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星河の覇皇

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第七十部第五章 無政府主義者その二十四

「愚かな話だな」
「民主政治の失敗の一つですね」
「何も知らない、学ばない者が投票した結果ですね」
「一部だけを見て全体を見なかった者達の愚かな選択ですね」
「近視眼的どころか何も見えなかった者達の過ちとも言われていますね」
「衆愚政治家共に騙されたとも言えますが」
 かつて首都の市長だった人物等にだ。
「そのうえでの失敗でしたね」
「何も学ぼうとしない老人達の害が多かったと言われていますが」
「彼等が若者達の未来を奪った」
「そうも言われていますね」
「実際にだ」
 まさにというのだ。
「あの時老人達は何もわかっていなかった」
「イギリスの老人達は、ですね」
「何も理解せず衆愚政治家に騙され投票を行った」
「そして若者達の未来を奪おうとし憎まれ歴史に名を残しましたね」
「民主政治の失敗の一つとして」
「老人が悪とも害とも言わない」
 クリシュナータは達観した声で述べた。
「別にな、しかしだ」
「彼等は愚かでしたね」
「何もわからず学ばず理解しようとしなかった」
「そうした意味で彼等は老害ですね」
「そうでしたね」
「イギリスは何とか最加盟出来たがな」 
 それが適ったがというのだ。
「自分達はおろか欧州全体の地位を落とした」
「その選択ミスで、ですね」
「そうなりましたね」
「全く以て愚かな選択でした」
「老人達の過ちですね」
 当時は老害パワーとさえ呼ばれた、若い世代の暴走という言葉があるが老人達の過ちという言葉も存在するのだ。
「先のない人間が視野がないとです」
「衆愚政治家にも騙されますね」
「彼等の多くはテレビや新聞だけ見ていたそうですね」
「ネットには目を通さず」
「テレビは愚か者を作る最高の発明だという」
 クリシュナータはこの時代の言葉を出した。
「マスコミが視聴者を好きな様に黙せるからな」
「お茶の間の人気者でもですね」
「自分の考えのみを視聴者に訴えられる」
「そして視聴者をわかったつもりにさせる」
「そのうえで愚かにしていきますね」
「新聞もそうだがテレビはだ」
 特にというのだ。
「その力が強いからな」
「目と耳に訴えるからですね」
「しかもダイレクトに」
「新聞は文章だけですがテレビは違う」
「そのままきますね」
「だから影響力が大きいのだ」
 当時のイギリスでもそうだったのだ。
「テレビに出ていた人物がそのまま市長になり議員になった」
「その彼が人気を利用し自分が権力を握る為に離脱を主張して、ですね」
「それに騙された者がいた」
「テレビしか知らない者がそうなった」
「そしてイギリスの選択を過ちましたね」
「そうだ、テレビだけを信じるなだ」
 まさにとだ、クリシュナータは言った。
「さもないと選択を間違えてだ」
「イギリス、欧州の様になりますね」
「過ちを犯し」
「そうなりますね」
「そうなる、そしてそのエウロパはだ」
 再びこの地域の話をするのだった。
「これからはだ」
「再び人口が増加し」
「新天地も手に入れる」
「大航海時代、産業革命を迎えるのですね」
「あの総統殿は本気だ」
 ギルフォードはというのだ。
「そうするつもりだ」
「では我々はそれを助ける」
「水面下でもですね」
「そうなってもらう、開発と開拓の技術はだ」
 これはというと。 
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