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八条学園騒動記

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第五百十七話 シマリスの餌その一

                シマリスの餌 
 ジミ―はある日パレアナにクラスの中で尋ねた。
「シマリスって何食べるの?」
「何って種とか木の実よ」
 すぐにだ、パレアナは答えた。
「胡桃の実とか向日葵の種とかね」
「そういうのを食べるんだ」
「あとペットショップで売ってる」
「シマリスの餌だね」
「というか栗鼠の餌ね」
 シマリスに限らずというのだ。
「そうしたのを食べてるのよ」
「そうなんだ」
「言っておくけれど大抵の栗鼠は肉食じゃないから」
 星によっては肉食の栗鼠も棲息している。
「そこはわかっておいてね」
「だから種とか木の実を食べるんだ」
「そうよ」
「そうなんだね」
「というかこれは」
 パレアナはジミーにどうかという顔で返した。
「常識でしょ」
「栗鼠の食べるものは」
「そうよ、それこそ」
「いや、何かね」
「何かっていうと」
「今パレアナが言ったけれど」
 こうパレアナに言うのだった。
「肉食の栗鼠もいるってね」
「ああ、そのお話を聞いて」
「パレアナが飼ってるシマリスはどうかなって思って」
「ごく普通のシマリスだから」
 パレアナはジミーにこのことを断った。
「だからね」
「木の実とか種をだね」
「食べるわよ、特にうちの子は」
「確かチックタックだったね」
「チップマックね」
 よく言葉を間違えるジミーの言葉を訂正して述べた。
「あの子はね」
「うん、何が好きなのかな」
「胡桃が好きなの」
 この木の実がというのだ。
「そうなの」
「胡桃が好きなんだ」
「そうなの、ただ胡桃はね」
 この木の実についてだ、パレアナはジミーに対して少し苦笑いになってそのうえでこう言ったのだった。
「私も好きで」
「取り合いしているんだ」
「そうなの、これがね」
「胡桃って美味しいからね」
「お酒のおつまみにもいいでしょ」
「うん、ピーナッツやカシューナッツもいいけれど」
 その通りだとだ、ジミーも答えた。
「胡桃もいいね」
「しかも身体にもいいしね」
「そうそう、ピーナッツやカシューナッツも」
「それで私ね」
「チックンタックンとだね」
「チップマックとね」
 パレアナはまた訂正を入れた。
「取り合いをしているの」
「そうなんだ」
「それでね、胡桃を買ったら」
 その時はというのだ。
「もうね」
「その時は取り合いで」
「大変なのよ」
「そうなんだね」
「いや、うちの子は特にね」
「胡桃が好きなシマリスなんだね」
「だからね」
 それでというのだ。 
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