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レーヴァティン

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第百二話 王国への包囲網その二

「結構減ったしな」
「それが戦だな、やるとだ」
「金が凄まじいレベルで減るな」
「そして手間もかかる」
「悪いことばかりだな」
「だから王国にもだ」
「戦わないで勝てたら最善だな」
「今の状況でかなり金も手間も使っている」
 その両方をというのだ。
「厄介なことにな」
「そうだよな、だったらな」
「出来る限りな」
「会戦や攻城にはならないでな」
「済ませるべきだ」
「それで王国の貴族や都市にも誘いかけていくんだな」
「降る様にな、あの国の政権に覚悟を決めさせる」
 その覚悟についてもだ、正は話した。
「降るそれをな」
「もう俺達には絶対に勝てないってか」
「そして降ってもだ」
「悪いことにはならないか」
「別にあちらの誰も殺すつもりはないな」
「あそこの王様や王室の悪い噂は聞かないしな」
「それなりに贅沢が好きな様だな」
 正は王国の王室の話もした。
「豪奢な宮殿の中で美食を楽しんでいるとのことだ」
「そうなんだな」
「しかし内政は確かでだ」
「別に民を餓えさせたりしていないか」
「そこは考えている」 
 自分達は贅沢をしてもというのだ。
「しっかりとな」
「だったらな」
「いいな、お前も」
「別に贅沢をしててもな」
 それでもとだ、久志は腕を組んで考える顔になって述べた。
「民衆を苦しめていないとな」
「いいな」
「ああ、酒池肉林でもな」
 例えこう表現する様な贅沢でもとというのだ。
「民を餓えさせていなくて内政自体も破綻していないとな」
「いいな」
「結果を出していたらな」
 例えどの様な贅沢をしてもというのだ。
「いいだろ」
「個人が楽しむ位ならだな」
「これが民を餓えさせているならな」
「赦せないな」
「それならな、けれどそうした位ならな」
「降ってもいいな」
「ああ、王様は無理でも公爵位ならいいか」
 久志は温度は地位の話をした。
「その立場でな」
「俺達の国に入ってもらうか」
「そう言ってあっちの王室にも誘いかけるか」
「そうしていくな、これから」
「ああ、これからな」
 こう言ってだった、久志は正の考えをよしとしてだった。王国内の領主や都市にも誘いの声をかけて。
 そしてだ、そのうえでだった。
 王室自体にも降る様に言ったがだ。こちらは。
「貴族や都市は降ってきているのにな」
「肝心の王室がね」
 双葉が久志に苦い顔で応えた。
「中々ね」
「降ってくれないな」
「そうね、王様の弟さんのね」
「大公が強く言ってるそうだな」
「降るべきじゃないってね」
「王様はもう降ろうって言ってるんだろ」
「ええ、公爵の位に下がるならね」
 王がそうすればというのだ。
「誰も殺さず奪わずね」
「俺達の国に入ってもらうってことでな」
「王様は頷いてくれたんだな」
「それならってなってるけれど」 
 それでもというのだ。 
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