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星河の覇皇

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第七十部第四章 賊達への攻撃その二十

「紳士としての振る舞いもです」
「徹底して教育しているな」
「はい、むしろ実戦を想定した訓練よりもです」
「そちらに重点を置いているな」
「教育には、そして整備やダメージコントロールの教育もです」
 重視しているというのだ。
「ですから」
「故障には強いな」
「起こりましても」
「つまり常に動ける軍隊か」
「整理整頓、清掃も出来ているので」
「練度は低くともか」
「それは保障します」
 国防長官である八条がというのだ。
「弱兵であることは私も否定しませんが」
「実践訓練はあまりしていないからな」
「はい、ですが」
「常に万全の状況で動ける」
「それが連合軍です」
 八条は言い切った。
「それを目指しています」
「謙遜か」
「どうもここで、です」
「君は強くは言えないな」
「これが私の性格でしょうか」
「謙虚か」
「そう言われている様ですが」
「それは君の持ち味だな」
 よくこう言われている、統率力、知力、政治力に秀でたうえに人気も高い政治家としてかなり得点の高い人物だが奢ることはない。それもまた魅力なのだ。
「いいことだ」
「そう言って頂けますか」
「私が言う、しかしその君が保障するからには」
「はい、連合軍はです」
「常にベストの状況で戦える軍隊だな」
「左様です」
 まさにというのだ。
「ですからご安心下さい」
「それではな」
「正規軍はそうです」
「そして義勇軍はだな」
「かつてのアメリカ海兵隊の様にです」
 常に戦闘態勢にあった彼等と同じくというのだ。
「実戦訓練もです」
「激しいな」
「我が国の言葉を出しますと」
 日本、他ならぬ八条の母国だ。連合でも主導的な国の一つであり長い歴史と栄華を誇る大国である。
「月月火水木金金です」
「帝国海軍か」
「そこまでです」
「正規軍は海軍の軍規軍律だけだな」
「そうです」
「整理整頓も清掃も」
「軍服の手入れも」
 そうしたことも全てというのだ。
「海軍を範としていますが」
「あくまでそこだけだな」
「それだけは厳しくしないと軍規軍律が緩い軍隊は」
「危険だからな」
「略奪暴行等狼藉があっては」
 それこそというのだ。
「お話になりません」
「それだな」
「流石に連合ではそうした話は稀ですが」
 これは連合という国が形成されてからだ、千年の間軍隊の地位はそれ程ではなくまた教育も行き届き待遇も悪くないのでそうしたことは少ないのだ。警察官や消防署員と同じものとして考えられているのだ。こうした面でも。
「サハラとは違い」
「サハラではままにして起こっているからな」
「狂騒状態になった将兵の暴走、悪辣な命令」
「傭兵隊の暴挙もあるな」
「そうしたことは連合では稀でしたが」
「それでもだな」
 キロモトも応える。 
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