八条学園騒動記
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第五百十四話 真理の実行その五
「まともな知能がない」
「白痴レベルだから」
「理解出来る筈がない」
「文章を読めるだけね」
「その中身はだ」
シェークスピアのそれはというのだ、尚このことはシェークスピアの作品に限らずあらゆる文章でも言えることだ。
「理解出来る筈がない」
「それじゃあ読んでもね」
「意味がないな」
「全くね」
「そう思うとな」
まことにというのだ。
「そこまでの馬鹿はどうにもならない」
「何を読んでも理解出来ないわね」
「それこそだ」
まさにともだ、洪童は述べた。
「どんな文学でも宗教でもな」
「そこまで馬鹿だと」
「救われない」
「理解出来ないから」
「馬鹿なだけでなく人間性もだ」
最も重要なそれもというのだ。
「他人の痛みが全くわからないからな」
「絶対にいいとは言えないわね」
「権力に反対する連中に殺された人の命、人生、殺された痛み」
「全部わからないってことね」
「そしてわかろうともしない」
「それを自分から平気で言うとなると」
「救われる筈がないしだ」
しかもというのだ。
「人間性もだ」
「よくないわね」
「俺はそこまでの馬鹿にはな」
洪童はその輩に怒った顔で述べた。
「幸い会っていないがな」
「まあ会わなくてもいいわね」
「極めつけの馬鹿を見たということでは意味があるが」
人間愚か者を知ることも重要であろうか、上を知るだけでなく下も知って反面教師と出来るからこそ。
「それでもな」
「見なくても会わなくても」
「こうしてここで話を聞いてな」
「充分よね」
「そうだな、しかしそんな親御さんが泣く様なことはな」
「しないべきだしね」
「なるべきでもない」
絶対にと言うのだった。
「何があってもな」
「そうよね」
「なったら終わりだ」
「人間としてね」
「法律も他人の痛みも悲しみもわからない」
「じゃあ何がわかるか」
「そのレベルだ」
そのテロ組織の正体もわからずだ。
「俺だったらそんな馬鹿なことを言う店員はな」
「どうするの?」
「俺が店長だったら聞いた時点でだ」
「クビね」
「そうする、さもないとだ」
それこそというのだ。
「どんな馬鹿をするかわからない」
「それにお店も疑われるしね」
「そんな馬鹿を雇ってるのかとな、そもそもな」
「そもそも?」
「そんな馬鹿は面接の時点でな」
「落とすのね」
「どれだけ人手不足でもな」
それこそ猫の手が借りたい状態でもというのだ。
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