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魔法科高校の劣等生の魔法でISキャラ+etcをおちょくる話

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第二百二話

「やぁ、暦さん」

GW初日。これから修学旅行で必要な物を買い揃えようと街へ繰り出したら、暦さんと出会った。

「やぁ……一夏君。二週間ぶりくらいかな」

思い切り顔をしかめられた。

「おいおいそんな嫌な顔しないでくれよ。一応血筋的にはアンタの叔父だぜ俺」

「は!?」

「で、これからエロ本買いに行くの?」

「待って待って、さっきの話切らないで!」

「なんだよー。オススメのエロ本教えてあげようと思ったのに」

まぁ電子書籍だけども。

まぁ、いいや。

正体ばらそ。

「我こそは! 転生にして新生にして厭生の吸血鬼ユートピア・クイーンパラドクス・グリップアンドブレイクダウン!」

「お、おぅ…」

「ねぇもうちょっと何か無いの?」

「そんなこと言われても…」

「ちなみに俺は吸血鬼になる前から魔法使いだったから太陽光を遮断できるよ。
ほら、おれ今影ないでしょ?」

羽川翼対策ってことで今は吸血鬼化している。

ま、こういうのやり過ぎると人間に戻れなくなりそうだけどな。

奏? 服の影にかくれてるよ。

「バレたら大変だよ?」

「俺がそんなヘマすると思う?」

「そう言われるとぐうの音も出ないけども」

「これでも暦さんより吸血鬼としては先輩だよ」

「へー、いつから?」

「去年の夏にドイツで」

「じゃぁその瞳って……」

「いや、これは吸血鬼とは関係無いよ。たしかに吸血鬼化は切欠の一つだけど、本質的には違う物だよ」

「そうなんだ……」

ふと暦さんの視線を感じた。

首筋だ。

「暦さんって首フェチ?」

「違う。僕はノーマルだ」

「あっそ……で、何?」

「君が調伏したっていう吸血鬼は、人間を襲ってたのか?」

「いや。600年何も飲まず食わずだったバカだよ」

「バカって…。え? それって生きていられるの?」

「ほとんど力失ってたけどね。格はそのまま、でも力は空っぽ。
だから純正吸血鬼の格で眷属化した俺に調伏されちまったのさ」

「そういう物なんだ……」

「それに、奏は俺の血しか飲まないっていう契約だからな」

「ふ、ふーん……」

「なんだよ暦さんまだ何か悩んでるの?」

と聞くと、暦さんはとても言いにくそうに言った。

吸血鬼が人を襲う事をどう思う? と。

「吸血鬼が人を食う事について?
いいんじゃない?」

「っな…!?」

暦さんはとても驚いた顔をしていた。

「うん。暦さんはそれでいいよ。
貴方はそのまま、善良で自分の正義に従ってくれ。
彼らは生きるために、殺した者を己が糧として、殺した者を生かし続ける。
それは、きっと崇高で、高潔な行為だ。
それとも、暦さんは肉を食うことをやめる?」

「いや…だけども!」

五指を揃える。

「さっき俺が魔法使いって話したよね?」

「あ、ああ」

「怪異があるなら魔法もある、程度に思ってくれよ暦さん」

揃えた五指を暦さんに見せる。

まだなにもしていない、ただの手だ。

「闇よ全てを斥け以て万物を絶て」

闇を纏った手を、暦さんに見せつける。

「この闇はね、斥力フィールドで光すらも跳ね返してるブレードなんだ。
さて問題。この手の使い道は?」

手刀、抜き手。

そう呼ばれる手の形だ。

「…………」

「そ、この手は血にまみれている。
それに俺はね、復讐の為だけに人を殺した事もある。
父さんと母さんの仇を、この手で殺した。
比喩なんかじゃなく、文字通り殺した。
殺した敵を食うこともなく、その場に放置した。
それに、比べたら、さ…。
ね?俺はキスショット達よりも外道なんだよ」

暦さんは、黙って立ち尽くした。

クルリ、と振り返る。

「暦さん。人間は人間であろうとする限り人間だ。
例え暦さんが吸血鬼擬きの人間擬きだとしても、貴方が人間であろうとするならば貴方は人間のままでいられる」

「……君は、どうなんだ」

「俺はもう人間じゃない。人間をやめたと、自分でも思ってる。
だって、仮に俺から吸血鬼性を完全に抜いたとしても、俺はもう人間じゃないからね」

トライング。

大好きな人に貰った、俺だけの名前。

俺だけの、種族。

誇らしい、名前。

「それで、それでいいのか…?」

「俺は力が欲しい。手の届く範囲だけでも守れる力が。
もう二度と家族を失わないために。
そのためだったら、俺は人間性なんて捨てられる」

「……………………」

「貴方もいつか、そうなる。貴方には力がある。
人間のままでは扱いきれない力が。
だから貴方が、人間のままでは解決できない壁に、困難に、理不尽に、不条理に出会ったとき、きっと貴方はその力を使うだろう」

遠くに、羽川翼が見えた。

タイムアップだ。

「おや、彼女さんのお出ましだね」

「……なんで知ってるんだい」

「噂だよ、噂」

脇道に逸れる。

「一夏君!」

後ろから呼び止められた。

「なに?」

「君は人間を食べたことはあるのか?」

ふーむ。どう答えた物か。

この半年で結構食べたんだよなぁ。

ま、いいか。

「ねぇ、俺がこの半年で何回命狙われたか知ってる?」

「え?」

「ブリュンヒルデの弟の利用価値。あとはそうだ、箒を狙う各国諜報組織とかさ」

「な、何を言って……?」

「暦さん」












「殺されそうになったら、殺しちゃってもしかたないとは思わない?」
 
 

 
後書き
一夏が人を食う話上げた方がいいですかね? たぶんR18Gになるのでイチャラブの方にあげる事になるんですが…。
需要ないっぽいんですよねー。 
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