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背後にいるもの

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第三章

「経営陣に入り」
「そして社長さんになったのね」
「前社長が行方不明になり」
「そこ凄く気になるわね」
 ボームは前社長が行方不明になったと聞いて言った。
「絶対に何かあるわね」
「社内でも多くの人が引退と知らされていますが」
「その実は」
「行方不明だと。そしてです」
「社長になってからは」
「社名を変えて」
 そしてというのだ。
「経営陣も自分の派閥で固め」
「今に至るのね」
「業績は鰻上りですが」
 それ自体は素晴らしいというのだ、企業のそれは。
「ですが」
「それでもなのね」
「はい、今も怪しい者達と関係があり」
「そしてなのね」
「黒い話を社内で聞く人がいて」
「密告に至ったのね」
「おかしいと」
 犯罪の匂いがする、というのだ。
「前社長の行方不明といい」
「それが一番気になるわね」
「では、ですね」
「ええ、ワテクシも賛成よ」
 ボームはポーズを決めてヘミングウェーに答えた、それはハリウッドスターの様に恰好いいものだった。
「それではね」
「はい、社内に入りましょう」
「どういう名目で入るのかしら」
「簡単です、このままです」
 ヘミングウェーはボームに率直な声で答えた。
「私が宣教師としてです」
「服はそのままでなの」
「入ります、神の道を説きに来たと」
「それでいけるのね」
「はい、企業であろうとも」
 ヘミングウェーはキリスト教の話をした。
「これが名目なら。特に社内から声があれば」
「ああ、密告してくれた人達にお願いするのね」
「社内で神の教えを聞くイベントでも行えば」
「それを社長さんが許してくれればだけれど」
「社内に入られます、中に入れば」
 それでというのだ。
「後はです」
「社内を徹底的に調べるのね」
「そうします」
「そう簡単に行くかしら」
 ボームは社長が黒魔術結社、神の道とは逆の道にいる者達との関係があることからどうかと言って述べた。
「果たして」
「社長もこれ位はとなるでしょう」
「そうなればいいわね」
「私の神具が教えてくれています」
 ここでヘミングウェーは自分が持っているそれの一つを出した、それは新約聖書彼の知力を上げて知恵を授けてくれる神具だ。 
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