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レーヴァティン

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第百三話 夜襲破りその四

「じゃあな」
「今からですね」
「皆用意は出来てるな」
「はい」
 兵士は即座に答えた、見れば彼も完全武装だ。
「既に」
「なら迎撃だよ」
「王都の方にも外側にもですね」
「俺も出るからな」
 言ってそれで起き上がった。
「それで戦うな」
「レーヴァティンも抜かれますか」
「必要ならな」
 これが今の久志の返事だった。
「そうするな」
「そうですか」
「まあそれに及ばないならな」
 レーヴァティンの力は絶大だ、仲間達がそれぞれ持っている神の道具の力はどれも一つの戦の勝敗を決するまでだ、だがレーヴァティンの力は他の神の道具と比べても全く違うのだ。
 一振りで巨人もドラゴンも倒してしまう、そして街すらも焼き尽くすことが出来る。それで彼も言うのだ。
「無闇に力使って街とか辺り一帯焼き尽くすとかな」
「そうしたことはですか」
「しないさ、そんな力みだりに使ったらな」 
 そうすればというのだ。
「余計な血が流れて土地も街も田畑も焼くだけだからな」
「使われないのですね」
「そうするさ、強い力ってのはな」 
 それが強ければ強い程というのだ。
「みだりに使うものじゃないだろ」
「それ故に」
「ああ、今は使わずにな」
 そうしてというのだ。
「戦ってな」
「勝たれますか」
「ああ、じゃあいいな」
「はい、これからですね」
「王都の方は鉄砲隊とパイク隊に魔道部隊を重点的に向けてな」
「迎撃ですね」
「それで外にも出すけれどな」
 久志はそちらの話もした。
「あそこはな」
「どうされますか」
「騎兵隊を出すぜ」 
 進太が率いる彼等をというのだ。
「それでかがり火を陣中に焚いてな」
「灯りにしますか」
「術も使ってな」
 灯りを出す術、それをというのだ。
「そうしてだよ」
「戦われますか」
「騎馬隊はもう全員白い布を着てるな」
「はい、そちらは」
「白い布の連中は攻めるなよ」
「味方だからですね」
「ああ、そうして戦うぜ」 
 こう言ってだ、久志は自分のテントを出た。そのうえで彼は歩きつつ自分の周りに集まる自軍の指揮官達にも話した。
 そしてだ、彼はこうも言った。
「外側は進太と清音に任せる、そして俺はな」
「どちらに行かれますか」
「護民官はどうされますか」
「王都の方だよ」
 そちらだとだ、久志は周りに笑って答えた。
「そっちに行ってな」
「そしてですね」
「そちらの守りを固めて」
「敵を撃退されますね」
「そうする、そしてな」
 そのうえでと言うのだった。
「今夜の戦いに勝つからな」
「ではですね」
「我々もそれぞれの持ち場について」
「そのうえで、ですね」
「ああ、戦ってくれよ」
 こう言ってだ、久志は実際に武装したうえでだった。 
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