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『転生特典はガチャ~最高で最強のチームを作る~』

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七話目

武器は兎も角、ビルドの強化アイテムであるスパークリングとフルフルラビットタンクフルボトルは必要な成分を入手する方法がないため、事実上四季には作り出せない代物で有る。
パンドラパネルが必須なジーニアスボトルなどその最たるものだ。
つまり、

「制御出来ない強力な力は危険でしか無いからな」

ハザードトリガーは現状制御する方法が無いと言うわけで使わない事を決めた。
だが、せっかく手に入れたのだからと、ハザードトリガーを倉庫の一角に置き、念の為にいつでも扱えるようになってしておく。
次に最大の問題のエボルドライバーとエボルトリガーだが……

「このまま二度と見ないことを祈ろう」

変身用のボトルは通常のフルボトルで代用できるが、そう言って問答無用で金庫の中に押し込む。
変な物、主にエボルトとかその他のブラッド族の意思が宿ってても困るので問答無用での封印処置だ。

見つかったら問題はあるが、剣と弓に関してはいつでも使えるように倉庫内に置かれているのでそれは良いとして、

自分のビルドドライバーの隣に置かれたハザードトリガーについてはお蔵入りにするには強力なカードなのでいつでも使えるようにしておいた。

当面はチームではVSチェンジャーを、個人ではビルドドライバーで戦うつもりだが、使える手札はあって困る事は無い。
……流石に使えても宇宙戦艦は使う気は無いが。宇宙戦艦持ち出すのは普通にオーバーキル過ぎる。パワードスーツ状態のアメイジングストフリの方は使えるかもしれないが。

目出度いかどうかは疑問だが原作通り悪魔に転生したので、多少前倒しに物語が進んでいく程度で世界の流れは安全に進んでいくことだろう。
……超常的な力を扱うテロ組織なんて物が存在している事が安全かは別として。

(エクスカリバーの一件まではイッセー達オカ研に丸投げで良いか)

レイナーレの一件はアーシア・アルジェントという少女の今後に関わる為あまり干渉する気は無く、フェニックス家との婚約については完全に無関係なのだから、巻き込まれる事は無いだろう。
精々することと言えば、後者の時に使い捨てのスクラッシュドライバーを貸す程度。飽くまで予定ではあるが、当面はその程度の動きだけの予定だ。
万が一の場合、街全体が危険に晒されるエクスカリバーの一件には関わらないと言う選択肢はない。

「まあ、オレ達と言う異物がある以上は本来の流れ通りには行かない、か」

四季達がルパンレンジャーとしてレイナーレの行動の邪魔をしたことでイッセーが殺されず、その場で事情を聞いて本人の合意の上で悪魔に転生した事は良い例だ。
初恋の相手が碌でもない悪女で、その初めての彼女に殺されると言う最悪の初恋をしなかった事で物語が原作と言う流れよりも良い流れに乗れれば、この世界に紛れ込んだ異物である自分の価値も有るのではと思いたい。

「ん? よく考えたら、あの変態が女関係にトラウマ抱かないことで……。早まったか、オレ?」

一瞬変な方向に思考が向かってしまう。女関係にトラウマと言うほどではないにせよ、最悪の初恋がある程度今後イッセーの犯す性犯罪の抑止になっていたのではと思ってしまう。

「ひ、否定できないのが辛い」

実はイッセーの成長、と言うほどではないにしろ大事なフラグを善意でへし折ってしまったような不安が集ってしまうのだった。

「ま、まあ、それはそれとして……」

詩乃と雫の二人と別行動して倉庫に一人で居るのには訳もある。
思考の中に浮かんだ不安を振り払うように、その訳とも言うべきそれへと視線を向ける。

いつの間にか倉庫の片隅に出来た小部屋に存在していた小型の装置だが、起動していないそれの機能はシンフォギアXDに出て来る完全聖遺物ギャラルフォルンと近い性質、機能を持って居るのが分かった。

(異世界への移動装置は良いとして、行ける世界が)


・ソードアートオンライン
・魔法科高校の劣等生


自分と関わった二人の存在しているであろう世界の名前だけがリストに浮かんでいる。
そして、それを送った張本人であろうものからのメッセージ。

(それぞれの世界でBADENDを迎えた選定事象で命を落とした彼女達本人の転生したのが今の二人、か)

詩乃の方はすぐに見当がつくが、雫の方は中々想像が出来ない。
ガチャから出て来るのは本来の世界での選定事象となる終わりを迎えた世界で死んだ者達の転生した者。だが同時にそこには元の世界に幾つかの未練を残している。
この装置は未練を残した世界に於いて残された未練を解決するための品物らしい。

(彼女たちの生きた世界を救う為の、ヒーローの出張サービスって所か?)

BADENDを迎えた世界を少しは良い方向に持って行くためのヒーローの出張サービス。ヒーロー……仮面ライダーとスーパー戦隊に変身できるのだからそれでも間違いはないだろうが。
持って行けるかは別として、向こうでの拠点と考えるとナデシコCの存在はありがたいのかもしれない。

「まあ、直ぐに何か起こるって訳でも無さそうだし、暫くは保留か」

関係者がいないと起動できないかもしれないが、それはそれ。正式にそれが起動しない以上は考えても仕方ないだろう。

ハザードレベル上昇のスキルについては完全に放置だ。自分のハザードレベルがいくつかは分からないが、ビルドドライバーは問題なく使えるのだから、今の所は問題無いだろう。……ハザードトリガーを使う時には不安だが、フルフルラビットタンクフルボトルが無いのなら大して変わらないだろう。

当面の目的であるレイナーレ一味への対処として影で動くとしても、イッセーの成長フラグを潰すのは今後のことを考えるとどうかと思い、暫くは裏方として動こうと考える。

そう考えをまとめ、この時点で町一つなら制圧できそうな代物が有る武器庫を閉めて部屋の中から立ち去っていく。




四季がエボルドライバーの扱いに頭を悩ませていた頃、イッセーが契約で向かった先の家ではぐれエクソシストと遭遇したと言う事件が起こっていた事を追記しておく。





「えーと、これは?」

イッセーがはぐれエクソシストと遭遇していた夜、四季は詩乃がテーブルの上に置いた3枚のチケットに視線を落としていた。

「ええ、買い物に行ったら貰ったんだけど」

詩乃曰く、買い物に行ったら福引をやっていて、その景品として貰ったそうだ。

ちょうど三人分の食事券、かなり高級なレストランの物だ。だが、問題はその店が有る地名で有る。


『米花町』


とあった。一年の間に何度も殺人事件が起こるとネタにされている名探偵コナンの舞台で有る。
考えてみれば自分たちがいる世界はハイスクールD×Dの世界とは思っていたし、実際にその通りに起こっているが、他の世界の要素が混ざっていないとは限らない。

「まあ良いか」

人間相手なら問題無いだろうと考えてスルーする。やろうと思えば銃弾を素手で掴むことも出来るのだし。
ビルの爆破は春の風物詩、犯罪が横行し人が死に、ほぼ数日で殺人事件の犯人を逮捕できる警察の最精鋭部隊がいる日本の犯罪都市(ギャグ的なイメージで)、米花町。

怪物がいないだけで仮面ライダーの舞台並みの危険地帯である。

そこにある高級レストランの食事券、どう見ても殺人事件の招待状にしか見えない。まあ食事券に期限は書いてないので、すぐに行かなければ安全だろう。

「今回の事件が終わったら三人で行こうか」

「ええ」

「うん」

まあ、それはそれで嫌な予感もするが、事件に巻き込まれたらルパンレンジャーなり仮面ライダービルドなりに変身して問答無用で犯人を捕まえれば良い。
そんな事を考えていた。そう、全力の力技である。



まあ、この判断が後に一騒動の原因となるのだが、この時の三人には知る由もなかった。 
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