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魔法科高校の劣等生の魔法でISキャラ+etcをおちょくる話

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第百九十八話

「ったく……忍野のクソ野郎め…普通あそこで俺を呼ぶなよな…」

ついさっきの事だ。

時間にして十五分も経っていない。

終わった。

否、始まった。

最終決戦は原作通りだった。

ただし最後だけが違う。

忍野が、事もあろうに俺を呼びつけた。

呼びつけて、吸血鬼を調伏する方法を、暦さんに教えさせた。

「ユートピア」

「なんだよ…奏」

俺の隣を、ガワだけは完全体の奏が歩いている。

奏の吸血鬼性は俺の名前で縛っている限り今の状態が頭打ちだ。

「キスショット、久々に見たんだ」

「600年ぶりか」

「ああ」

織斑奏。

旧デストピア・ヴィルトゥオーゾ・スーサイドマスター。

キスショット・アセロラオリオン・ハートアンダーブレードの親。

死体の城の主。

「それにしても、キスショットとコヨミは不便だな。
太陽の下を歩けねぇなんて」

「いうて、俺だけだろ? デイウォーカーなんて」

「ああ。太陽光を遮断する障壁持ってるのなんてお前くらいだよ」

徒歩で家に帰ると、箒と束さんと円香が待っていてくれた。

「今日は早かったな」

「ああ。割りとすんなりいったよ今日は。明日から学校だしな…」

円香に手招きされたので、膝の上に乗る。

「二週間くらいネコモード封印してたよね?」

「待て、あと一週間我慢しろ」

「えー……」

それを見て奏が笑っていた。

「おい奏。何がおかしい」

「いや、別に」

カプッ!

「ふみ"ゃぁ"!?」

首筋を噛まれた。

「みゃぁー…!」

まずい…まずい…思考が……。

「ち…橙っ! 憑依!」

『了解、ますたー』

完全獣化……!

間に合えっ……!






「にゃー……」

なんとか、間に合った。

意識ははっきりしている。

「あー…失敗だー…」

人間性と獣性は、肉体と精神に割り振られる。

それぞれ上限があり、獣性を全て肉体に振る、つまり完全獣化すれば精神は人間性を、つまり理性を保てる。

逆に普段だと、肉体を変容させるほどの獣性を押さえきれなくなる時がある。

ネコモードを回避できる術を開発しても人前で使えないのがなぁ……。

「みゃおん」

円香の膝の上で腹這いになる。

手足のサイコシャードもきちんと猫の物だ。

便利すぎだろサイコシャード。

「まぁ、いいや。もふもふしよ」

猫としては大きめの体をなで回される。

冬毛だしな。

「みゃぁぁぁあぁぁぁああ……………」

きもちい。

めっさきもちい。

ふわふわする…。

でもなー…やっぱリムが一番上手いんだよな……。

はっ!? 俺は何を!?

「お兄ちゃん、リリムキッスつかっていい?」

「な"ぉー」

「じゃぁやめとく」

そういえば鳴き声で言いたいことが通じる人と通じない人いるんだよなー。

束さん、箒、ロリs、鈴、弾は通じるけどヴィッサリオン、フィーネ、連槍(旧モノクロームアバター)とかには通じない。

「いっ君いっ君。いくらなんでもリリムキッスを呪い返ししたらダメだと思うよ?」

「にゃー」

と、そこで俺の端末に着信が入った。

暦さんだ。

端末を量子展開し、腕だけ人間のそれっぽくして束さんに渡す。

「もしもしこー君?……………うん。いっ君? いまちょっとトイレ行ってるよ。
………………うん。わかった。伝えとく」

短い通話が終わった。

「こー君が家族裁判の弁護人求めてるけどいっ君どうする?」

「なー」

行くに決まってるじゃん。












約10分後。

阿良々木家のリビング。

「さて…阿良々木家の皆さん、私が呼ばれたのは他でもなく、彼、阿良々木暦が何をしていたか私の口から言うためです」

この場には阿良々木夫妻、姉妹、育さん、暦さんがいる。

暦さんが何か言おうとしてたので標本針で黙らせる。

「まず始めにこれから言うことは真実です。
例えどれほど不可解だろうと」

「続けてくれ、一夏君」

阿良々木さんに言われ、続ける。

「貴方方の知る暦さんは3月末に…死にました」

「おい何を言ってるんだ一夏君。現に兄ちゃんはそこにいるじゃねーかよ」

「順を追って説明…してもわからんか…」

標本針ディキャスト。

圧切キャスト。

「ちょっとごめんね暦さん」

暦さんの腕をつかみ…

スパッと切った。

「あっぐぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」

「暦!?」

「兄ちゃん!?」

皆が驚く中、俺は暦さんの切り落とした腕を拾う。

その腕は直ぐに溶けさり、暦さんの切られた腕から無傷の腕が生えていた。

「なっ…!?」

「これが証拠ですよ。暦さんはある吸血鬼を助けるため、その身を差し出し吸血鬼となった」

「きゅう…けつき…?」

育さんが信じられないというように呟く。

「そう吸血鬼。
この二週間。暦さんはその吸血鬼と共に冒険をしていました。
その内容は私が語る事ではありません。
私に説明できるのはここまでです」

「暦…本当なの?」

「ああ、今見てもらった通りだぜ母さん」

「そう…」

「現在暦さんの肉体は限りなく人間に近いと言えど、先のように吸血鬼としての力を僅かに持っています」

「お兄ちゃん…」

「では、私はここで。あぁ、冒険の内容は本人が話したがらない限り聞くべきでないと助言しておきますよ」









帰り道、暦さんから電話がかかってきた。

『一夏君。説明してくれた事は感謝するけど腕を切り落とした理由は…』

「いきなり家族会議にぶちこまれたんだからコレくらいさせてよ」

『…………』

「じゃ、お休みなさい。今日くらいは火燐さんや月日や育さんと寝てあげなよ。
寝物語程度に、『地獄の春休み』とやらを語るのもいいんじゃないかな」

プツッと電話を切った。 
 

 
後書き
199と200はオリジナルです。ですがUCのあるシーンにインスピレーションを受けて書きました。 
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