりだ。
現状のファントムタスクはパレスチナ奪還組織と言うより少数派閥連合と呼ぶべきだろうな。
だから第二次世界大戦の敗戦国ではファントムタスクに所属する政治家や資産家も多い」

「………潰さないのか?」

「あー……うーん……」

「ヴィーティングがいた組織なのだろう?
お前ならとっくの昔に潰していそうなのだが」

確かに、ファントムタスクを潰す理由はある。

なぜ潰さないか。

「ファントムタスクがマジもんの悪の組織だったら潰すんだけどねぇ」

「ふむ?」

「ファントムタスクの穏健派は今でも根気強く話し合いで解決しようとしている。
叶わぬ事ではあるけどな」

「過激派はどうなんだ?」

「過激派? ああ。ただのテロリストだな」

「お前なら潰せそうなんだが」

「はぁ? なんで俺がやんなきゃいけねーのさ。
そーゆーのは大国が国力を浪費して潰さないと経済が回らねーんだよ。
ヴィーティング殺したから俺はもうファントムタスクに思う所は無かったよ」

「ヴィーティングの上の奴はいいのか?」

「ヴィーティングがトップだよ。ファントムタスクに首魁は居ない。
各セクションや各派閥のトップの合議制さ。
そのせいで末端に指示が通らないんだけどな」

「ふむ…ではヴィーティングはどこのトップだったんだ?」

「確か……遺伝子工学セクションのトップじゃなかったかな……。
ドイツにあった研究所…あれヴィーティングの私物だったし」

「スコールはどうなのだ?」

「数えられないくらいある実動隊の中でも上から数えて10の内には入るだろうな。
あの二人には口を割らせてないから詳しい事は知らんがな」

無理やり聞き出して反発されると困るからな。

まぁ反発された所でGNドライヴ吹っ飛ばせばいいんだが。

そもそもあの二機はカンファレンスのバックアップ前提だし。

ピコン、と視界の端にアイコンが浮かぶ。

「お、来たな」

ホロウィンドウを開く。

今回の計画はどうやらスコールとオータムの粛正のようだ。

「ふーん…相手は…おお…IS二個小隊六機とは大盤振る舞いじゃないか…。
いったいどこから集めたのやら」

面倒の予感がするから二人には暫く町から出ててもらおうかな。

とりあえず北海道にでも行ってて貰おうか。

福利厚生はきちんとしないとね。

スコールのナンバーにかける。

「もしもしスコール?」

『なにかあったのかしら?』

「いや、特に無いけど。おまえら北海道行かない?」

『ホッカイドウ?』

「おう。今が桜の時期だからな。福利厚生ってやつだよ。
二人でゆっくりしてきな」

『…………………わかったわ』

「二人で楽しんでこいよー。ISとか持っていっていいから安心しろ。じゃ飛行機の予約とっとくから。
一月くらいゆっくりしておいでよ」

『………………………………Fuck』

ピッと通信を切られた。

ガボーとガジャルグのウィンドウを開いてリミッターを外し、ウェポンズフリーの指示を出しておく。

「ま、これで多少は……ね」

あ、思い出した。

「吉本総理居るじゃん?」

「いや居るじゃん? と言われても…。まぁ、日本国民だから知ってはいるが…」





「あの人ファントムタスク穏健派の重鎮だぜ」

「……………………は!?」
 
 

 
後書き

ファントムタスク
根元は少数民族連合。
パレスチナ奪還を目指すアラブ系民族が中核となっており、基本的に国連(アメリカやユダヤ系)に対抗する人々の集まり。
中には王侯貴族や富豪もいる。
それゆえ、資金と技術が豊富で、独自にISを開発する力すら持つ。
日本、ドイツ、イタリア(第二次大戦敗戦国)にはファントムタスク派が多い。
現在の日本の首相はFT穏健派メンバー。 
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