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麗しのヴァンパイア

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第百四十二話

                第百四十二話  シャンパンの後で
 朝食を食べ終えた時雪路は結構酔いが回っていた、それでカーミラに対してその酔いが回っている顔で話した。
「食べ終わって飲み終わって」
「結構酔ってるわね」
「二日酔いがなおったのに」
 それでもとだ、少し苦笑いで言うのだった。
「また酔ってしまいました」
「それでいいのよ、今はね」
「飲んでですね」
「気持ちよく洗い流しなさい」
 失恋の悲しみ、それをというのだ。
「だからね」
「ゆっくりとですね」
「飲むといいのよ」
「そうですか」
「明日もお休みならね」
「今日はですね」
「飲む日にして」
 それも朝からというのだ。
「そうしてね」
「楽しむといいですか」
「そうよ、そしてね」
 カーミラはまだ飲んでいる、そうしつつの言葉だ。
「ホテルを出たら」
「次のお店ですね」
「そうよ、十時にね」
 この時間にというのだ。
「開いているから」
「その時間に空いているのは珍しいですね」
「そうでしょ、飲めるお店でね」
「喫茶店みたいですね」
「喫茶店でもあってね」
 それでというのだ。
「ワインも用意しているから」
「だから飲めますか」
「そうよ、だからね」
「ここを出てですね」
「行きましょう、そこまで歩いて行くけれど」
「そこでいい酔い醒ましになりますね」
「醒ましてまた飲んで」
 そうしてというのだ。
「今日は楽しむのよ。いいわね」
「お昼も飲みますね」
「勿論よ。三時も夜も飲んで」
「ずっとですね」
「夜は特に飲んで」
「もう徹底的にですね」
「失恋を忘れなさい」
 カーミラは言いつつ最後の一杯を飲んだ、そして雪路を連れて優雅にホテルの食堂を後にするのだった。


第百四十二話   完


                2019・3・14 
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