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魔法科高校の劣等生の魔法でISキャラ+etcをおちょくる話

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第百九十六話

「なぁ、キスショット。転生にして新生にして厭生の吸血鬼ユートピア・クイーンパラドクス・グリップアンドブレイクダウンって知ってるか?」

「誰じゃそれは。そんな奴知らん」

「……そうか」

「そやつがどうかしたのか?」

「今までの勝負で、審判をしていた奴だ。お前の名前と作りが似ていたから聞いただけだ。
知らないならそれでいい」

全てを取り戻したキスショットと暦の会話。

そのなかで暦はユートピアと名乗った存在の事を口にした。

「ふむ……あり得ぬ話では…いや…しかし……」

「どうしたキスショット? 心当たりがあるのか?」

「うむ。儂と名の作りが似ておると言うたが、もしかすると、儂に名をつけた奴がつけたのやもしれぬ」

「キスショットって本名なのか?」

「否。儂を吸血鬼にした者がつけた名前じゃ」

「え? お前純正じゃなかったの?」

「600年も生きとれば純正もなにもな」

「ふーん……」

「しかし、儂が其奴と会ったのは、その時の一度きりじゃ。
故に、其奴が眷属を作ったのかも子を成したのかも知らぬ。
今、生きておるのかすらもな」









side in

「やぁやぁ久しぶりだね暦さん。探したよ。育さんたち心配してたよ?」

暦さんを待ち伏せすること30分。

「久しぶり? 昨日会ったばっかりじゃないか」

「何のこと?」

「ユートピア・クイーンパラドクス・グリップアンドブレイクダウン。
君だろ? 一夏君」

「は? なにそれ? よく聞こえなかったもう一回言って?」

「……………………」

「どうしたんだよ暦さん?」

「…………君は吸血鬼なのか?」

直球きたね…。

「吸血鬼? 俺が? なんでさ? 仮に俺が吸血鬼だったとしたら太陽の下歩けないよ」

「じゃぁ質問を変えよう」

「ほほう、質問」

「僕を夢の中で鍛えたのは君か?」

「はて、何の事やら」

ごまかす。はぐらかす。

「君は、ずっと見てたのか?」

「何を?」

「僕たちを」

「さぁ? どうだろうね」

まだ、暦さんは気づいてない。

自分の罪を。

「それより、もどらなくていいの? そのジュース、何かの打ち上げ用でしょ?」

「何かだって? 君なら知ってるだろう」

「何を?」

「………………………………」

暦さんは、話せない。

俺がユートピアだと確信していても、俺が否定する限りは。

「まぁ、いいや。それより暦さん」

「なに?」

「食べなきゃ死ぬよ?」

「は?」

ぽかん、とした顔の暦さん。

「じゃぁ、おれは帰るよ。箒達が待ってるから」

ヒラヒラと手を振って、暦さんに背を向ける。

「さて、ギロチンカッターはどうなったかな」

暦さんに聞こえるよう、わざと呟く。

普通の人間なら聞き取れまい。

が、暦さんならば、聞き取れよう。

そして案の定。

「やっぱ知ってるんじゃねぇか…」

暦さんの囁くような呟きを後に、俺は直江津高校へと向かった。









教室で待っていると、暦さんが凄い速さで体育倉庫に入っていったのが見えた。

ギロチンカッターは、死んだようだ。

さて、人避けの結界でも張りますかね。
 
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