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子犬を探して

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第二章

 そして令嬢である白い犀人の犀人の中ではかなりの美少女である彼女が二人に屋敷の応接間で茶を飲んでから泣きそうな顔で話した。
「探して欲しい子の名前は呂呂といいまして」
「呂呂ですか」
「はい、あの子が生まれた時に番目の兄が三国志演義を読んでいまして」
 何でも令嬢は六人兄妹の六番目で兄が四人続いた後姉がいて自分だというのだ。尚長兄が既に家の主になっていて父は隠居しているという。
「その時にやけに呂布のことを言っていて」
「それで、ですか」
「はい、呂布にあやかって強くなる様にと」
 三国志演義の中でも随一と言っていい強さを見せるこの猛将の様にというのだ。
「名付けました」
「そうでしたか」
「まだ一才にもなっていなくて」
「子犬ですか」
「ほんの。ですが危険なモンスターや獣がいるという地下迷宮に入ってしまって」
「それで、ですか」
「わたくしがすぐに助けに行こうとしましたが」 
 それがとだ、令嬢は泣きそうな顔でさらに話した、見れば物腰は丁寧で桃色と赤の中華の服がよく似合っている。清代の富裕層の服だ。
「しかし」
「それをですか」
「お父様にもお母様にも止められて」
「それで、ですね」
「冒険者にお願いしようと今日依頼を出しましたら」
「その今日にですか」
「お二人が来られました、是非です」
 強い声でだ、令嬢は二人に頼み込んだ。物腰も謙虚である。
「呂呂を助けて下さい」
「はい、それで犬の種類は」
 陳は令嬢に肝心のそれのことも尋ねた。
「何でしょうか」
「チャウチャウです」
「チャウチャウの子犬ですか」
「そうです」
 その通りだとだ、令嬢は陳に答えた。
「その子がです」
「地下迷宮にいますね」
「是非お探し下さい」
「わかりました」
 陳は令嬢に約束した、そして今度は金と共に地下迷宮に向かいその中に入った、だが迷宮に入ると陳はすぐに金に言った。
「多分もう食べられててな」
「魂だけになっててやな」
「それを生き返らせることになるな」
「絶対にそやな」
 それ以外にないとだ、金も答えた。
「こうした時はな」
「まずそやろ」
「ああ、ほなな」
「そのつもりでな」
「モンスター探して魂も探すか」
「チャウチャウのそれをな」
 こう金に言ってだった、陳は金と共に自分達に襲い掛かって来るモンスターや獣達を倒していった。そうしつつ彼等が倒されて姿を変えた金や道具を手に入れつつ迷宮の中の財宝も手に入れていき。
 チャウチャウの子犬の魂も探したがこれがだった。
 それらしきものはなかった、それどころかだ。
「犬の魂すらないな」
「そやな」
 金は陳のその言葉に頷いた、二人で迷宮の中を進みつつ。
「一切な」
「若しモンスターに食われたなら魂が漂ってる」
「身体がなくなっててもな」
「流石に一歳未満で寿命もないやろし」
「それやったらな」
「けれどな」
「それがな」
 どうにもと言うのだった。
「何でかな」
「チャウチャウどころかな」
「犬の魂すらない」
「不慮の死を遂げた冒険者の魂はある」
「その連中は生き返らせてるけれどな」
 二人は責任感でそうしている、こうしたことを行うのも冒険者の依頼としてギルドから出されることもあるが二人は今は星の者としてモンスター達を倒してくれる冒険者達の救済を政の一つとして身分を隠しつつも行っているのだ。 
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