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星河の覇皇

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第七十一部第一章 掃討作戦その二十二

「若い二等伍長だったが」
「若い、ですか」
「まだ二十五歳だった」
「二十五で二等伍長といいますと」
 年齢と階級の関係からだ、航海士は考えてそのうえで航海長に応えた。
「十八で下士官候補学生として入隊して」
「二十で四等伍長となった」
「そちらですね」
「一般とは違った」
「七つボタン組ですか」
「そうだった」
 連合は各国軍の頃から軍には様々な入隊コースがあった、士官学校や大学で軍事コースを学んでから入る者もいればパイロット等各種専門コースもあり下士官候補学生、下士官補兵、一般とある。このうち下士官補兵と一般がセーラー服で採用される数も多い。候補学生は中央政府軍では七つボタンの詰襟が軍服になっているのだ。
「国防省採用でな」
「候補学生なので」
「それで二十五で二等伍長でだ」
「二十五ですと」
「部内士官の試験も受けられるな」
「そうした年齢ですね」
「しかしだ」
 そうした前途遙々な若者だったがというのだ。
「悪い癖があってな」
「それですね」
「ストレスが溜まるとジャンクフードを貪る」
「そのせいで、ですか」
「肥満気味だった」
「それはよくありませんね」
「部内士官の試験を受けさせるとだ」
 そうすると、というのだ。
「合格したがな」
「では」
「今は士官教育を受けてだ」
 そしてというのだ。
「もう卒業している」
「では少尉ですか」
「そうなっているが」
「その悪癖で肥満気味なのが」
「問題だった」
「軍人として肥満は」
「やはりよくないな」
「はい、どうしても」
「食べることは仕方がない」
 それはというのだ。
「ジャンクフードでもな、しかしな」
「問題は肥満ですね」
「だから運動の量を増やさせた」
 そうしていたというのだ。
「それで痩せさせた」
「そうでしたか」
「厄介な者だった」
「折角二十五で二等伍長になり、ですね」
「士官試験にも合格したというのにな」
 尚下士官候補学生の入隊試験と部内士官の試験は各国軍でも中央政府軍でもレベルは大体同じと言われている、つまり候補学生は最初から部内から士官になってもらうことを前提として中央政府国防省から採用されているのだ。下士官補兵や一般がそれぞれの総監部から募集されているのとは全く違うのだ。
「肥満気味ではな」
「問題がありますね」
「だからそうさせてだ」
「体重及び脂肪率を」
「減らさせた」
 その兵に努力をさせてというのだ。
「そうした」
「左様ですか」
「まあ士官学校ではな」
 部内の課程のだ。 
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