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『転生特典はガチャ~最高で最強のチームを作る~』

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九話目

イッセー達の特訓については放置する一方で四季はナイトローグ(仮)に対する調査で動き回って居た。

現在は町の管理はソーナ・シトリーが行なっているそうなので気をつける事には変わりないが、それでも以前よりは動きやすくなっている。

(それにしても、何でナイトローグなんだ?)

そんな疑問が沸く。トランスチームガンの他にもネビュラスチームガンが存在し、二つのスチームガンにはナイトローグの他にもブラッドスタークにブロスシリーズとカイザーシリーズが存在している。
元々トランスチームガンがネビュラスチームガンを元に開発されたものと考えれば、パワーアップの余地のあるカイザーやその発展系のブロスの方を選択することも出来たはずだ。

(まあ、コウモリ男を捕まえてから聞けば良いか)













「ちわー、契約に参りましたー」

とある廃墟に契約のチラシから呼び出されたのはソーナの眷属である匙。呼び出された場所の不気味さに身震いするも、自分を読んだであろう契約者に声を掛ける。

「た、助けて!」

そんな彼の言葉に答えるように一人の青年が助けを求めながら廃墟の中から飛び出してくる。

「ちょっ、一体何があったんですか!?」

「わ、分からない、友達と一緒に肝試しに来て……」

青年が言うには友人達と一緒に肝試しに廃墟に来て、その余興に契約のチラシを使って悪魔を呼び出そうとしたらしい。だが、その最中に怪人が現れて彼らを襲ったそうだ。

「分かりました、あなたはここに居てください」

そう言って青年をその場に残してカメレオンのオモチャを思わせる自身の神器を出現させ廃墟の中に入り込む。

町に入り込んだはぐれ悪魔かと考え、自分一人では拙いかと主人であるソーナにも連絡を入れ、応援を頼んだ時、ゆっくりと廃墟の中の光景を視界に入れる。

「あれ?」

廃墟の中には誰も居なかった。襲われたと言う人達も、現れたと言う怪物も、だ。

思わず惚けてしまいそうになりながらも周囲を注意しながら廃墟の中に入るが、拍子抜けするほど何も無い。思わず先ほど自分に助けを求めた青年の方を向いてすっかり警戒を解いた様子で問いかける。

「あの、だれも居ませんけど」

「そんな事はない」

匙の問いに青年はボトルの様なものを振りながら取り出した銃にそれを装填する。

『バット!』

「その怪物なら、ここに居るのだからね」

青年は眼鏡を上げながら引き金を引く。

「蒸血」

『ミストマッチ!』
『バット・バッ・バット… ファイヤー!』

青年は、その姿を異形のダークヒーローへと変える。

「な、何なんだよ、あんたは!?」

「ぼくは、ナイトローグ。そう名乗っておきましょう。今は、ね」

青年……否、ナイトローグの言葉に疑問を抱く事なく目の前の相手の放つ威圧感に声も出なくなってしまう。

「ふっ!」

「がっ!」

一瞬で距離を詰めたナイトローグの拳が匙の下腹部に突き刺さり、焼けた鉄を飲まされた様な痛みと嘔吐感に言葉を失う。

「この程度ですか」

黄色く輝くバイザーを通して膝をつく匙を見下ろしながら、ナイトローグは呆れた様に呟く。
先ほどまでは明らかに荒事、喧嘩とさえ無縁そうな青年だったとは思えないほどの拳。

(こ、この、野郎……。見てろ……)

油断して居るであろうナイトローグの死角から自身の神器である『黒い龍脈(アブソーション・ライン)』を伸ばす。相手に巻きつけ力を奪う己の神器の力なら油断して居る相手になら通用するはずと、反撃の機会を伺う匙だが。

「がぁ!」

それよりも先に、ナイトローグは彼の神器ごと手を踏み砕く様に匙の手に足を踏み下ろし踏み躙る。

「油断して居ると思いましたか? 君の神器(セイクリッド・ギア)黒い龍脈(アブソーション・ライン)。通常のロープとしても扱え、最大の特徴は相手を拘束し力を奪うテクニックタイプの神器。現状では、ぼくに突き刺して血液でも奪えば貧血で戦闘不能にする事も出来る、格上相手にも通用する危険な武器」

神器ごと踏みにじる足に力を込めて更に言葉を続けていく。

「ある意味においては、バカ正直に正面からしか戦えない脳筋な二天龍の神器よりも強力と言えるでしょうね」

スラスラと自分の持って居る神器の事を、自分には思いつかなかった応用的な使い方も交えて話して行くナイトローグに、匙は得体の知れない不気味さを覚える。

「成長すれば赤龍帝と白龍皇の能力の一部の合わせ技の様な使い方も出来るでしょうね。今の時点ではできない事ですが」

そこまで話すと思い切り匙の腹を蹴り上げて地面に倒すと、そのまま動かない様に胸の部分を踏みつけて動きを止める。

手際の良い痛めつけ方に咳込む匙を一瞥すると、

「な、何なんだよ、お前は?」

「聞けば何でも答えてくれるとでも? ぼくは君の母親では有りませんよ。まあ、特別に答えて上げましょう」

彼の言葉にそう答えた後、『知られた所で困る事は有りませんし』と呟き、一呼吸起き、

禍の団(カオス・ブリゲート)、改変派の一人、ナイトローグ。それ以上でも以下でも有りませんよ。今は、ね」

そう言うと何処からか時計の様なものを取り出し、それを匙へと向ける。

「本当に、君と君の主人の夢は害しかない」

「て、テメェ!」

突然のナイトローグの呟きに匙が激昂するが当のナイトローグは言葉を続けていく。

「だから、そんな百害しかない夢では無く、この先君が無駄に削る事になる命を、ぼく達のために使ってもらいましょう」

そう呟いたナイトローグは手の中にある時計の様なもののスイッチを押す。



『リュウガ』



禍々しい声が時計から響くとナイトローグはそれを匙へと向かって落とす。
匙へと向かって落とされたそれは彼の中へと消えて行く。

「がぁ! ああああああああああああああああああああああああああああぁ!」

全身が何かに作り変えられる不快感に絶叫を上げる匙。

「オ、オレに何をした!?」

「喜びなさい。今日から君は紛い物の、仮面ライダーリュウガです」

匙の言葉を無視して嘲笑する様な口調でそう告げると、蹴り飛ばす様に匙の体を遠ざける。

「うわぁああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!」

絶叫と共に立ち上がった匙はその姿を黒い龍の意匠を持った怪人《アナザーライダーリュウガ》へとその姿を変えていた。

「まあ、所詮は紛い物、本物はおろか原典(オリジナル)のアナザーリュウガ以下の性能しかないでしょうが、仮面ライダーリュウガも仮面ライダー龍騎もいないこの世界なら、その程度でも十分でしょうね」

(オ、オレに何をしやがった!?)

自由に動かせない怪物へと変わった体、その中で唯一自由になる意識の中でナイトローグへと絶叫する。

「さて、アナザーリュウガ、君にはぼくの手駒として動いてもらいます。彼らでも君は止められないと思いますが」

ナイトローグが言葉を続けようとした瞬間、シルクハットの様なマークが描かれた一枚の真っ赤なカードが投げつけられる。

「っ!?」

「そこまでだ!」

次の瞬間、ナイトローグの目の前でカードが爆発し赤い煙幕がナイトローグの視界を奪う。次の瞬間、赤い怪盗衣装に身を包んだ四季がナイトローグの前に現れる。

「まさか、本当にナイトローグがいるなんてな。しかも、ナイトローグがアナザーライダーまで作るなんて、予想外すぎるだろう」

内心で、そこはスマッシュにしとけと言うツッコミを入れながら正体隠蔽用の仮面の奥からナイトローグとアナザーリュウガ を睨みつける。

「此れは此れは、中々に奇術めいたアイテムを開発した様子ですね。それにしても、お早いお着きですね、快盗さん。それとも、仮面ライダーとお呼びした方が宜しいですか?」

「好きに呼べ。そんな事より、なんでお前はナイトローグの力を使って、アナザーライダーを作れる?」

目の前にいる相手は自分の同類なのかと言う疑問が沸く。だが、

「いえ、ぼくは貴方の同類では有りませんよ」

そんな四季の考えを読んだ様に、ナイトローグは四季の問いに返答してみせる。
だとしたら、余計に疑問は深まる。何故ナイトローグの力を使えるのか? 何故アナザーライダーを作り出せるのか? と。

「さて、ビルドのシステムを考えると万が一のことが有りますからね。アナザーリュウガ !」

ナイトローグが指示を出すとアナザーリュウガは廃工場の中の鏡へと走り出す。

「っ!? 待て!」

「そうはさせませんよ」

その行動の意味を理解していた四季はビルドドライバーを装着して、アナザーリュウガを止めようとするが、それを妨害するためにナイトローグは四季の足元へとトランスチームガンを撃つ。

「っ!?」

ナイトローグの思惑通り、足元への銃撃に四季は思わず足を止めてしまう。

「まずい!」

その一瞬の隙にナイトローグの指示に従ったアナザーリュウガは鏡へと飛び込む。いや、鏡を介して己のホームグラウンドであるミラーワールドへと姿を消していった。

「安心してください、彼もアナザーリュウガである内はミラーモンスターと同様にミラーワールドで無制限での活動は可能です」

匙が変身したアナザーリュウガもミラーワールドの性質で消滅することはないと告げるナイトローグ。

「さて、ぼくも貴方と敵対する理由はないので、この辺で退かせて貰いたいのですが」

「させると思うか?」

両手にラビットとタンクのフルボトルを持ってビルドに変身しようとする四季だが、ナイトローグはそんな彼に構わず言葉を続ける。

「ああ、実は彼は先ほどぼくが彼を誘き寄せる為の嘘で、はぐれ悪魔がいると推測して主人達に応援を頼んだ様子ですよ」

そう告げながら『くっくく』と笑いながら、

「中々自分の実力や能力を冷静に判断できているとは思いませんか? 先ずは味方からの応援を要請すると言う判断は」

「それで、ソーナ・シトリーとその眷属が来るから、悪魔側に接触したくないオレにとって、お前と戦ったら損だとでも言いたいのか?」

「そう言うことです。それに長々と話していたおかげで、既に時間切れの様子です」

ナイトローグと四季が言葉を交わしている間にシトリーの魔法陣が現れる。

「どうしますか?」

「良いだろう。次に会った時は容赦しない」

「賢明な判断に感謝します、天地四季さん」

名前まで知っている時点で本当に、ナイトローグは何者なのかと疑問に思う。間違いなく原典のナイトローグとは別の何者か。それだけは先ほどの接触で分かったが、情報はそれだけだ。

四季に背を向けて無防備に立ち去っていくナイトローグを一瞥すると、蜘蛛型監視メカを一つ魔法陣の近くに投げて四季もまた廃工場を後にする。

「匙!」

ソーナの声と共に、ナイトローグと四季の二人が去った後の廃工場にソーナとその眷属達が現れるが、そこには争った形跡は有ったものの誰の姿も無かった。
匙の無事は確認されないもののはぐれ悪魔が存在した形跡もない為、しばらくの間匙は行方不明とされる事になる。

これが四季とナイトローグ達との初会合だった。 
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