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ドラゴンクエストビルダーズ:アレフガルドを復活させられてます(新リュカ伝)

作者:あちゃ
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第2章:リムルダール編
  20:猛犬注意

 
前書き
そういえば前回、
幽霊野郎の名前を出すのを忘れた。
彼の名はタルバさんです。 

 
(緑の旅の扉地方)
リュカSIDE

幽霊野郎の指さす場所へ渋々ながら仕方なく来た。
すると分かり難いが岩壁に入り口らしき物がある。
ここが奴の秘密の倉庫か?

取り敢えず邪魔な岩を退かして中に入る。
中は薄暗いが、迷路にはなっておらず一本道。
だが、かなり奥が深く延々と洞窟を下る事になった。

もう正直嫌になってきた頃……
目の前に意味ありげな扉が一つ現れた。
やっと終着点らしい。

扉のノブに手を伸ばし開ける……が、鍵がかかっており開かない。
ここまで来て鍵が無いって何だよ!!
リムルダールに帰って液体銀でも加工すれば鍵くらい作れそうだけど、いい加減ここまで来るのにウンザリしてるので、俺は目の前の扉を力任せに吹き飛ばした。

うん、スッキリ。
扉は轟音と共に錠前を破壊して洞窟の奥へと吹き飛んだ。
だがしかし……吹き飛んだ扉は俺の予想とは違った軌跡を描く。

洞窟内の壁にめり込むでも無く、何も無い空間に落ちるでも無く、ある程度の柔らかさを維持した丈夫な何かに当たり明後日の方向に軌道を変え飛んでいったのだ。
つまりね、何が言いたいかというとね、扉の先に何かの生物が居たのよ。

そしてね、それが何かというとね……
「グギャァァァァオゥゥゥゥ!!!!」
うん。ドラゴンだった(てへぺろ☆)

俺が吹っ飛ばした扉が直撃し激おこドラゴンは、笑って許すどころか大きく息を吸いブレス攻撃の準備。
俺の現在位置は狭い通路……このままでは避ける事は出来ない。
だが落ち着いて見渡せば、激おこドラゴンの居るスペースは広い。

ドラゴンにビビって後ろに逃げればアウトだが、接近し後ろに回り込めば安全圏。
そしてドラゴンの背に駆け上り、闇雲にブレスを吐いてる頭部目掛け一撃!
ゴスッと鈍い音と共にドラゴンの脳天は陥没し、そのまま息絶える。

フッ……他愛も無い。
ってか、あの幽霊野郎……前もって言っておけよな!
『ドラゴンが居るから気をつけて』ってさぁ、『猛犬注意』のステッカー貼っておくとかさ!

……まぁそれは兎も角、俺は目的のブツを探す。
聖なる草をね。

リュカSIDE END



(リムルダール)
ノリンSIDE

新しく入手した旅の扉からリュカが帰ってきた。
それを見るやゲンローワの爺さんが駆け寄る。
勿論俺もリュカへと近づき状況を確認する。

ザッコやミノリ達も俺と同じ気持ちなのか、心配そうな表情でリュカへと近付いてくる。
「で、如何じゃった? せ、世界樹には……何か……」
「世界樹は枯れてたねぇ」

「か、枯れてたじゃと!?」
お、おいおい……如何すんだよ!?
エルさんを助けられないじゃんか!

「代わりに変な幽霊野郎が居て、特効薬の作り方と材料の在処を聞き出した」
「そ、そうか! で、ではエルは……ワシの孫娘は助かるのじゃな?」
よ、よかったぁ……材料も作り方も解ってるんならエルさんは助かる。

「そうは簡単にいかない。材料は在るが量が足りない。この問題を如何にかしないと」
「な、なんと!? 作り方が解っても材料が足りないのでは意味が無いではないか!!」
そ、そうだよ……全然意味ないじゃんか。

「僕もそう思うから言ってやったよ! そしたら『それ以上は面倒みれん。そっちで何とかしろ』だってさ。世界で1.2を争う役立たずっぷりだよね」
「な、何とか出来るのか!?」
そうだよ……何とか出来るのかよ?

「まぁ……たぶん」
「た、たぶん? リュ、リュカよ……如何か頼む。エルを……」
ゲンローワの爺さんはリュカに縋る様に頼み込む。

「解ってるって……鬱陶しいから離れろ」
そう言ってゲンローワの爺さんを押しやると、俺等全員を見渡して右手人差し指を口元に近付け、静かにする様に伝えると希望の旗付近から空を見上げる。そして……

「おい。世界ナンバー1の役立たずになりたくなかったら手を貸せ貧乳女神!」
ひ、貧乳女神?
リュカは一体誰に話しかけてるのだろうか?

この場に居る女性陣に視線を向けたが、各々自分の胸に目をやって自分じゃ無い事を確認してる。
確かにミノリもケーシーもヘイザンも、それぞれ大きさに差はあっても貧乳だとは思えない。何よりリュカが彼女らに『貧乳女神』と言うとは思えない。

『……………』
「お前も働けって事だよ」
貧乳女神が誰だか判らないまま、リュカは誰かと会話をしている。

『……………』
「うん。この聖なる草をバラして種にする。草1本から種は2個出来るから、それを畑に植えて草を2本に増やす。そして育った草から合計4個の種を作り、また植えて草を4本にする。もう一回同じ事をすれば草は8本になるから、聖なる滴を作るのに足りるだろう」

なるほど!
誰とだかは解らないがリュカの説明で皆も頷いた。
ただリュカの会話相手の声は皆にも聞こえてない様子だ。

『……………』
「そうだよ。種を成長させるのは時間がかかる……だがエルの病気は進行を待ってくれないだろう。そこでお前の貧乳パワー……違った、女神パワーで草の成長を促進させろ」

え? そ、そんな事が出来るの!
俺はビックリして皆に視線を向けると、ザッコが「も、もしかして……ルビス様と話してるんだべか?」と呟いた。ま、まじ!?

『……………』
「……あ、そ。じゃぁ俺も放棄する。もう復興に手を貸さない。エルが死んだら、アレフガルドなんて如何なろうと知らない……もう手伝わないからね」

『……………』
「脅しじゃねーし。本音だし。ってかエルが死んだら俺、竜王に協力するし」
お、おいおい……リュカはこの世界を救う唯一の存在じゃねーのかよ?
リュカが竜王に協力したら、誰も止められないんじゃねーのか!?

『……………』
「最初からそう言え! グダグダ文句ばかり言いやがって」
ど、如何やら話はついた様だ。

如何にかリュカが竜王に協力する事態は避けられた。
あとはエルさんを助ける……それだけだ!
……それだけだっけ?

ノリンSIDE END



 
 

 
後書き
月一更新がやっとなのが悔しい。
もっと書ければ…… 
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