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魔法科高校の劣等生の魔法でISキャラ+etcをおちょくる話

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第百八十八話

鈴と俺は学校近くのスイパラに来ていた。

「よく食べるわね、アンタ」

「ぅゆ? 鈴だって気功使えるんだから基本太らないでしょ? っていうか多少肥っといた方が強いでしょ?」

「まぁ…否定はしないけども…。肥るのは嫌ね」

等と言いつつ鈴もかなり食べてはいる。

「普通の女子の三倍は食ってねお前?」

「アンタもね。夕飯前にそんなに食べて入るの?」

「んー…食べようと思えば。だって俺食わなくても生きていけるし」

束さんと箒から母乳さえ貰えれば生きていける。

だって吸血鬼だもの。

「へー。彼女のおっぱい飲んでたら生きていけるのね」

「ぶふっ…!?」

コーヒー吹いた。

「な………なぜそれを………?」

「正月、アンタが居ないとき箒が来て飲ませてくれたわよ?」

あっそ…。

「アンタ…かなりの変態だったのね」

「違う。あれは箒が悪い」

俺はわるくねぇ。

言い出しっぺは束さんだし張り合ったのは箒だ。

「ま、いいわ」

よくねぇよ。

俺は変態じゃねぇ。

「まぁ、それはそれとして、本題に入るわ」

本題?

「えー…難しい話とかやめよーぜ。せっかく甘いもの食ってんのに」

「大丈夫よ。単にアタシが中国に帰るってだけだもの」

「ふぁ!?」

鈴が中国に!? なんで!? あと一年あるだろ!?

「アタシ、中国でママと修行してくる。そんで、箒と同じくらい強くなる」

「へ、へー…そうなんだ…」

なるほど…要するにバタフライエフェクトの一種か。

いやバタフライってレベルじゃねぇけど。

「二年。二年で強くなってまた戻ってくるわ」

「そっかー…。やっぱ鈴もIS学園行くんだな」

「へ?」

「考えてなかったのか? 箒を超えるなら行き先はIS学園で決まりだろ」

「あー……それもそうね」

でもまぁ、鈴なら箒に追い付けよう。

「そのためにはまず、素手で第二世代ISとやりあえるようにならねぇとな」

「そうよねー…」

「なお箒はラファールのサブマシンガンくらっても青アザで済むくらい堅いぞ」

「えー……アタシまだ九ミリ止まりなんだけど」

「どうやって試したよお前」

「こないだパパの部屋から黒星借りて掌撃ったら怒られたのよねー。
ゼロ距離で撃ったから銃身内で弾丸潰れて壊れたのよ」

それは壊したから怒ったんじゃねぇよ。

娘が自分の掌撃ったらそら怒るわ。

「ん? ハオさんは?」

「『お前達の帰る場所を守っとく』だってさ」

「シャオシンは何て言ってた」

「爆笑してた」

最悪だなアイツ。

「でもその晩トイレに起きたら…」

「言うな」

「パパが搾られてた…。ほら房中術ってやつ」

言うなっつったろ。

「俺も箒も使えるぞ。そういう系統じゃないけどな」

「?」

「俺と箒の場合は互いの気を巡らせる奴だ。たしかに一方的に相手の力を奪うことも出来なくはないが、基本やらん」

「そうなんだ」

「相手から一方的に搾るのはある意味邪法だよ」

それは、怪異の技/業だ。

「アタシも修行したらつかえるのかしら…?」

「どうやって修行する気だバカ」

鈴の顔が赤くなった。

だが謝らない。

話をふったのは鈴だ。

「そっかー…あ、いや…でも…」

「?」

今年は色々厄介な事が起こる。

今の内に離れるのは吉かもしれない。

「まぁ、励め」

「ふふっ…なによそれ…。かっこつけたつもり?」

「修行するんだから励めでいいだろ」

「そうね…。ええ、精一杯、励むわ」
















早くも、三月二十四日が訪れた。

俺たちの学校の終業式。

そして、鈴が発つ日。

「お前が居ないと、女が私一人になってしまうな」

「鈴…お前いっちまうのかよぉ…。この二人のお目付け役俺一人になっちまうのかよぉ……」

「弾、もうちょっとまじめにやんない?」

俺たちは駅まで鈴を見送りに来ていた。

「そうね、この二人をアンタに押し付けて行くのは気が引けるわ、弾」

「「おい」」

押し付けるってなんだ押し付けるって。

「鈴。元気にやるんだぞ。俺はあの店でまっているから」

「うん。わかったわパパ」

ハオさんが、涙を堪えながら言った。

「あら、私には何も無いのかしらアナタ?」

「何を言えと?」

「……………………」

あ、シャオシンが黙った。


「一夏」

「ああ。頑張れよ、鈴」

唐突だった。

覚えのある感触だった。

唇の、柔らかい感触だ。

え?

目の前には鈴がいる。

鈴が俺にキスをしている。

目が、あった。

鈴は相手のキス顔を見たい派らしい。

鈴が、スッと離れた。

「一夏。好きよ」

「へ?」

「アタシはアンタが好き。愛してる。だから強くなる。
アンタに釣り合う女になりたいから。だから、私は修行しに行くの」

「え? ぁ、うん…?」

「アンタのその驚き顔が見れて満足よ」

え? どゆこと?

「二年後、アタシは強くなって帰ってくるわ。
返事はその時でいい」

鈴が? 俺を? マジで?

「愛してるわ、一夏」

そう言って、二度目のキス。

今度は、舌を絡めようと頑張っていた。

うん…悪い気は、しない。

返事は二年後。

なら考えるのは、あとでいい。

今は、取り敢えず…。

「んむっ!?」

不意打ちのキスの仕返しは、大人のキス。

唇を、はなす。

「待ってる。お前が帰ってきたその時、どう返すかは、俺もわからない。
でも、どんな関係であれ、お前と居るのは楽しいと思う」

「私もよ」

クスリと笑う。

「じゃぁ、行くわ」

「ああ。いってらっしゃい」

「行ってきます」

鈴とシャオシンが、改札を通って、見えなくなった。

「…………………ふぅ」

「なぁ一夏。俺はお前と鈴のいちゃつきを見せつけられたんだがそこら辺どう思う?」

「ごめん今そんな余裕無い」

鈴が俺を好き……うーん……。

嬉しい。めっちゃ嬉しい。

でも俺だよ? 所謂男の娘だよ?

そこでチョン、と肩を叩かれた。

振り返るとハオさんが笑顔でサムズアップしてた。

で、いきなり振り返って、帰って行った。

「えぇー……」

トントン、とまたしても肩を叩かれる。

「一夏、二年後を待つまでもなくさっきのは返事だったと思うぞ」

「いうなよ…おまえ…」

「しかしこのタイミングか。去年の夏から鈴にハッパかけてはいたんだがなぁ…」

「何してんのお前!?」

お前俺の彼女だろ!? 俺に告る後押しとか訳わかんねぇ!?

「むしろ私は鈴となら竿しま「言わせるかボケぇ!?」

唐突に何を口走っとるんだお前!?

「そもお前は既に姉さん、千冬さん、橙、稲荷、オータムを抱いてるし円香、エレン、リムから好意を向けられている。
そもそもの始まりからして、私は所謂二号だ。
これといって、気にならんよ」

「あー…うん…。なんかごめん…」

箒の恋愛感が歪なのって俺のせいなんだろうなぁ…。

「よし、では帰るとしよう」

箒にヒョイと抱かれた。

「恥ずかしいんだけど」

「ならこうしよう」

箒の肩に乗せられた。

強制肩車だ。

それも魔法で慣性制御とかしながら。

「一夏、似合ってるぜ」

「黙れ鉄砲玉」











明日は三月二十五日。

傷物達の物語が始まる日。 
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