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劇場版 真・恋姫†無双 曹魏の魔法使い 魔法大乱

作者:西森
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約束破りの魔法使い

ヨナルデの屋敷に乗り込んだ華琳達一行

だが一行はそれぞれ二人一組に分かれてしまい

華琳とマリアは蜘蛛の巣が張られた部屋でアラクネと戦うことになるが

魔法使いのみを憎むアラクネは自ら一刀のいる場所へ華琳を通し、残されたマリアがアラクネと戦うことになった。

マリア「罠もなく楽に一人通してくれるだなんていい性格してるじゃない 」

アラクネ「当然でしょ。私はあなた達のように簡単に約束事を破るわけないのだから 」

マリアは何故アラクネがここまで魔法使いを憎むのか知らなかったが

マリア「悪いけど、あなたを倒して私もこの先を通させてもらうわ!光よ、光線となって放て!フラッシュビーム!! 」

ババァーッ!!

マリアはアラクネ目掛けて威力の弱い光線を放つが

アラクネ「こんな攻撃食らっても大したことなさそうだけど一応念のために… 」

スッ!

アラクネは手を上に挙げると

アラクネ「避けさせてもらうわね 」

サッ!

マリア「なっ!? 」

何と!?空高く上がって攻撃を避けた!

アラクネ「よっと 」

そしてアラクネはそのまま宙に浮いたのだった。

マリア「まさか飛行能力の持ち主だったなんて驚きね。でも… 」

ぱちんっ!

ボンッ!!

マリアが指を鳴らすと箒が出現し

マリア「魔法使いは空だって飛べるのよ! 」

ビュンッ!!

アラクネ目掛けて箒に乗って飛んでいった。

アラクネ「あら、やめた方がいいわよ。だって… 」

アラクネがそう言った瞬間

キキィッ!!

マリア「えっ!? 」

飛んでいったマリアの動きが急に止まってしまった。

その理由は…

マリア「な…何よこれ!? 」

バァンッ!!

上空には蜘蛛の巣が張り巡らされており、マリアは蜘蛛の巣に引っ掛かってしまった。

アラクネの体が急に浮いたり、宙に浮いているのも蜘蛛の巣に使用した糸を利用しているからである

マリア「こ…このっ!! 」

無理矢理糸を切ろうとするマリアであったが

アラクネ「無駄なことはやめなさい。その糸の強度は鉄より固いのよ 」

しかし、それを聞いても無理矢理引きちぎろうとするマリアに対しアラクネは

アラクネ「はぁ〜、動けない相手をいたぶるのは私の趣味じゃないけど仕方ないわね 」

シュルルッ!!

マリアの体の各所に蜘蛛の糸をつけると

アラクネ「ほっ! 」

マリア「えっ!? 」

サッ!

アラクネの操作によってマリアはまるでマリオネットのように操られ

アラクネ「マリオネットレクイエム! 」

ゴキキィッ!!

マリア「ぎゃあぁーっ!? 」

関節をおかしな方向に曲げ

アラクネ「スレッドショット!! 」

バシュンッ!!

マリア「きゃっ!? 」

ブシュッ!!

マリアの体に高速で撃ち出した糸を繰り出した。

アラクネ「何だか手応えがなくてつまらないわねぇ、だからあなたに選択権をあげるわ 」

マリア「せ…選択権ですって!? 」

アラクネ「そう。あなたがこのまま大人しく帰るって言うなら見逃してあげる。断れば殺す!言っておくけど私はあなた達魔法使いのように嘘はつかない主義なのよ 」

当初から魔法使いは嘘つき、約束破りと決めつけるアラクネ

それは彼女の過去が関係していた。

まだモンスター・アラクネだった頃、彼女はある富豪の魔法使いの召喚獣となり、その後、多くのスパイダー達を引き連れ富豪の魔法使いの家にいたのだが

富豪魔法使い「うひょひょっ♪金はいくらあっても困らぬ♪お前達、さっさと糸を出せ! 」

魔法使いの目的はスパイダー達が時折出す『金の糸』であった。

そして糸を出し尽くしたスパイダーは

富豪魔法使い「用無しはいらぬ。そいつの餌になれ 」

ギャギイィーーッ!!

ピギーッ!?

富豪魔法使いのペットである大型のニワトリ型モンスター・バジリスクの餌となっていった。

糸を出さねば虐待を受け、出し尽くせば餌として食われる。

こんなひどい生活が続くなか、アラクネは魔法使いとある約束をした。

富豪魔法使い「よかろう。お前が金の糸を百本出せばスパイダー達は解放してやる 」

アラクネは他のスパイダー達を助けるため自分を犠牲にしたのだ。

だが普通のスパイダーであっても金の糸は滅多に出ない確率であり、クイーンスパイダーとも呼ばれるアラクネは体に無理をしながらも金の糸を出し続けた。

そしてそれからしばらくして、ついにアラクネは金の糸を百本出し、魔法使いの元に向かうのだが

富豪魔法使い「やっぱり百本じゃ足らないな、この十倍の千本金の糸を用意しろ 」

魔法使いは約束を破った。

このまま大人しく千本金の糸を作ってもまた魔法使いは約束を破るに違いない

そう察したアラクネは

ギュギュッ!!

富豪魔法使い「く…首が絞まる…!? 」

がくんっ

魔法使いを殺害し、その場から逃走した。

だがその後、アラクネは禁獣とされ討伐対象となってしまうも、富豪の家にいたスパイダー達が一斉に逃げ出せたのだった。

アラクネ「ピギピギ!(魔法使いは平気で約束を破る最低な奴だ!) 」

その後、アラクネは同じく魔法使いに怨みを持つケイル、コーンと出会い、ガルムの元へ向かうのだった。

そして現在

アラクネ「さぁ、あなたはどうするの? 」

アラクネがマリアに選択を迫ると

マリア「そ…そんなの決まってるじゃないの… 」

ゴゴゴッ…

アラクネ「んっ? 」

マリア「どちらも選ばない!それが私の答えよ!! 」

ブッチィーンッ!!

マリアは自力で蜘蛛の糸を引きちぎった!!

アラクネ「鉄より固い私の糸を力で引きちぎるだなんて!?あなた、本当に人間なの? 」

マリア「大きなお世話よ!! 」

※マリアは正真正銘の人間である
 
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