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おっちょこちょいのかよちゃん

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5 魔法の杖と頼もしき男子達

 
前書き
《前回》
 異世界から来たというアレクサンドルとアンナと決闘する事になったかよ子。かよ子は母親から貰った不思議な杖と自分が恋する相手・杉山とその親友・大野を頼りに闘いに備える事とする。その決闘場となった夜の自分の家に杉山・大野・そして両親と共にアレクサンドルとアンナを迎え、戦いを始めるのであった!! 

 
 戦いは始まった。
「それじゃ、皆殺しといくか!」
 アンナが地面を足踏みする。山田家の庭の地面が爆発した五人はその勢いで吹き飛ばされた。
「俺も行くぞ」
 アレクサンドルが砕けた地面の欠片を蹴る。かよ子は慌てて避けた。地面の欠片は弾丸のようにかよ子の家の壁面に当たり、銃弾のようにそこには穴が開いた。
「力学的な能力も俺は持っているぞ。それに・・・」
 アレクサンドルは屋根の上にいる猫を見て、掌を猫に向けた。猫が近寄る。
「俺は『この世の人間』だった頃は動物学を専門としていた。動物を操る能力も持っている。この猫を猛獣にする事も出来るぞ」
 アレクサンドルが寄せた猫が巨大化した。猫は皆を食べようとするかの如く襲い掛かろうとする。
(どうしよう、どうすれば・・・!!)
 かよ子は冷静さを失った。その時、杉山がサッカーボールを猫に思い切りぶつけた。猫は「ニャー!」と言って目を瞑った。
「山田!チャンスだ!!」
「う、うん!」
 杉山に促され、かよ子は杖の使用しようとした。しかし、どれから能力を得るべきか・・・。
「かよ子、これを使え!」
 かよ子の父はカッターナイフをかよ子に向けて投げた。
「カッター・・・?」
 かよ子は本に書かれてあった事を思い出した。

 【刃物および刀の類を対象にすると杖は剣の能力を得られる。】

 かよ子は杖をカッターに向けた。その時、杖は一本の剣に変わった。
「杖が剣に変わったからって何よ!」
 アンナは構わずかよ子に向けて突風を引き起こした。しかし、かよ子は剣を一振りした。突風は薙ぎ払われた。
「・・・え?」
「いいぞ、山田!」
「う、うん!」
 かよ子は剣を一振りしてアレクサンドルを振り払った。アレクサンドルが塀に打ち付けられると共に、猫を操る事に集中力が途切れたのか、猫が小さくなった。
「この・・・!!」
 アレクサンドルが立ち上がり、再び猫を巨大化させようとする。しかし、大野が野球のボールをノックさせた。アレクサンドルはとっさに避けたものの、能力を行使できなかった。
「二度と同じ手は使わせねえぞ!」
「くそ!」
「兄さん!」
 アンナは大野に向かって火を放つ。
「大野!!」
 杉山が叫んだ。これでは大野は火傷を負い、下手すれば焼死する。
「大野君!」
 かよ子の父がアンナに体当たりをする。そしてかよ子もまた剣を一振りさせて大野を襲う炎を消した。
「かよ子!アンナを斬るのよ!」
 かよ子の母が叫んだ。
「え?!」
 かよ子は人を斬って殺人罪に問われるのではないかと一瞬心配した。しかし、杉山が構わず叫ぶ。
「ためらうな!行けえええええ!!」
「杉山君・・・!!うん・・・!!」
かよ子は杉山の叫びで迷いを振り切った。かよ子は剣を振りかざす。アンナの腹部を切った。
「あ、あ・・・。ああああああーーーっ!!」
アンナは痛みによる叫び声を挙げた。ただ、切れた腹部から出血はせず、代わりにアンナの体が光りだし、そして光の粉となって彼女は消失した。
「アンナ・・・!!」
アレクサンドルはアンナが消えた事で冷静さを失った。
「よくも妹を!!」
アレクサンドルは石を拾うとかよ子に向かって飛ばした。かよ子は剣で弾こうとしたが、逆に自分の剣が弾かれた。剣は元の杖に戻った。
(しまった・・・!!)
かよ子は終わりかと思った。
「これで終わりだ!!」
アレクサンドルはかよ子に向けて石をもう一つ、発射しようとする。
「かよ子、あの石の能力を得るのよ!」
母が叫んだ。かよ子は本に書かれてあった事を思い出す。

 【石を対象にすると石を巨大化させる、石を軽々と運ぶなどの能力を得られる】

 アレクサンドルが石を発射した。彼の能力なら石を発射すればかよ子の胸を撃ち抜く事は容易い。ところが、かよ子はその石に杖を向けた。石はかよ子の前で止まり、巨大化した。かよ子はその石をアレクサンドルに向かって返り討ちにする。
「石なら水で簡単に押し流せるぞ!!」
 アレクサンドルは水を出した。かよ子が巨大化させた石がアレクサンドルが出した水の勢いで動きを止められた。石はかよ子に向かって流れて行く。
「これでお前は石と家のカベに挟まれて圧殺だ!」
「や、山田あああ!!やめろおお!!」
 杉山はサッカーボールを見つけるとアレクサンドルに向けてシュートした。アレクサンドルの顔にボールがぶつかり、アレクサンドルは能力を行使する集中力を失った。水の流れが止まる。
「よし!」
 かよ子は石をアレクサンドルに向けて発射する。もうその石の動きを阻害する者はいない。アレクサンドルが起き上がって再び能力を行使しようとするもかよ子の父が棒を市内のように振り回したり、杉山や大野が彼を抑えつけたりする為に思うようにできない。
「くそっ、邪魔しやがって!!」
(そうか、アレクサンドルは何か自分に直接ダメージを受けると能力の使用が途切れるし、ああやってお父さんや杉山君達に邪魔されると能力が使えないんだ!!)
 かよ子はアレクサンドルの弱点を見抜いた。ならこの石でアレクサンドルを圧殺させようと思った。
「かよ子、だめよ!!」
「え!?」
「石を大きくさせたままアレクサンドルを潰そうとしてもお父さんや大野君、杉山君まで犠牲になるわ!!」
「あ、そうか!」
「さっきアレクサンドルがやったように撃ち抜くのよ!!」
「うん!!」
 アレクサンドルは三人に邪魔されて能力が使えない。かよ子は石を元の大きさに戻した。
「行けえ!!」
 かよ子は杖を一振りさせた。石は新幹線かそれ以上の速さで跳ぶ。そしてアレクサンドルの額を撃ち抜いた。
「ああああ!!」
アレクサンドルは頭部の激痛で絶叫する。そして体が光り出し、アンナと同様に光の粉となって消えていった。
「俺達は・・・、勝ったのか・・・?」
杉山は今の現状が一瞬理解できなかった。
「もう終わったわ。私達の勝ちよ」
かよ子の母は断言した。アレクサンドルとアンナの兄妹にかよ子達は勝利したのだ。
「やったな、山田!」
「お前、カッコよかったぜ!!」
「う、うん!ありがとう!!」
大野と杉山から感心されたかよ子は非常に赤面したが、おっちょこちょいでしくじる結果にならなくてよかったと安堵した。
(よかった。杉山君達も無事で・・・)
かよ子は好きな男子との共闘で勝利した事に嬉しく感じた。そして母がくれた不思議な杖にも感謝するのであった。 
 

 
後書き
次回は・・・
「それでもライフはいつも通り」
 アレクサンドルとアンナを倒したかよ子達。翌日、かよ子は杉山に大野と昨日の話をして盛り上がる。そしてかよ子の生活は不思議な現象が起きてもまた続いて行く・・・。 
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