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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第二百二十三話 この人に決まったその十

「彼氏にしたくない人ナンバーワンになれるわね」
「下手なタレントさんよりもね」
「あからさまにドスケベそうだし」
「絶対に交際したくないわね」
「本当にね」
「よく太ってる人は嫌とか」 
 僕はこう言われて告白したのをふられてそれから拒食症になった人を知っている、もう食べなくなって大変だった。
 けれどこの場合は違うと僕もわかった。
「そういうのじゃないよね」
「ええ、ちょっとね」
「そこは違うから」
「日本で太ってる人は太ってるだけ」
「あそこは皆餓えてるのよ」
 言うまでもなく皆痩せ細っている。
「そこで自分だけ太ってるのよ」
「しかもあんなに」
「それだけで嫌よ」
「何やってるのよ」
「しかもハーレムとかね」
「昔の暴君まんまじゃない」
「今時そんな人いるなんて」
 考えてみれば殆ど創作の世界にいる様な独裁者だ、嘘みたいな設定であんなのを漫画で出したら下手しなくてもギャグになりかねない。
「それ自体が嘘みたいだし」
「彼氏とかには絶対に嫌よ」
「もう願い下げって感じよ」
「お顔以上によね」
「もうその行いからわかる性格がね」
「性格がいいと」
 僕もこの理屈はわかった、それもよく。
「やっぱりもてるよね」
「それでお顔立ちもよくなるからね」
「人相がよくなるから」
「幾ら元がよくても人相悪いと駄目じゃない」
「悪い相だとね」
「それあるよね」
 考えてみれば覚醒剤で捕まった元プロ野球選手や下品で知性も強要も人格も感じられないボクサー一家は人相が悪い、まるでヤクザ屋さんやゴロツキみたいな相だ。
「人相ってね」
「四十になったら自分の顔に自信を持て」
 女の子の一人が言ってきた。
「そう言うけれど」
「リンカーンの言葉だったかな」
「この言葉若くてもでしょ」
「人相って性格や行いの鏡だからね」
「そのまま出るからよ」
「人相も大事だね」
「そこで目が腐っていたり濁っていたら」
 このことは孟子におおよそ書かれている。
「もうね」
「駄目なんだ」
「幾ら美形でもね」
 こう僕に話してくれた。
「性格がおおよそわかるから」
「人相も大事なんだね」
「今でもどそう思うわ、後ね」
 僕にさらに話してくれた。
「もう一つあるのよ」
「っていうと」
「あの将軍様が例え美形でも」
 そうであってもというのだ。
「やっぱり嫌よ」
「人相に出ていなくてもだね」
「ああしたことする人はね」
「女の子としても」
「そう、美形でもああした性格だとね」
 創作に出て来るみたいな独裁者ならというのだ。
「本当にね」
「付き合えないわね」
「とてもね、人間本当にね」
「中身だね」
「中身が悪いと」
 そうならというのだ。 
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