| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

狡猾な魔王

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

本編
  個性把握テスト4

 
前書き
φ(-ω- ) 

 
相澤消太(あいざわしょうた)》が順位を一括表示する。


「成績は各種目の評価点を合計した数で決まってるからよく見とけ。一応言っておくが、ヒーロー科を辞めてもらうかどうかはこれ以外のものによっても決まるからな」


────────────────

1位 神田裂博(かんださきひろ)

────────────────

2位 緑谷出久(みどりやいずく)

────────────────

3位 八百万 百(やおよろずもも)

────────────────

4位 轟 焦凍(とどろきしょうと)

────────────────

5位 爆豪勝己(ばくごうかつき)

────────────────

6位 飯田天哉(いいだてんや)

────────────────

7位 常闇踏陰(とこやみふみかげ)

────────────────

8位 障子目蔵(しょうじめぞう)

────────────────

9位 尾白猿夫(おじろましらお)

────────────────

10位 切島鋭児郎(きりしまえいじろう)

────────────────

11位 芦戸三奈(あしどみな)

────────────────

12位 麗日(うららか)茶子(ちゃこ)

────────────────

13位 口田甲司(こうだこうじ)

────────────────

14位 砂藤力道(さとうりきどう)

────────────────

15位 蛙吹梅雨(あすいつゆ)

────────────────

16位 青山優雅(あおやまゆうが)

────────────────

17位 瀬呂範太(せろはんた)

────────────────

18位 上鳴電気(かみなりでんき)

────────────────

19位 耳郎響香(じろうきょうか)

────────────────

20位 峰田 実(みねたみのる)

────────────────


個性把握テストの結果で最下位になってしまった峰田実は絶望の表情を浮かべた。


「それじゃあ今から1ーAを抜けてもらう奴を発表する。心の準備は良いか?」


この期に及んで八百万百は相澤の言葉を聞いたにも関わらず、まだ余裕だった。

最後には『嘘』であるとバラす。

そう思っていたからだ。

しかしそれは間違い。

彼女は自分の認識が甘かったことを、【雄英高校】のヒーロー科がどれだけ厳しいのかを他者の犠牲を以て思い知ることになる。

相澤は昨年度、自分が担当したクラスの1年生全員を除籍処分にしているのだから。

『見込みゼロ』と判断すれば、どれ程のエリートであろうと迷わず切り捨てる合理性と効率の化身として卒業生からも恐れられている。


(こちとらいちいち無駄な労力をかけて悠長に育てていられんからな。恨まんでくれよ)


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


「じゃあぱっぱと行こう。《上鳴電気》と《峰田実》は雄英(ウチ)から除籍する。良かったなお前ら、明日から学校に来なくて構わないぞ」


上鳴はショックで膝から崩れ落ちると涙を溢し、峰田は魂が抜け出してしまったかのように白目を()いて大口を開きながら泡を吹いている。


「え!? ほ、本当に処分するんですか!?」


八百万百(やおよろずもも)》には信じられない。

冗談だと言ってほしかった。

自分の常識からかけ離れている。


「八百万。お前は育ちが良いから人の『善意』ってもんを信じてるのかもしれないが、世の中ってのはそんなに甘くない。事実は小説より奇なりってな。テストの前にも言ったが世界は理不尽に(まみ)れてるのさ」


相澤消太(あいざわしょうた)》は1ーAに対して上鳴と峰田を処分しようと決めた理由を説明し始めた。


「先ずは上鳴からだ。身体能力は普通の人型にしてみりゃあ[並み]だが雄英ヒーロー科に入ろうって言うんなら少し低い。個性の【帯電】は使うのに難が有るが、まあ改善の余地が無いわけじゃあない」


ここまでは全員が納得できる。

しかし相澤にとっては見過ごすわけにはいかない点が今挙げられたことの他に2つ有った。


「俺は今まで担当した以外も含め488人の生徒に雄英から去ってもらってきた。そいつらの中にはヒーローになる『だけ(・・)』なら特に問題ない連中も多く含まれる。なのにわざわざ雄英を辞めさせた理由が解るか?」


1ーAは誰も答えない。


「能力は有ったんだ。けど人間性や授業態度が俺の許容できる水準じゃあ無かった。一部のヒーロー以外はそこまで頭が良い必要も無いから並みの知性が有れば良い。一般常識に欠ける奴は殆ど居なかったからな」


たまに見掛ける問題児の連中に関しては即刻放校処分を喰らわせてやったものだが。


「上鳴。お前は中学のペーパーテストや座学の成績が最下位に近かったらしいな。今年ウチを受験した中では最低得点だ。が、それだけなら転科で普通科に移るくらいで許してやる。問題は個性把握テストの最中に見せ続けていた気の抜けた態度なんだよ」


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


《相澤消太》いわく、別に気を抜くことが悪いと言っているわけではない。

四六時中気を張っていられる人間など居るわけがないのだから当然であろう。

時と場所を選べということだ。

休憩での談笑と授業での態度をまとめて一緒くたにするようなことをするんじゃない、と。


「多少学力が低いだけなら普通科に転科させて一定レベルまで上がればヒーロー科に戻れることも有る。だがそいつの人間としての在り方が(にじ)み出る『性根(しょうね)』っていうのはそう簡単に直したり矯正できるもんじゃない」


根本的に変わらなければ(だま)し騙しでやっていても何時かは必ずボロが出てきてしまう。

そのボロが雄英を卒業してヒーローになった後に出てしまっては自身が一番困るのだ。

いや、困るだけならまだ良い。

自分だけなら兎も角ヒーローとして守るべきものや救助したりする対象が巻き込まれては目も当てられない事態が起こる可能性だって有り得る。


「まあそんなわけで上鳴、教室に戻ったら荷物を纏めて帰宅しろ。学校に連絡して正式に決まったら俺が自宅の方へ通達しておくから」


今度は峰田の番だ。


「あー峰田。正直お前に言うのはあれだがヒーローには向いてないと思うぞ。今年の受験生ではかなり頭が良い方だし、基本ヴィランの殺しを禁じられたヒーローに便利な捕縛に使える個性【もぎもぎ】もかなり評価できる。だがな、それらを帳消しにする懸念事項がお前には存在している。何だか解るか?」


峰田は首を(ひね)って考える。


「思い付かないだろう? お前にはそれが当たり前だと思っているから。お前の中学時代、それ以前から変わらないものが有るんじゃないのか?」


相澤の言葉に峰田が思い当たった。


『モテたい』


峰田がヒーローを目指す一番の理由。


「モテたいって思うのは男の(さが)みたいなもんだからしょうがないだろうさ。でもお前の今までの行動を振り返ってみろ。あとヒーローはモテるなんて思ったら大間違いだぞ。人気者になったらなったで下手に誰かと付き合うことすら出来んからな」


峰田はヒーローという職業に命を失う危険と命を助けなければならない責任、命を奪う覚悟が必要だと知ってはいてもそれがどういうことに繋がるのか理解できていなかった。


「そもそも峰田はよく無事に受験できたな。散々セクハラ(まが)いのことをして苦情が殺到していたそうじゃないか。中学までの女子は我慢してくれていたのかもしれないが、俺は容赦したりしないからな。被害者の分も兼ねてお前は[抹籍]の処分を下す」


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


グウの音も出なくなった《峰田実》はその場に放置され動かなくなってしまう。

《相澤消太》は生徒達に(きびす)を返して歩き出したが突然足を止めて振り返る。


「ああそうだ。言い忘れてた」


八百万百(やおよろずもも)》に視線が差す。


「八百万、一つアドバイスしてやる。そのお人好しな考えは今日中に改めておけ。他人のことなんか構ってる暇は無いからな。信頼も信用も大事だが、半信半疑で居ることだ。雄英(ここ)と俺のやり方はお前が生きてきた『箱庭の温室』と違って蝶よ花よと()でてはくれん」


百は冷や汗に濡れ、寒気に震えた。


「これが雄英高校ヒーロー科。見込みが無い者は何時でも切り捨て必要であれば学校からも排除する。でも、先生の仰ることにも一理有りますわね。半端な実力と心持ちで叶わぬ夢を追わせる事ほど残酷なものも無いでしょうから」

「二人には悪いが上鳴の個性は当たりの勝ち組だし一部の業界には引っ張り(だこ)だろ。峰田は前線に立たないサポート役なら個性を活かせるだろうし低い身体能力でも大丈夫だろうから、他の学校に有るヒーロー科ならやってけるかもしれない」

「御二人とも一から鍛え直さないといけないわけですが、あと1年という余裕が出来たということなので、本気でヒーローを目指すと言うのならば、彼等にとっては丁度良い機会なのかもしれませんわね」


どうしようもない奴であろうと相澤は切った生徒に関しては何だかんだ考えている。 
 

 
後書き
三国亜央(みくにあお)》の記録

50メートル走[3秒]

──────────────

握力[210㎏]

──────────────

立ち幅跳び[47メートル]

──────────────

反復横跳び[150回]

───────────────

ハンドボール投げ[210m]

───────────────

長座体前屈[71㎝]

───────────────

上体起こし(30秒)[76回]

───────────────

持久走(1500m)[2分40秒] 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

感想を書く

この話の感想を書きましょう!




 
 
全て感想を見る:感想一覧