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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第二百二十九話 スズキが恋をしてもその三

「いい子だから」
「井上さんと一緒にいても」
「ええ、いいと思うわ」
「そうですか」
「あたしもね」
 ここで日菜子さんは笑ってこんなことを言った。
「実はね」
「まさか」
「そう、昨日の夜ね」
「歯磨きの後で」
「そうなの、沙耶香を見た後で」
 驚いたその時にというのだ。
「同じ空手部の子によ」
「三年の人ですか」
「同級生、クラスは違うけれど」
 それでもというのだ。
「その子にね」
「告白されたんですか」
「そうなの」
 今話す衝撃の事実だった。
「これがね」
「そんなことがあったんですね」
「それでね」
 井上さんは僕にさらに話してくれた。
「その告白をね」
「どうされるんですか?」
「受けようって思ってるの」
「そうですか」
「あたしも相手の子も進路決まってるし」
「八条大学ですか」
「推薦で受けるけれど」
 これがというのだ。
「二人共今の成績ならね」
「問題なくですか」
「多分合格出来るし。若し二人共合格したら」
「その時にですか」
「受けるってね」
 その様にというのだ。
「決めてるの」
「そのこと相手の人には」
「もう言ったわよ」
「早いですね」
「即断即決じゃないと」
 そうしないと、とだ。日菜子さんは僕に話してくれた。
「空手も水泳もね」
「負けますか」
「水泳だと溺れたりもするから」
 だからだというのだ。
「あたしはね」
「即断即決ですか」
「もう迷わない」
 絶対にという返事だった。
「一旦何かしたら」
「何かあってもですね」
「そう、迷わないで」
 そうしてというのだ。
「本当にね」
「即断即決ですね」
「それで決めて」 
 そうしてというのだ。
「やっていってるから」
「だからですか」
「そう、今回もね」
「即断されて」
「即答したのよ」
「二人共合格したらですか」
「その時にね」
 交際をはじめようと、というのだ。
「言ったのよ」
「そうでしたか、ただ」
「二人共合格しなかったら」
「その時は」
 受験は絶対じゃない、合格は無理だと言われている人が合格したりその逆もある。この辺りは戦争と同じで時の運もある。 
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