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船の中の事件

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第四章

「独特の悪魔がおるな」
「シャドーデーモンやな」
「その悪魔や」
「あの悪魔か、そういえば影に潜めるな」
 この悪魔はとだ、花華も述べた。
「瞬間移動みたいにな」
「そや、影のあるところにはな」
「あの悪魔は隠れることが出来てな」
「それでや」
「人を殺そうと思ったらな」
「船の中なんてもうあちこち暗いやろ」
「それで灯り点けてもな」
 船の中でだ。
「そうするとな」
「あちこちに何かあってな」
「その何かが照らされるとな」
「そこに影が出来る」
「ほなあの悪魔が何かしようと思ったら」
「こんなええとこはない」
 まさにとだ、蓮美は指摘した。
「そやからな」
「シャドーデーモンが何かしよ思うたら」
「こんなええことはない、しかも今この港ではや」
 蓮美は調べたことをさらに言った。
「妙に窃盗事件も多い」
「窃盗、な」
「これもな」
「船の中でシャドーデーモンが動いてたら」
「かならい楽に出来る、どの事件も犯人は全くわかってへん」
 そうだというのだ。
「これはな」
「それでか」
「そや、それでや」
 まさにというのだ。
「うちが思うにな」
「この窃盗もやな」
「シャドーデーモンの仕業や、船員さんはな」
 殺された彼はというと。
「多分お金をな」
「狙われてか」
「後ろからな」
「強盗殺人やな」
「それを目論んでたが」
 それがというのだ。
「持ってなかった」
「あの船員さんお金持ってなかったんやな」
「船員さん自身がお金持ってなかったんや」
「それで只の殺人に終わったんやな」
「この船は貴重品は各自の鍵付きのロッカーに入れる」
「そうした決まりやしな」
「そやから持ってなくて」
 それでというのだ。
「只の殺人に見えた」
「そういうことか」
「そやろな、そしてな」
 蓮美は花華にさらに話した。
「今回強盗殺人を目論んだってことはな」
「それが何かあるか」
「あるわ、これまでは只の窃盗やったが」
「殺してでもってなると」
「これからもしてくるで、それでな」
 蓮美はさらに話した。 
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