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魔法科高校の劣等生の魔法でISキャラ+etcをおちょくる話

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第二百三話

「ねーねー、お兄ちゃんあっちいこー?」

とランジェリーショップを指差す。

「お前なぁ…!」

暦さんと別れた後、俺は弾と合流してショッピングモールへと来ていた。

「えー? お兄ちゃんがベッドの下に隠してた本に下着姿の女の人がいっぱいのってたよー?」

「おい一夏お前いい加減にしろよ」

「はー、おもしろくねーの」

俺と弾が並ぶと、当然ながら兄妹に見える。

「いいじゃねーか。兄の買い物についてきた妹って設定の方が目立たないだろ?」

「それでいいのか? お前?」

「弾をからかえるなら」

「表出ろ」

「きゃーおにーちゃんがいじめるー!」

と近くの観葉植物の影に隠れる。

「はいはいわかったわかった。あとでアイス買ってあげるからおとなしくしてなさい」

「じゃぁサーティワンのキング二つね」

「ぬぐっ…いいだろう」

まぁ冗談だが。

俺の方が小遣い(稼ぎ)いいし。

「じゃぁ真面目に買い物するか。つってもお前は特に買うもの無いだろ?」

「ああ。無いな。お前は………買うのか?」

「うん。冗談抜きで今寝間着がベビードールとネグリジェしかねぇ」

「おいマジか」

「つーか男物の服持ってねぇしな」

今着てるのも青いワンピースにタイツだし。

我ながら似合うのが悔しい。

「え? 嘘だよな?」

「束さんと箒に隠された。神社探せば出てきそうな気がするんだよなぁ。
アドミニストレイト・コールで取り返されるの嫌ってその手のやつコアに入れないもんあいつら」

「アド…何?」

「ISに対する絶対命令権」

「…聞かれてないよな?」

「あんしんしろって。ちゃーんと認識阻害かけてるよ」

「大げさ過ぎね?」

「西サハラの件で箒に他国の監視がついてるんだよ。ついでに俺にも」

「大丈夫なのか?」

「大丈夫。知り合いの所のエージェントもついてるから」

正確には更識の人。

楯無から事前に聞いている。

後ろを振り返って手を振ってみるのも面白いかもしれないけど仕事の邪魔はしたくない。

「話を戻すとして、とりあえずユニクロ行くか」

「はいはい。お嬢様の仰せの通りに」

ユニクロについた。

で、弾と一緒に見て回ったのだが…。

「弾、お前ぶっ殺されてぇのか?」

弾が手に取ったのはキッズサイズの服だ。

それもかわいい系の。

「は? ユニクロでお前に合うサイズなんてキッズしかないだろ」

もういいや。帰って自分でつくろ。

「じゃぁもういいよ…」

「そう言うなよー。せっかく来たんだから一着くらい買っていけよ。なんなら俺が買ってやろうか?」

「自分より金の無いやつに奢らせたりしねぇっつの」

「じゃぁプレゼントって事で」

「くどい」

「お前もノリ悪いなぁ一夏」

弾が渋々服を戻す。

「君、何をしているんだ」

唐突に声をかけられた。

男が弾の手を掴んでいる。

「こんな女の子に何をしている。見たところ兄妹ではないようだ。
少し話を聞かせて貰おうか」

まぁ、たしかにそう見えるよねぇ。

で、見えるのはわかるし、これが本当に善意でやってるなら生徒手帳を見せるんだが…。

「俺のダチから手ェ話しやがれ。クソアマ共の犬風情が」

相手が女性権利団体の狗となりゃぁ話は別だ。

「な、何のことだ?」

「いいから、手を離せ」

人差し指をピンとたてる。

「秘剣【切陰】が崩し、霊糸刃」

サイオンのワイヤーを男の体に巻き付ける。

「じゃぁな」

思い切り手を引くと、全身に絡まったサイオンのワイヤーが男を締め付け、やがて霊体を断った。

バタリと男が倒れる。

「さて、後始末後始末…。弾、じっとしてろ」

パレードで髪色を変えてカウンターまで走る。

コアに命じて監視カメラを書き換えるのも忘れない。

「てんいんさんてんいんさん! あっちでおとこのひとがたおれてるのー!」

「何だって!?」

店員を二人連れて戻る。

「このひとがね、きゅうに苦しみだしてね、だんおにいちゃんが駆け寄ったけどたおれちゃったの!」

「そうかい、有り難うね、お嬢ちゃん、お兄さん」

店員がテキパキと男をバックヤードに連れていった。

「慣れてるな、お前」

「これやったの十回目くらいかなー?」

「苦労してんなー…。で、あれ誰?」

「女性権利団体…要するに俺をブリュンヒルデの汚点と考えるアホ共の手先」

「よくわかったな」

「胸にバッヂつけてたからな。すぐわかったよ。
隠す気あんのかってレベルでな」

「バッヂ?」

「ある女性政治家直属の組織があんだよ」

「潰さねぇの?」

「なんで? 放っといても勝手にモルモットと食糧贈ってきてくれるありがたい組織だよ??」

そういう組織と各国諜報部員しか食えないし。

あとそういう所って人が消えても騒がないし。

「こえーなー」

「引いた?」

「うんにゃ全然」

面倒になる前に店を出る。

「で、この後はどうすんだよ一夏」

「んー……デートでもするか?」

「リディクラス」

「お前俺の渾身のボケを馬鹿馬鹿しいとは何だ」

「お前の可愛さは認めるが、さっきみたいなのが来るだろうが。今度は一般人の」

「ちぇー。お前をからかおうと思ったのに」

「そう言うのは箒ちゃんとやれ」

「箒の奴女子連中と今度行くんだとさ」

「ふーん…」

「女子連中が食われないか心配だ…。アイツ女なら浮気にならないとか言ってクラスの女子に手ェ出してるっぽいしな」

「なにそれ初耳」

「前に鈴ともしてたみたいだし…」

「ふぁ!?」

「よーしサーティワン食いにいくぞー」

弾の袖を引っ張って地下のフードコートへ。

「あ、さっきの話に通じるけどさ、コアの人格がマンガ書いてたけど読む?」

エスカレーターを降りながら、弾に話しかける。

「通じるってどの話にだよ…。まぁ、ジャンルにもよる」

「エロマンガ」

「読まねぇよ」

「え?」

「は?」

いらないの…?

「お前束さんからスマホ貰っただろ? あそこから入れるようにしてやろうかなと…」

「あれ撮影用にしか使ってないぞ?」

「と、思うじゃん?」

「なにその不穏なフリ」

「まぁ、使わないで済んだ方がいい機能もあるけどな」

「自爆スイッチじゃねぇよな?」

「爆発しないとは決して言えない。束さんが何いれたか俺知らねぇもん」

「えぇー…今度聞いといて」

「覚えといたらな」

地下まで下り、サーティワンへ。

「ほれ、見えないだろ」

弾に脇腹を持たれて持ち上げられた。

「いや頼む物決まってるけど…」

店員に注文を言う。

キングのポッピングシャワーとキャラメルリボンだ。

弾はトリプルポップだった。

「お会計は…」

「わたしがはらいまーす」

とちょっと背伸びして店員に渡す。

「いや俺がはら…」

「おにーちゃんこんげつピンチでしょー?」

「ぬぐっ…」

お前が今月も金欠なのは知ってるんだよ。

つか普通に月末だしな。

店員の弾に対する蔑みの目と後ろめたそうな弾が超絶面白かった。

アイスを受け取って席につく。

「他人の金で食うアイスは旨いか?」

「趣味悪いぞ一夏」

弾がパチリと五百円をテーブルに置く。

「要らねぇよ。俺結構稼いでるからな」

スッと五百円を弾の方に戻す。

「ちょっとでも金残しとけ。あっちで色々買うかもしれねぇだろ?」

「まぁ…」

「あっちで金足りなくなったら貸してやるよ、トイチでな」

「それ借りない方がマシなやつじゃねーか」

スマホを取り出して、アプリを開く。

「弾。さっきのエロマンガの件だが読んでくれないか?」

「なんでだよ…」

「ほれ」

スマホの画面を見せる。

『わー! 創造主以外の男の人だー!』

『弾様弾様! 男の人のオナニーってどんな感じですか!?』

「うぉっ!? なんだこれ?」

と弾が驚いていた。

声からしてアマテラスとイヅノメか。

「世界に発表されてない十数個のコアの内部人格達。
の、中でもマンガとかアニメとかが好きな奴ら」

「へ、へー……」

「こいつらが一般男性の生の声が聞きたいんだと」

「俺に読めって?」

「そういうこと」

弾が持っている束さん謹製のスマホを遠隔操作する。

「今お前のスマホ弄ったから」

「お、おう」

「ちゃんと感想とか聞かせてやれよ」

「善処する」

side out









同日夜

『弾様、こういうタッチがツボですか?』

『どんなシチュが好き?』

『それよりやっぱ男の娘ですよね!?』

「君ら描くの早すぎない? 世の漫画家を敵にしてるぜ?」

弾は部屋でエロマンガを読んでいた。

スマホに表示される既読が70、未読が1200。

もちろん作品数だ。

未読の数は今もなお増えている。

画面の下部三割ほどのウィンドウには数人の女性…コアのアバターが写っている。

『私たちの演算力を以てすれば余裕です』

『なんなら弾様が抜くためだけの作品もありますよ。もちろん男の娘物!』

『っていうか早く抜いてください! データ取れません!』

長椅子に座っているコア達が弾を急かす。

「俺……君らに見られながら抜くの?」

はい! と画面の中から唱和する声が響いた。

『安心せよ、王は我らの人格形成に関しては無関心故、そなたの性癖を探るような事はしない』

とコアナンバー0001イザナギが言った。

『それともエロアニメ派ですか!? ASMRですか!? 一夏様の声を合成して作りますか!?』

「やめて? 俺明日どんな顔して一夏に会えばいいの?」

コア達のブーイングが響く。

『わかりましたわかりました。じゃぁ監視はしません。後で感想聞かせてください』

次の瞬間、弾の足の上に大量の本が落ちた。

「うわっ!?」

『印刷した本を量子展開しました! では後程!』

スマホがブラックアウトする。

「な……なんという技術の無駄遣いッッ!?」







その日弾は最高記録を達成した。
 
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