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レーヴァティン

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第百五話 大坂からその三

「甘くして飲むけれどな」
「そうなんだな」
「ああ、それでもな」
 こう言うのだった。
「抹茶にはな」
「しないか」
「コーヒーとか紅茶にするな」
 そうしたというのだ。
「気が向いた時にな」
「たまにか」
「ああ、ケーキやタルト食いつつな」
 そうしながらというのだ。
「甘いものも飲むな」
「そうする時もあるか」
「ああ、ただ抹茶はな」
「繊細な甘さの和菓子にな」
「甘い飲みものはってなるせいか」
「そうだな、だから俺はな」
 今は抹茶だけ飲んでいる、だが英雄はそうした時のことをさらに話した。
「こうしてだ」
「抹茶は抹茶だ」
「その味を楽しむんだな」
「こうしてな」
 実際にというのだ。
「そうしている、そしてだ」
「そして?」
「抹茶はこちらでも美味いが」
「あっちの世界でもか」
「美味くてだ」 
 英雄はさらに言った。
「よく売れる」
「特産品としてか」
「今実際にかなり作らせだしていて売りはじめているが」
「売れてるんだな」
「そうなっている、その話をだ」
「今からか」
「話そう」
「そうか、じゃあな」
「今からだ」
 こう言ってだった、英雄は自分達の島でのことを話した、抹茶を飲みつつ共に飲む久志に対してそうしていった。
 英雄達は大坂そしてその周辺を領有していた、だが。
 大坂城においてだ、英雄は仲間達に問うた。
「今は摂津、河内、和泉のだ」
「かなりの部分を領有していますね」
 謙二が応えた、今彼等は大坂城本丸にある英雄の屋敷御殿と呼ばれているその中で刺身や天婦羅を肴に飲みつつ話をしている。
 その中でだ、謙二は言うのだった。
「そうなっていますね」
「堺も抑えた」
「そして摂津と河内も」
 この二国の方もというのだ。
「順調にです」
「領土にしていっているな」
「このままいけばです」
「大坂を十二分に養えるな」
「そうなれば大坂の商業も」
 この浮島一のそれもというのだ。
「より栄え」
「多くの富が手に入るな」
「しかも堺も手に入っていますので」
 このこともだ、謙二は英雄に話した。
「余計にです」
「街からの税がかなり期待出来るな」
「このままです」
「大坂と堺には銭を生んでもらうか」
「この二つの街の富と」
 謙二はさらに話した。
「摂津、河内、和泉とです」
「三国共土地もいい」
 商業が栄えているだけでなくとだ、英雄も話した。
「いい田畑が多い」
「そうです、ですから」
「その田畑も整えてな」
「大坂や堺を養うだけでなく」
「兵糧も手に入れ」
 英雄はその目を引き締めさせて述べた。 
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