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夢幻水滸伝

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第九十二話 太平洋の諸勢力その十一

「統一すべきです」
「国土も産業も民も傷付けずに」
「そうしてその太平洋をです」
「統一した後でやね」
「さらに発展させるのです」
 そうあるべきだというのだ。
「その国力を使って」
「そうするんやね」
「星の者も多くなりますし」
 このこともあってというのだ。
「豊かにして」
「そしてやね」
「豊かにした力で世界を統一し」
「世界を救う」
「そうしましょう」
「そやね、その為にも」
「この度の会議ではです」
 太宰は綾乃にさらに話した。
「必ずです」
「戦をしてもすぐに終わらせられる様にする」
「その取り決めを行いましょう」
「そうしよな」
「それとや」
 場には芥川と中里もいる、このことは日本の御前会議の常となっているが今もだった。それでなのだった。
 そして芥川がだ、ここで言ったのだ。
「僕も考えたけどな」
「どういったお考えでしょうか」
「今僕等が造ってるもんを他の勢力も造ってる」
「そうなのですか」
「そや、このことは宰相も察してたやろ」
「自分が考えるものは他者も考える」
 この摂理をだ、太宰は返事とした。
「人の思考は似るものです」
「それでや」
「他の勢力もですか」
「それぞれ築いてる、それでや」
「そのこともあってですか」
「総力戦、一戦で勝ち負け決めてな」
「あれを使ってですね」
 芥川のその言葉に応えた。
「そうしてですね」
「そや、そしてや」
 そのうえでというのだ。
「決めるんや」
「そうしますか」
「おそらくどの勢力もまず日本に攻めて来るで」
 他ならぬ自分達をというのだ。
「そうしてくるで」
「それはあれやな」
 中里は芥川の話を聞いてそうなる理由をすぐに察して述べた。
「うちが勢力として一番小さいからやな」
「そや」
 その通りだと言うのだった。
「まずは一番弱いところを叩く」
「その戦略に従ってですね」
「こっちに来るで、それでや」
「攻めて来るんならな」
「わかりやすい、その攻めて来る連中をや」
 太平洋の諸勢力をというのだ。
「片っ端から返り討ちにするで」
「わかったわ、それがこっちの戦略やな」
「この戦は五つの勢力の総当たりや」
 日本、アメリカ、中国、南洋、中南米とアフリカの五つの勢力のというのだ。
「まだ具体的にどういった戦になるかわからんけどな」
「それでもやな」
「まさに総当たりや、それやったらな」
 芥川は中里にさらに話した。
「日本が全部の勢力を叩く」
「そうするんやな」
「そや、それで全部の勢力に勝って覇者になったらどや」
 その場合はというのだ。
「もう文句なしでやろ」
「僕等が太平洋の覇者やな」
「そうなる、綾乃ちゃんは太平洋の棟梁や」
 日本の棟梁からそうなるというのだ。
「堂々たるな」
「そうなると大きいな」
「そやろ、それからの政もな」
「三極の綾乃ちゃんが文句なしの棟梁やとな」
「太平洋の中心となるからや」
 神星の中でも統べる者達として存在し最も力の強い三極星の一人である綾乃がというのだ。 
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