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星河の覇皇

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第七十一部第二章 ゾロアスター級超巨大戦艦その二

「その結果がわかります」
「そうなるな」
「これまでテストは行っていましたが」
「実戦はなかった」
「それがです」
 まさにというのだ。
「はっきりします」
「それは何よりだ、ではな」
「はい、私も国防省においてです」
「その状況を見るな」
「そうします」
「わかった、しかし」
 ここでだ、キロモトは八条に言った。
「一つ思うことがあるが」
「それは」
「艦の名前だ」 
 キロモトがここで言ったのはこのことだった。
「それが気になった」
「艦のですか」
「そうだ、今回は人の名前にしたか」
「はい」
 八条はキロモトに一言で答えた。
「そうさせて頂きました」
「そうか」
「ゾロアスター級に」
「あの宗教の教祖だな」
 言わずと知れただ、この時代では連合にもそれなりの規模を擁して存在している。
「その名を冠したか」
「今度は英雄を考えまして」
 八条は艦名について説明した。
「それでなのです」
「人名にしたのか」
「あの超巨大戦艦は」
「そうです、ただ」
「一番艦だな」
「その名前がクラスの名前になりますので」
 艦艇のだ。
「それになりますので」
「君も考えたか」
「はい、英雄をと考えましたが」
「英雄といっても数多いな」
「連合でよく知られている英雄となりますと」
「ゾロアスターか」
「宗教の開祖ですが」
 そのゾロアスター教のだ、ササン朝ベルシアでは国教であった。かつてはメソポタミア全域に広く大きな勢力を誇っていた。
「ですが逸話も多く」
「物語にも出て来るな」
「はい」
 実際にとだ、八条も答えた。
「モーツァルトの魔笛にも登場します」
「ザラストロだな」
「呼び名は違いますが」
 しかしなのだ。
「紛れもなくゾロアスターで」
「他にも出て来るな」
「ニーチェの書にもなっています」
 十九世紀のドイツの思想家だ、これまでの哲学者とは一線を画した当時としては異色の哲学者であった。
「他にも賢者として名前が出てきます」
「多くの話にな」
「そうしたものを見まして」
「そしてか」
「はい、ゾロアスターの名前を冠しました」
 一番艦、そして艦のクラスの名前にしたというのだ。
「そうしました」
「そういうことか」
「実は他にも考えました」
 艦の名前にというのだ。 
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