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魔法が使える世界の刑務所で脱獄とか、防げる訳ないじゃん。

作者:エギナ
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第一部
  第27話 新年魔法大会 【ショットダウン 其の三】

「実況はクソ作者による強制退場に因って現在不在の虹村美桜氏に変わり、一舎主任看守、主任看守部長の黒華琴葉がお送りしていくよ! さて、試合が始まりましたー‼︎ 早速コトハチャンへ選手全員が一斉に攻撃しています‼︎」

———という事で、僕のターン‼︎
琴葉とレンの視点が続いたけど、しっかり僕、黒崎要のターンだってあるからね。安心していいよ、画面の前のあn【強制終了】

で、競技が始まってから、フィールドの端でチクチク攻撃を当てようとしてるんだけどね? 当たらない当たらない! この競技に終わりはあるの⁉︎
まず琴葉をターゲットにするなんて、酷いでしょ! こんなにも琴葉のことを愛しているのだから……‼︎ 僕が琴葉人形を攻撃出来る訳無いよ‼︎‼︎

「ハーイそこで一人悶えている変態ー。さっさとしないと負けるよー? この競技終わったら絶交だよー」
「ねぇそれは酷くない⁉︎ ってか、変態って言わないで⁉︎」
「変態で通じるんだから、自覚してるって事じゃん」

あ、そっかぁ。

とそこで目の前で爆発が起こった。フィールドの端にいた為、巻き込まれる事は無かったが、フィールド中心にいた選手達は巻き込まれた様だ。……こうやって他の人達が密集してると、誰かが自爆とかしたら大変だからね! だから僕は端にいるんだ! 攻撃も来ないし‼︎ 絶対にここ安地だよ! チキンじゃないから‼︎ チキンプレイじゃないからね⁉︎ 戦略だから‼︎

「フィールド中心で大きめの爆発が起こったぁ‼︎ これは二舎代表の橙条ちゃんの爆発魔法が、コトハチャンに跳ね返されちゃったみたいだね」
「……黒華主任。冷静に分析しないでください」
「おお、クソ兄貴とは似ても似つかない程のいい子! おにーちゃーん! 妹ちゃんを見習えー! 強制退場させられた御前とは、大違いだからねー‼︎」

相変わらず、良い性格してるなぁ。

爆発の中から橙条主任と同じ髪の色、瞳の色をした女性がパッと出て、琴葉へ向かって言う。あれが橙条主任の妹の、朱乃ちゃんだね。うん、めっちゃ可愛い。

「オイ変態。橙条ちゃんを見るな、橙条ちゃんが汚れる」
「琴葉⁉︎ それは流石に言いすぎじゃない⁉︎」
「御前には丁度いいさ。いいや、これでも足りないくらいだよ」
「黒華主任。私は大丈夫ですので、実況を」
「橙条ちゃんマジ良い子すぎ感動なんだけど」
「琴葉、キャラぶれ過ぎてマジ笑うわぁ」
「黙れ変態死なすぞ」

キャラめっちゃ荒ぶってるじゃん。
って言うか、さっさと手を動かさなければ。マジで絶交は勘弁。……あれ、僕もキャラブレてる? まぁこれ以上言うと強制退場喰らいそうなんで、やめまーす。

と思ったところで、急に目の前が白い霧に覆われていく。辺りが急激に冷え、そもそも冬で寒いのに更に寒くなって、一瞬の内に睫毛が凍った。

「おっとぉ⁉︎ 急にフィールドが見辛くなったぁ‼︎ って訳で、観客席の皆さんに特別! 取り敢えず視界はクリアにしまーす」

どこからか、琴葉の声が聞こえてくる。恐らく、観客席とフィールドの境にレンズの様になるように魔法を張り巡らせて、中の霧を取り除いた状態を見せる事ができるようにしたのだろう。言葉から察するに、だが。
やっぱり、琴葉は化物級に強いなぁと思いつつ、僕は思考を巡らせる。

この“魔法”を発動したのは誰か。
この魔法は無効化させた方がいいのか、否か。
無効化させるとしたらどうすればいいか。
コトハチャンの位置、一撃必殺技は何か。

そして、次の行動に入るまでの時間、約ゼロ コンマ 六秒。

「……おっとー、本当にチョットだけ汐梨ちゃんの方が早かったぁ‼︎」

魔法は無視。コトハチャンの背後になる位置に転移。地面を蹴って、コトハチャンが居る高さまで跳躍。羽織りものを掴んで、地面へ叩き付ける。そして、動く事が出来ない一瞬の隙を突いてコトハチャンの動きを封じ、喉笛を搔き切る。

そこまでのパターンを考えて、即座に行動したが、羽織りものを掴むのがほんの一瞬の差で、三舎代表の青海汐梨ちゃんに負けてしまう。当然、空中でバランスを崩し、失速。どうにか着地の前に魔法を展開し、頭から地面に落下という事態は防いだが、次の動作に繋げる事は無理そうだ。

その硬直時間の間に、地面にパッと水が広がり、噴水の様に一気に遥か上空まで水の柱が立った。
呼吸が出来ないとか、体が上空まで上がって詰みなんですけど、と言う事はない。
これは魔法で作られた水であり、目的は霧を払う事のみ。普通に呼吸をしても問題ないし、足が地面から離れる事もない。まぁ、これで目的が他の選手を溺死させる事だったとしたら、当然呼吸は出来ない様になるし、場外にさせる事だったら、どこか遠くまで吹っ飛ばされて、今頃海の中だ。

魔法はイメージに因って効果が変わってくるから、同じ魔法を使うとしても、百人魔法師がいたら、百通りの魔法があると言っても過言では無いと言われている。そのくらい、イメージの力は強い。

「汐梨ちゃん、やっぱり強いねー! 観客席は膜を張って水が入って来ない様にしているため、人間水族館的な感じになっております! 因みに私は水の中で実況中でっす‼︎」
「琴葉先輩、ホントぶっ飛び性能……」
「汐梨ちゃんも、水に関してはぶっ飛んでると思うけどなぁ」
「あ、要さん。ありがとうだけど、レベル1のコトハチャンにすら全然敵わないよー」

地面に叩き付けても隙を見せる事なく、即座に霧の中へ隠れたコトハチャン。どうやら、それで汐梨ちゃんはコトハチャンの姿を見失ってしまい、咄嗟に水で霧を払ってしまったという訳か。
僕的には、霧を逆に利用する為に、敢えて取っておいたのだがね。多分、汐梨ちゃんもそういう考えだったのだろうとは思うが、反射的に魔法を発動してしまったのだろう。ってか、反射的に発動した魔法なのにこの水の量って、すげー。

と、ここでまたもや大爆発。お陰で、水は全て蒸発。勿論、選手に被害は無い。一応、この第一魔法刑務所で副主任をやる程の実力はあるからね。爆発の少し前に自分の周りに膜を張って、爆発を全て防御する。

「大爆発! これは爽快だね‼︎ 流石橙条ちゃん!」
「汐梨……貴女とはここで決着を付けなければいけない様ですね」
「朱乃……うん、そうだね」

「「黒華主任/琴葉先輩に認められるのは、私だァァァアアアアアアア‼︎‼︎‼︎‼︎‼︎‼︎」」

———説明しよう! これは新年魔法大会第三種目ショットダウン恒例、二舎副主任橙条朱乃と、三舎副主任青海汐梨が、一舎主任看守黒華琴葉を信仰するが故に起こる、「私が認めてもらうんだ」の争いである‼︎‼︎ 因みに、琴葉は二人の事を認めているため、意味は無い‼︎‼︎‼︎‼︎

「今年も橙条ちゃんと汐梨ちゃんの間に火花が散る‼︎」

「なんで汐梨は名前で呼ばれてるのに……! 私は苗字にちゃん付けですよ⁉︎ 私の方が強いのに! 羨ましい‼︎」
「私の方が強いから、琴葉センパイも名前で呼んでくれるんだし‼︎ 大体、朱乃はずーっと『黒華主任、黒華主任』って‼︎ 礼儀正しいのはいいけど、だから名前で呼んでもらえないんだよ!」
「なっ‼︎ でも、私は黒華主任と◯ineをする仲ですし⁉︎ 汐梨とはレベルが違うんですよ、レベルが‼︎」
「なっ⁉︎ う、羨ましい! でも、私だって週に一回、琴葉先輩に稽古をつけてもらっているからね!」

「喧嘩しながらもコトハチャンを攻撃し続けていくぅ! コトハチャンがなんか可哀想になってくるぅ‼︎」

琴葉が滅茶苦茶な程ハイになっていくぅ。

楽しー。
けど、終わらねー。
 
 

 
後書き
【MI☆O☆Uの次回予告だぜッ!!】
「段々と投稿が早くなっていくぅ!(といいなぁぁぁぁぁぁあああああああああああああああああああ‼︎‼︎‼︎‼︎‼︎‼︎‼︎‼︎)」
だけど試合はグダグダになっていくぅ‼︎
「朱乃と汐梨の争いは更にヒートアップするぅ‼︎!」
新しい展開も待っているぅ‼︎‼︎
「キャラが崩壊していくぅ‼︎‼︎!」
メタ発言多くなっていくぅ‼︎‼︎‼︎
「次回! 『第28話 新年魔法大会【ショットダウン 其の四】』」
流石にテンション戻して通常運転です。
「駄作者、さっさとオレ達を本編に戻しやがれマジで」
試合グッダグダ イコール 話めっちゃのびーる。
「まだ囚人分も残ってンだぜ……?」
今年中に終わるかもわかんない第一部である‼︎
「まぁ、次回をお楽しみにー!」
本編で出番を‼︎ 
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