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魔法が使える世界の刑務所で脱獄とか、防げる訳ないじゃん。

作者:エギナ
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第一部
  第32話 新年魔法大会 【食事中なのに】

◆ 下準備 ◆ 黒華×神白

「……ねー、知ってるー?」
「如何した、黒華」
「選手達に支給されるお弁当の下準備、全部私がしたんだー」
「そうか。御苦労様」
「お陰で徹夜だよー。その前にも書類が全然終わんなかったりしてね?」
「いつも有難う。今日が終わったらゆっくり休め」
「はーい、お気遣いありがとうございまーす」


◆ 僕達の自慢話 ◆ 黒崎×四番

「僕の試合、最後の水魔法凄くなかった⁉︎」
「それを言うなら、僕の最後の魔法も凄かっただろう」
「水の渦ねぇ。アレ、制御するのが難しそうだから、僕には余り向かないかなぁ」
「看守のあの魔法は到底真似出来るモノでは無い。アレは見事だった」
「「…………‼︎‼︎‼︎‼︎」」どやぁ


◆ ミニ競技No.1 第一魔法刑務所女子達による御褒美タイム ◆

「さぁ来ました‼︎ みんな大好き、御褒美ターイムッ‼︎ 男共! カメラの準備は出来ているかぁぁあああああ‼︎‼︎」
「「「「「おぉぉぉぉぉおおおおおおおおおおおおおおおお‼︎‼︎‼︎‼︎」」」」」
「早速始めちゃうぜ‼︎ みんなー‼︎ おいでー‼︎」
「「「「「おぉぉぉぉぉおおおおお……‼︎‼︎‼︎‼︎」」」」」

「まずは六舎副主任の姐さんからだぁぁあ‼︎ 鮮やかな緑の着物を着て登場‼︎‼︎ くぅぅううう‼︎ 美しいっス‼︎」
(わっち)を褒めても何も出てこないぞ……?」
「そして続いて五舎副主任のさとっち‼︎ さとっちも紫の着物を着て登場‼︎ きゃぁぁああ‼︎ 可愛いー‼︎」
「ボクの紹介なんて必要ないです‼︎ 恥ずかしいので……」

「さぁて、次はもっとサービスしちゃうぜ‼︎ 二舎副主任の朱乃っちと三舎副主任の汐梨っちが、チアの格好で登場‼︎ いやぁぁあ、コレはイイッ‼︎‼︎」
「腹出し……です、か……お兄に怒られそう」
「いや、でも琴葉センパイに褒めて貰えたよ! 可愛いって‼︎」
「うん。だから良い。許す」

「お次は超絶珍しいからなぁあああ‼︎ 見逃すんじゃねぇぞぉおおお‼︎‼︎ 放送部副部長のミオウと看守長が、まさかの高校の制服姿だぜ‼︎ ひゃぁああ、久し振りに着たー‼︎」
「……恥ずかしい」
「イヤでも、案外アリじゃないっすかね? これからコレで仕事します⁉︎」
「普通に看守服を着て‼︎」

「そして、最後‼︎‼︎ 全員、カクゴしろよぉぉおおお‼︎ 一舎主任、主任看守部長の琴葉センパイが! な、な、なんとぉおお‼︎ 今回トクベツにぃぃいいい‼︎ 純白のウェディングドレスを着てくださいましたぁぁあああああああああ‼︎‼︎ 神々しすぎて直視できん‼︎」
「うぅ……恥ずかし……」
「見て貰えば分かる通り、ベールを掛けています‼︎ 誰がベールを上げるのか‼︎ っつっても、もう選んであるけどネ‼︎ 第三種目MVP、一舎副主任の黒崎要でぇっす‼︎‼︎ 第三種目看守枠で琴葉センパイが『ご褒美あげる‼︎』って言ってたから、ここでやってもらおうって事で急遽ベールと新郎用の白いタキシードも準備しましたー‼︎ 勿論、結婚式場のセットも魔法で作ったぜ‼︎ 因みに、コスプレなんで、多分問題ありません。あくまで結婚式ごっこです。リア充死ねって人は下の方へ一気にスクロールしちゃってくだだい」

「え、ちょっと待って聞いてないんだけど……要は知ってたの?」
「お弁当を運んでたら引っ張られて、連れて来られたんだ。さっきまでは知らなかったけど……嬉しいなぁ」
「ホントにどんな恋愛小説だよ。とにかく、やめない? 流石にごっこ遊びする年齢じゃないし、結婚とか本当に特別なことでしょ……?」
「僕は平気だよ? それに、これも“御褒美”のひとつなんでしょ?」
「え、やっ、違っ……!」
「こんな綺麗な格好してる琴葉を独り占め出来ないのはちょっと癪だけど……こんな大事な役を任せられちゃうと、嬉しさのほうが上回る」
「ちょ、要……⁉︎ そんな本気にしないで、恥ずかしいから!」
「今は本気じゃないよ? これは“ごっこ”でしょ? 本当の“結婚式”になったら本気だけど」
「じゃあ今の要は演技してるって事でいいんだよね……? だったら、まぁ……合わせればいいだけだし、ね」
「……落ち着いた?」
「うん……」

「じゃ、ベールあげるね……」
「ん……」
「キス、する?」
「唇以外なら、どこでも……」
「ありがと……」

「って訳でおもっくそリア充見せつけられたところでミニ競技No.1は終了です。No.2の出場者、集まれ」

「絶対そうなると思ってた」
「なんかエロチックな雰囲気になった時点で既に終わりは決まっていた。……ってか、琴葉。なんで目を逸らしてるの?」
「立て続けに、どんな罰ゲームだよ……うぅ……」
「もしかして、恥ずかしくて直視出来ないとか? 好き避け?」
「ち、違う‼︎」
「ふふ、顔真っ赤。……気を抜いたら襲ってしまいそうなくらい、好きだよ」
「〜〜〜〜〜〜〜‼︎‼︎ そういう発言、ここでしないで! せめて二人きりになったときにしてよね」
「じゃあ、二人きりになれることを期待して待ってるよ。お姫様」
「よくそんな恥ずかしいセリフがつらつらと……‼︎」

「本当っスよねー、琴葉パイセン。なんなんスかこのクソたらし。ぶっ潰してイイっスか」
「ちょ、美桜ちゃん、落ち着いて? 一応、要も演技って言ってたし。ね?」
「鈍感。琴葉センパイの鈍感」
「はい? いや、薄々は気付いてるけど……」
「だとしたらさっさと答えてやったらいいじゃないですかー‼︎ あたしは恋のキューピッドになるんだッ‼︎」
「どんな……でも、例えばだよ? 例えば付き合ったとしても、いつかは離れ離れになる訳でしょ? 異動だってあるし」
「そうですけど‼︎ そうですけど、それでもメールや電話越しで『会いたいね……♡』『私も……♡』みたいなやりとりをしつつ、一ヶ月に一度! 彼氏が自分の家にやって来て、イチャラブするのが恋愛のイイところじゃないんですか⁉︎ 遠距離恋愛なんて言葉もあるくらいですし‼︎」
「いや、だとしても……」
「みんなぁぁぁああああああ‼︎‼︎ 琴葉センパイは遠距離恋愛が出来ない程の寂しがり屋さんって事が今、発覚したぞぉぉおおおお‼︎ 可愛すぎるぅぅうううう‼︎‼︎」
「ちょ、美桜ちゃん‼︎」
「怒られる前に次の競技行くよ、次‼︎ 二人は舞台裏でイチャイチャしてて‼︎」
「え、あ、ちょ……‼︎ (初めて美桜ちゃんが私に命令した……)」


◆ ミニ競技No.2 第一魔法刑務所男子達による女装大会 ◆

「口直しを要求します‼︎ ということで今年は橙条センパイ、青藍センパイ、神白センパイ、要っち改めクソたらしの女装だぜ」
「オレ達の時までさっきのテンションを引っ張るンじゃねェ‼︎」
「え……誰ですか?」
「ハァッ⁉︎ 何寝ぼけてやがる。オレだよ、オレ。橙条だ。司会なのにボケてんじゃねェ、虹村」
「おぉぉぉおおおおおおおっっっっっっっ‼︎ これはまるで別人‼︎ ってか普通に女性‼︎ 赤いチャイナドレスを纏って出て来たのは、まさかの橙条センパイ‼︎ なんかエロい……」
「うるせェ‼︎ 全部黒華にやられたンだよ!」
「そうだ、私がやった‼︎」
「琴葉センパイ、一旦こっち来てくださぁい。あれぇ服のサイズおかしくないですかぁ?」
「着替えようと思ったら何故か着てた服が無くなっていたため、仕方なく要のを借りた。要は女装の準備中の為、問題はないです。っていうかそれより、橙条の説明するねー! 簡単に言うと、スリットがかなり入ってるドレスを選んだ、ウエスト締めまくった、若干胸に詰め物を入れた、軽く髪を整えて飾りもつけた、ほんとーにかるーく化粧をした、筋肉や肩幅を魔法で若干調節した、以上‼︎ 露出をこんなにしても男性っぽくないのはマジで低身長のお陰‼︎ 低身長マジ感謝‼︎ 魔法で調節したと言っても隠した程度だから安心‼︎ うん、無問題(モーマンタイ)‼︎」
「問題しかねェよ‼︎ あと、チビって言うんじゃねェ‼︎」

「これは期待出来そうだ‼︎ お次は青藍センパイだぁあ‼︎ 今度は姐さんが担当だぜ‼︎」
「女の人の着物ってこんなに重いんだなー!」
「おぉ‼︎ 今度は青を基調とした綺麗な着物‼︎ マジ女子ってる」
「美桜もそう思うか。ヤツも、少し魔法で調節してやったら、あそこまで女らしくなったわ。全く、この刑務所にはそっち系の男しか居ないのか」
「いやいや、でもこれは姐さんが上手いっスよー‼︎ 青藍センパイの高身長に合うくらいの細さまで調節して、結構ゆったりとした着物を着せると、なんかイイっス‼︎ 髪もウィッグをつけて若干伸ばしてるから、本当に女子に見える‼︎」
「美桜は褒め上手じゃの。ありがとう」
「こっちゃん、どう? 似合ってるー⁉︎」
「おー似合ってる似合ってる! 橙条もどーよ? 結構似合ってるでしょ?」
「おう‼︎ まーさんもめっちゃ似合ってる‼︎」
「うるせぇッ‼︎‼︎」

「さてさてぇ? お次は神白センパイだぁあ‼︎ 神白センパイも姐さん担当だ、ぜ……」
「……虹村、何をしている。マイクを落とすなんて、らしくないではないか」
「待ってめっちゃ綺麗‼︎ 美人‼︎ きゃぁぁあああああああ‼︎‼︎ 黒と白の二色の着物に髪飾り‼︎‼︎ それで似合っちゃうなんて素敵すぎる‼︎」
「そうじゃそうじゃ! 此奴、魔法で調節してないのこの細さ! 全く、もっと御飯をお食べ‼︎」
「あ、はい……」
「やっばぁ。めっちゃ似合っとるやなぁい。連写不可避なんですけどー」
「こっちゃん、遠い目してるけど大丈夫⁉︎」
「あー確かに黒華よりぜんっぜん好みだわ」
「橙条うぜぇ、死ね」
「オイ、コソコソと何を話している。と言うか黒華、眩しいから連写は止めろ」
「ごめん無理だわ。全部お前がそんな女子ってるのが悪い」
「“女子ってる”とは何だ……?」

「この流れで最後行くよー‼︎‼︎ 要っちでぇえ……え、え……えぇぇぇぇええええええええええ⁉︎⁉︎⁉︎⁉︎⁉︎⁉︎」
「仕返しされたんだけど……」
「本当に要っち⁉︎ まさかのゴシックドレスで登場!」
「仕返しだぁああああ‼︎‼︎ 魔法で髪の長さを若干伸ばしてふわっとなるように整えて、ドレス着せた‼︎ 胸の詰め物は入れてないから、ぺったんが好きな男性には御褒美に見えるんじゃね⁉︎」
「琴葉センパイマジぱねぇっス‼︎‼︎」
「でしょう⁉︎ でも、一番は素材がいいの! もっと食べなさいよ、要‼︎ ぽっきりいっても知らないよ?」
「怖いこと言わないでよ、琴葉ぁ……それに、大分食べてる筈だけど?」
「だったら養ってあげよっか? 一日一回女装で掃除してくれればタダでいいよ」
「女装ヤダ! でも養って‼︎」
「やだ‼︎」

「最後‼︎ 四人で一番好みなのは誰だ⁉︎ って事で投票終了‼︎ 結果を発表しまぁっす‼︎ 因みに、投票は琴葉センパイが喋ってる間に受付ていたぜ‼︎ さて、女子ってる男子第一位はぁぁぁああああああ⁉︎⁉︎」

「こんな投票あったンだな」
「一位になりたくない対決ナンバーワンな気がする」
「帰ろう」
「うん、そうしよう」
「橙条、青藍、神白、要。逃げるなよ?」

「じゃじゃーん‼︎ 要っちだぁぁぁああああ‼︎‼︎」
「えぇぇぇぇええええええええええ…………」
「よきですなぁ。ということでミニ競技No.2終了‼︎ 一位に輝いた要っちには今着ているドレスを差し上げますー」
「ええええええええええええええ…………」
 
 

 
後書き
【MI☆O☆Uの次回予告だぜッ!!】
ぐだぁ……
ぐだぁ……
ぐだぁ……
じかぁい、『第33話 新年魔法大会【食事中なのに 続】』ぅ……
ひたすらあそぶぅ……
それいがいのせんたくし、なぁし……
ってグダグダは置いておいて‼︎
現在の状況を報告します‼︎
口に詰めたものを噴き出した人多数!
後ろの人が噴いたものによって被害を受けた人多数‼︎
お弁当を落とした人多数‼︎!
急に吐き出した人多数‼︎‼︎
一番被害が報告された競技はやっぱりNo.1の競技でした‼︎
ちゃん、ちゃん。 
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