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島の教会の白い神父

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第一章

               島の教会の白い神父
 佐藤十字はマグマク島の住人となった、彼はこの島に来てすぐに島にある小さな誰もいない教会に入った。そうしてその教会の神父になった。
 島での彼の評判は上々だった、もの静かで親切であり丁寧な性格と振る舞いだったからだ。しかも金髪にアルビノを思わせる肌と目の色も魅力だった。
 だが彼をこの世に生み出したマグマク島に着いた彼の生みの親は彼が島に来たと聞いて彼がいる教会を訪問した。
 そして出迎えた彼にだ、笑って言った。
「お料理はどうしているのかな」
「はい、教会の人がです」
 十字は親に無表情で答えた、実は彼は表情が極めて乏しいのだ。
「作ってくれているので」
「問題なしだね」
「はい」
 十字は親に無表情のまま答えた。
「お気遣い有り難うございます」
「君はお料理はね」
「苦手なので」
 もっと言えば全く作ることが出来ない、作ればそれはヘドロか何かしらの猛毒になってしまうのだ。
「ですから」
「そうだね、ちゃんと作ってくれる人がいて安心したよ」
「そのことが気になって来られたのですか」
「そのこともあるよ」
 親は十字に微笑んで答えた、自分の子供と言っていい存在のうちである彼に対して。
「君の生活のことだからね。そして絵もだね」
「描いています」
 十字は自分の生みの親のこの質問にも答えた。
「そうしています」
「いつもの模写かな」
「はい、今はアテネの大聖堂を描いています」
「ラファエロの」
「それを描いています」
「あの絵は大作だけれど」
 親はラファエロの代表作についての知識がある、それがルネサンス期の芸術の代表作でありどういった規模の絵であるかを。その為に今こう言ったのだ。 
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