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仮面ライダー エターナルインフィニティ

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第三百六十八話 雨にも負けずその六

「だから」
「まだなんだ」
「谷崎さんは谷崎さんの分を食べて」
 そしてというのだ。
「私は」
「じっくりと火を通して」
「食べる」
 そうすると言うのだった。
「勿論他のものも」
「お野菜もなんだ」
「全部。お豆腐も」
 大好物のそれもというのだ。
「そうする」
「徹底しているな」
 一条はそんな鏡花を見て述べた。
「とにかく火を通してか」
「そうしてから食べる」
「それが安全だからか」
「何でも火を通せば」
 それでというのだ。
「安全だから」
「相変わらずよのう」
 紅葉はその鏡花を見ていとおしげに呟いた。
「そしてそれがよいのじゃ」
「姐さんは本当に」
「うむ、いとおしくてのう」
 紅葉は一葉にも笑みを浮かべて答えた。
「火を通したものしか食わぬこともな」
「気に入っておられますか」
「相当にな」
「では」
「その姿と鍋を肴にな」
 その両方をというのだ。
「今は楽しむとしよう」
「私を観て」
「そうじゃ」
 紅葉は鏡花自身にも答えた。
「肴にするぞ」
「何か変な気分」
「安心せい、別に取って食わぬ」
「茹でて食べないの」
「何故人をそうする」
 そもそもという返事だった。
「違うか」
「そう言われると」
「そうじゃろう、では稽古も終わったしじゃ」
「今はお鍋を食べて」
「ゆっくりしようぞ」
「食べることも戦いのうちだしね」
 五代はこう言った。
「しっかり栄養のあるものを食べてね」
「そのうえで戦う」
「そうしないとね」
 とてもという口調で言うのだった。
「勝てないしね」
「その通りだ、美味いものを食うこともだ」
 福沢も言うことだった、
「戦いのうち。皆しっかりと食え」
「そうしてそのうえで」
「スサノオにも勝つ」
 彼等の敵にもと言うのだった。
「いいな」
「そうそう、頭に栄養がいかないと」
 江戸川はその前から食べていた。
「駄目だからね」
「食材は豊富にある。しかと食うことだ」
「それじゃあ」
 鏡花は福沢の言葉に頷いてこの日も食べた、言うまでもなくじっくりと火を通したものばかりだった。
 そして次の日だった。
 戦士達はまた訓練をしていた、そこで中島は己の身体の半分手足の部分を虎の姿に変えて芥川と格闘訓練をしていたが。
 芥川の羅生門を避けつつだ、ふと言った。
「そういえば」
「どうした」
「いや、グロンギの中には」
 言うのは敵である彼等のことだった。
「芥川の羅生門みたいに鋭い突きを繰り出す奴がいるけれど」
「それでもか」
「一つだから」
 その鋭い突きはというのだ。 
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