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ペンダントを巡って

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第五章

「どうにもなりません」
「連中は平気で一般市民も巻き込むからな」
「その様な行為を許しては」
「世の中がな」
 まさにというのだ。
「どうにもならんわ」
「ですから」
「テロリストは他にもよおさんおるけど」
「少なくとも巨人軍はです」
 この悪名高きテロ組織はというのだ。
「壊滅させられます」
「そして捕まえた奴は全員な」
「死刑か死ぬまで強制労働です」
 公安の者はそうなることも言った、そしてだった。
 ペンダントにある情報が警察の中で調べられそのうえで巨人軍に対する一斉捜査が行われた、そうしてだった。
 巨人軍は軍まで動員した掃討戦も仕掛けられ壊滅した、捕らえられた者達は裁判の後で死刑や強制労働等の厳罰に処せられたがこれは後の話である。
 アユとグレイカスはペンダントを渡した後でジャカルタを後にしようとした、その時にアユの手にだった。
 あるものが宿った、アユはその手に宿ったものを見つつ心の中に聞こえるその言葉をそのまま話した。
「シンドバットの剣や」
「ああ、それなんだ」
「そや、威力は凄いけどな」
 それでもというのだ。
「軽くてな」
「盗賊でも扱えるんやね」
「そや、抜群の切れ味で何でも切れる」
 そうした剣だというのだ。
「しかも使いやすい」
「それはええ剣だね」
「ほんまにな、それでな」
 アユはグレイカスにさらに話した。
「神託適えてな」
「そのこともあってだね」
「全体的に一段と強うなったわ」
 そうもなったというのだ。
「そやからな」
「新しい神具とやな」
「自分の力もな」
 その両方を使ってというのだ。
「戦ってくわ」
「そうするね」
「この世界を救う為にな、あとこれまで使ってたこれも」
 短剣、モンスターや山賊達との戦いで使っていたそれも出して言うのだった。
「これからもな」
「使ってくんだね」
「そうするわ、ほな行こうな」
 アユは明るい顔で言った、そうして今はジャカルタを出て次に向かう場所に足を進めた。この世界を救う為に。


ペンダントを巡って   完


                 2019・4・20 
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