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デジモンアドベンチャー Miracle Light

作者:setuna
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ストレス大爆発なブイモン

それは大輔達が世界中の選ばれし子供達とデジモン達によるリンチでベリアルヴァンデモンと変態仮面を潰してから数日後のことであった。

「おいジュン、何だよこの汚い部屋は?」

「見て分かんない?少しゴロゴロしてたら汚れたのよ。片付けてくれない?」

「よしふざけんな。お前はもう高校生だろ?いい加減に家事洗濯出来るようになれよ。何時までも大輔に甘えんな…大輔はな、最近ではお母さんとか言われてるんだぞ。主にお前のせいで」

「良かったじゃない、家事洗濯が出来て婿の貰い手が増えたんだし」

「お前、反省する気ないな?」

「当たり前でしょ?」

「ブイショット!!」

「いやあああああ!!?…何てね!あっははははは!!ノーダメージよ!ノーダメージ!!」

「むむ!?」

何処までも駄目人間街道を突っ走り、直す気もないジュンにブイモンが迷うことなく衝撃波を当てるが、直撃したにも関わらずにジュンは平然としており、高笑いしていた。

「私だって何時までもあんたにぶっ飛ばされっぱなしじゃないわよ!!パートナーデジモン持ちの子供…」

「子供って歳じゃないだろ」

「黙らっしゃい!とにかく自衛のための装備として炎とかを防ぐ機能が私達のデジヴァイスにあるのよ!つまりあんたのお得意の制裁御用達技であるブイショットは私には通用しないわ!!だから…」

「俺に勝ったってか?」←邪笑&指ポキポキ

「…え?」←顔真っ青

邪悪な笑みを浮かべながらジュンに歩み寄るブイモン。

岩をも砕く鉄拳が炸裂した。

「そぎゃあああああ!!?」

「……ねえ、ヒカリ…あいつ、ブイモンがもう進化しなくてもそこらの成熟期より強いこと忘れてたわね…?」

「しかもブイモン、衝撃波を飛ばすよりも直接殴った方が強いんだよね大輔君」

「ああ、必殺技がシンプルな頭突きの時点でお察し下さいだけどな」

「普通の成長期の時点で結構強かったのよねあの青蛙…認めたくはないけど…普通にブイショット喰らってた方がマシだったかもね」

「いや、それ以前に片付ければいいんだよ…」

ジュンの悲鳴をBGMに大輔達はお茶を楽しんだ。

更に数日後、ジュンの部屋を片付けることになり、ブイモンは風呂場に使われるデッキブラシで天井のクモの巣を払っていた。

「そう言えばブイモンの持ってるデッキブラシって結構由緒正しい武器らしいよ?」

「へ?デッキブラシが?どういうことなんだヒカリちゃん」

掃除用具のデッキブラシが武器と言うことに大輔はゴミを捨てながら首を傾げる。

「何でもデッキブラシを片手に強大な敵に挑んだのがいたとかいなかったとか…万年フラれな…」

「止めてやれヒカリちゃん…まあ、デッキブラシは武器として使われることもあるよなあ。確か何かのゲームでも滅茶苦茶長い技名の必殺技にも関係してたな」

「そうそう、攻撃の途中で武器がすっぽ抜けて最後は正拳で誤魔化す技!ブイモンなら成功版も失敗版も使えるのかな?」

「本気でやりそうだよな…」

「ジュン、お前って奴は何時になったら片付けられるんだよ1人で!?」

「面倒だから無理無理(ヾノ・∀・`)」

「……制裁決定!震天裂空斬光旋風滅砕神罰割殺撃ぃいいいい!!!」

チュドーン!

どこぞの運命の続編ゲームの必殺技を繰り出し、ジュンをぶっ飛ばすブイモン。

「続けて喰らえ!震天裂空斬光旋風滅砕神罰…あ…」

「「「デッキブラシがすっぽ抜けた」」」

攻撃の途中でデッキブラシがすっぽ抜けたので失敗のようである。

「あ…あっははははは!!失敗ね!失敗なのね!?失敗技の威力なんてたかが知れて…」

「……攻撃ぃいいいい!!!」

ズドオオオオオンッ!!!

誤魔化しの正拳が炸裂。

何故かデッキブラシを使った一撃よりも強烈である。

「あぎゃああああ!!?」

「ねえ、テイルモン、大輔君…何故か成功版より威力があるんだけど?」

「そりゃあ、ブイモンは武器を使うよりも直接ぶん殴ることで真価を発揮するデジモンだもの」

「成功版より失敗版の方が強いって言う稀有な例だよなぁ…」

成功よりも失敗が良いこともあると言う貴重な体験をジュンの犠牲によって得られました。

そして部屋が綺麗になり、大輔達とヒカリとテイルモンは夕食を摂ることに。

「それにしてもさっきの攻撃は本当に強烈だったなぁ」

「そうだね」

「いっそのこと本格的に使わせるべきか?」

「デッキブラシなら相手も油断するし、良いんじゃない?」

「駄目よ!ただでさえ今の状態でも厄介なのにあんな博打要素ありの危険技を覚えられたら誰も暗黒大邪神・ブイモンを止められないわ!!」

「よし、ジュン。お前、後で俺と大輔の部屋に来い♪」←凄い笑顔

「ひぃいいいい!!?」

「…普通に家事洗濯が出来るようになって余計なことを言わず、せずにいればいいって何時になったら気付くんだろうな」

「多分、一生気付かないんじゃない?」

「テイルモン酷い…」

ブイモンに引き摺られていくジュンを見ながら大輔達は談笑しながら食事を続けるのであった。 
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