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レーヴァティン

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第百一話 島への侵攻その十

「こうなったらだよ」
「ああ、王国を囲んでな」
「頃合いが来たら」
「攻めるか」
「そうしようね、王国を降したら」
 それからのこともだ、剛は久志に話した。
「半島統一だよ」
「それが成るな」
「第一の目標が達成されるよ」
 今自分達が目指しているそれがというのだ。
「その時こそね」
「そうだよな、じゃあな」
「そう進めていくね」
「このままな、それでだけれどな」
 ここでだ、久志は剛だけでなく他の面々に話した。
「今日の昼もパスタ出るよな」
「それが何か」
 順一が久志のその言葉に尋ねた。
「ありますか」
「いや、南の王国の辺りはナポリっていうけれどな」
「ナポリだからですか」
「たまにはこっちの世界でもな」
 今自分達がいる世界でもというのだ。
「ナポリタン食いたいな」
「あのスパゲティをですか」
「今ふと思ったんだよ」
「そうですか、ですが」
「ナポリタンって実はな」
「名前はナポリですが」
 久志達が起きている世界では半島、つまりイタリア半島の南部の地域だ。かつてナポリ王国があった場所だ。
「実はです」
「ナポリにはないんだよな」
「日本のスパゲティです」
「そうなんだよな」
「大戦後アメリカ軍が来た時にアメリカ軍に振る舞われたとか」
「そういえばな」
 アメリカ軍の名前が出てだ、久志はこう言った。
「結構アメリカ人が好きそうな感じだな」
「ケチャップを多く使い」
「そう考えるとな」
「ナポリタンはですね」
「ああ、アメリカ人好みな感じだな」
「その頃に生まれたそうなので」
 それでとだ、順一はさらに話した。
「あれはナポリにはないです」
「日本のスパゲティだな」
「ですからこの世界でもです」
「ナポリタンはないんだな」
「そうなります」
「ボロネーゼやネーロやカルボナーラはあってもな」
「どれもイタリアにもこの世界の半島にも元からあるものです」
 そうした種類のスパゲティはというのだ。
「私達が起きている世界ではカルボナーラは新顔ですが」
「あれもアメリカ軍絡みだったな」
「アメリカ軍がイタリア半島に来た時に生まれました」
 このスパゲティはそうだというのだ。
「アメリカ軍の物資を使って調理されて」
「それで出て来たんだったな」
「卵に生クリーム、ベーコンを濃厚に使う」
「やっぱりアメリカ人が好きそうだな」
「それでどちらもです」
 ナポリタンもカルボナーラもというのだ。
「生まれています」
「それでどっちも美味いか」
「はい、そうなのです」
「そういうことだな」
「むしろ南部はペスカトーレ等ですね」
「海の幸とトマトのスパゲティか」
「確か今日のお昼のパスタもです」
 久志が言及したそれもというのだ。
「そちらです」
「そうか、ペスカトーレか」
「そちらもお好きですね」
「ああ、ソースに好き嫌いはないさ」
 パスタのそれにというのだ。 
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