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魔法科高校の劣等生の魔法でISキャラ+etcをおちょくる話

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第百八十話

「なぉー」

クラリスの部屋から抜け出して、姉さんの部屋へ。

人に戻って朝食を作った後に、また完全獣化してベッドルームへ。

にくきゅうでほっぺたをぷにぷにしてみる。

「んぅ…」

姉さんがラウラをだきしめる。

キマシタワー?

ついでにラウラのほっぺたもつつく。

ふにふにしてる。

「にゃーお」

尻尾で叩いたりペチペチしてるとようやく起きた。

「…もう朝か」

「みゃー」

「あふ?」

ベッドの中から白い毛玉がでてきた。

めいぷるだ。

『メイプル』じゃなくて『めいぷる』なんだそうだ。

姉さんのセンスはよくわからない。

「なー」

「あふっ」

めいぷるの体が大型犬サイズに膨張した。

ちょっと伏せるように言って、その横に寄り添うように丸くなる。

もこもこだ。

「くぅーん?」

「に"ゃー…」

「くゅー」

よし、今日は姉さんが仕事中ずっとこうしていよう。









シュヴァルツェア・ハーゼの面々が基地の周りで走り込みしているのを後ろから追う。

「あふっ(旦那様きつくないの?)」

「みゃー?(なんでー?)」

「あぅぅ?(旦那様って人間だよね?)」

「みゃう(そだよー)」

「わう?(なんでねこのままはしってるのー?)」

「みゃぉー(慣れたら楽だからー)」

隣を走る大型犬…めいぷると話しながらだ。

めいぷるってメスらしい。

あと俺の事は旦那様って呼んでる。

姉さん(ご主人様)の番だから旦那様なんだそうだ。

「にゃぁー?(お前って人型になりたい?)」

「わふぅ?(できるのー?)」

「にゃーう(もちろん)」

「あふっ!(じゃぁやるー!)」

「みゃ」

めいぷると一緒に走っていると、時折シュヴァルツェア・ハーゼの面々のひそひそ話が聞こえる。

曰くラウラが可愛いとか抱き締めたいとか一緒にシャワー行きたいとかベッドインしたいとか…。

取り敢えずラウラが嫌われてはいなさそうだ。

ただ…その…なんだ……。

うん…頑張れよラウラ。



流石軍人と言うべきか、走り終えたシュヴァルツェア・ハーゼの面々はあまり疲れている様子はなく、ストレッチの後は格闘訓練が始まった。

ああ、あと姉さんが男を連れ込んでいるという噂がたってたらしいので、俺の挨拶があった。

基地司令のゲオルグ准将には俺が来た日に姉さんが話してたらしく、割りとあっさり済んだ。

「おい。イチカ」

「んゅー?」

人型になり大型犬サイズのめいぷるのお腹をモフッているとラウラに声をかけられた。

「私と戦え」

えーと…………。

姉さんの方を見るとにこやかに手を振っている。

つまり黙認だ。

クラリスの方を見る。

あ、こっちも手ぇ振ってるわ。

「いいよ。で何で戦う? 格闘? それともEOC?」

「ほう? 大口を叩くではないか貴様。こい」

ラウラが指で挑発する。

ふむ、これはアレか。

早々と折った方がいいやつか。

『ますたーの好きにすればー?』

じゃぁ、そうさせてもらおうか。

「ラウラ。眼帯、外せよ」

一度、目元を手でおおう。

パレード、解除。

手を離し、眼を顕す。

「貴様! それは…!?」

「おっと勘違いするな。これはヴォーダン・オージェではない。
ヴォーダン・オージェはただの金色だろう?」

さっき挑発されたし、仕返してみようか。

「ほら、よく見ろよ」

ドンッ! と土煙が上がる。

縮地法……気功強化した脚力での擬似瞬間移動(体育祭で箒がやってたやつ)で一瞬でラウラとの距離を詰める。

もう少しでキスできるんじゃねーかってくらい接近して瞳の電子基盤模様を見せつける。

ラウラは驚いてバックステップで後退した。

「な? ヴォーダン・オージェみたいな不完全な物とは違うんだよ」

ラウラも眼帯を外した。

その黄金の瞳は仄かに淡く光を放っている。

「っ!?」

ラウラが僅かに驚いた様子を見せた。

きっと視界に驚いているのだろう。

俺の血は馴染んだようだ。

敵に塩を、ならぬ敵に血をって所か。

「そら、来いよウサギちゃん」

ラウラが俺の手を掴もうとしてきたのを払う。

そして勢いがついたラウラを投げる。

「本気でこねぇと化け猫に食われるぞウサギちゃん」

その後の組み手は、拮抗していた……ように見えていただろう。

ラウラの攻めを危なげに避け続ける俺という構図だ。

だが、姉さんやクラリス、そして誰よりもラウラ自身はそうではないとわかっただろう。

『危なげに』つまり、『紙一重で』ということだ。

やー、ぶっちゃけラウラを殴りたくないんだよね。

冗談抜きで、ラウラは俺達の妹も同然なんだからさ。

ただし投げ技は多用する。

それも下じゃなくて横か斜め上に投げる。

ちゃんと空中での姿勢制御とか受け身とかできるみたいだしな。

ラウラの渾身の右ストレートをパフォーマンス的に左の小指で受け止める。

「そこまで」

最終的には姉さんが止めた。

『ますたー、途中調子乗ったでしょ』

さーせん。

やー、ラウラの悔しそうな顔可愛いわぁ。

あの今にも泣きそうなかおがね。

可愛いよね。

『ますたーってSなの? Mなの?』

箒を見ろ。基本SとMは表裏一体だ。

『それはわかったけどそこで箒を引き合いに出すのはどうなの?』

最適だろ?

「ラウラ」

姉さんがラウラに声をかけた。

「今日一日一夏を貸してやろう。射撃場なり何なり好きに遊んで貰え」

姉さんの一言でラウラからブチって音が聞こえた気がした。

『姉さん、何してくれてんの? 軍隊でしょ? それでいいの?』

『構わん』

構わんじゃねぇよ。

『ゲオルグが引率する』

『基地司令じゃねぇか!? 何させてんだ!?』

『いやゲオルグが「孫がいたら…」等と言っていたのでな。漬け込ませてもらった』

最悪だな!?

姉さんが指差した方を見ると、基地司令のゲオルグ准将がいた。

優しそうなオジサンだ。

近所で犬の散歩をしているような感じの人だ。

「来い」

ラウラが怒った風に言って、先に行った。

「頑張れよ一夏」

「諸悪の根元めぇ…今晩絶対啼かす」

面白そうにしている姉さんには中指を立ててからラウラの後に続く。

「やぁやぁマスター・イチカ。君の自慢話はチフユからよく聞いているよ」

合流するなりゲオルグ准将はそんな事を言った。

「君がチフユをNINJAにしたんだろう?」

まて、何の話だ。

「聞いているよ。なんでも君はチフユが十人束になっても勝てないそうじゃないか」

「What? 姉さんは貴方に俺の事をいったいどんな状況でどんな風に話したんですか閣下」

「カルタフィルスの一件の時にな」

「OK、だいたいわかりました閣下」

姉さんめぇ…説明面倒とか思って忍者とか言いやがったなぁ…?

「確かに私は姉さんよりも術を使えます」

「何か見せてはくれないか?」

「姉さんは何を見せましたか?」

「シュガーポッドから角砂糖を私のコーヒーに入れていたよ」

「わかりました」

ポケットの中に小さい折り紙を12枚量子展開する。

「Go」

その折り紙を飛ばし、空中で手裏剣にする。

それをクルクルと回しながら自分の周りに飛ばしておく。

「こんな物でよろしいですか?」

「ああ、じゅうぶんだとも」

射撃場についた。

銃はどこだろうか。

無いならタウラス・レイジングブルかデザート・イーグルでも量子展開するのだが…。

と思っていると整備兵っぽい人がケース山積みの荷台を押してきた。

「閣下、あの方は?」

「元は銃器メーカーの開発主任だったのを上層部が引き抜いたのだよ。
なかなかクセのある男だが銃器関係の整備や管理は一流だ。
現在はIS関連の火器を開発している」

その男はニヤニヤしながら俺達三人のまえで止まった。

「こんにちはイチカ・オリムラ。
私はフェリクス。銃の専門家です。
貴方のお姉さんにはお世話になっています。
彼女の射撃センスは素晴らしい! 本人が近接を好んではいるが……」

(閣下)

(あー。すまないなマスター・イチカ。少し彼の話に付き合ってやってくれ)

で、姉さんの射撃センスやら何やらが如何に素晴らしいかを十分ほど聞いた後で、ようやく銃を渡してくれた。

「これ……ドイツ軍の銃じゃありませんよね?」

渡されたのは、ワルサーP38。

威嚇射撃八発、必中投擲一発とも言われている。

命中率は本来悪くないが、老朽化のためそのように言われている。

「ええ、私のコレクションです」

一方ラウラにはドイツ軍正式採用のH&KP8。

「装備に差がありすぎやしませんかフェリクス」

「貴方ならば余裕でしょう? 君の姉から聞いているよ。暴れ牛で狙撃ができる腕だそうだね」

「ええ、まぁ…できないとはいいませんが」

俺とラウラに与えられた標的は一人につき30メートル、50メートル、150メートルの三つ。

的に当たった場合得点率が1.0倍、1.5倍、3.0倍となる。

「フェリクス。弾は?」

装弾されたワルサーP38とH&KP8。

それぞれの装弾数は8と15。

俺は七発足りない。

「ラウラちゃんが15で君が8だが?」

おまえふざけんなよ。

「まぁ、いいや。負けても言い訳つくし」

だがただで負けると思うなよ?

「ふん。その程度の気持ちしかないのか貴様は」

「ああ。勝つのは難しそうだ」

俺とラウラが3メートルの間隔で立つ。

「では…始め!」

閣下の合図で俺とラウラが構える。

銃身に仮想領域展開。

加速術式、移動術式構築完了。

引き金を引く。

世界が遅くなる。

弾丸が銃身を通る。

移動術式の定義は、軌道の固定。

速さを増した銃弾が任意の軌道を描く。

その後、連続で七回引き金を引く。

ラウラは隣でしっかり狙いをつけて撃っていた。

ラウラが撃ち終えた。

フェリクスから双眼鏡を借りる。

「おーっとぉ! なぁんという事だ! まさか俺はまぐれ当たり一発だけが150のど真ん中なんて!
ああ! これは負け確定だぁ!」

『白々しい事を』

橙が文句を言った。

『ワンホール・ショット連発。少しは手加減してあげたら?』

フェリクスがタブレット端末を弄り始めた。

「えー…ではスローモーションカメラをそれぞれの的につけてたのでリプレイしましょうか」

あ…マズイ。











正午、昼食の時間。

ラウラのご機嫌が急降下だ。

『ますたーのせいでしょ』

目の前で不機嫌そうに昼食を取っているラウラ。

あの後拳銃だけでなくアサルトライフルやスナイパーライフルでもやった。

姉さんに言われたとおり全力で折りにかかったら拗ねられた。

拗ねてるラウラも可愛いけどな。

俺とラウラを遠巻きに眺める軍人達。

姉さんとか面白そうに見ている。

姉さんにとっては、弟妹喧嘩なのかもな、これ。

「さて、午後からもやるかい? ラウラ少尉殿」

「っ‼」

ラウラからフォークを投げられる。

「あぶねーな…」

人が投擲した物程度なら余裕で取れる。

フォークはラウラのパンに投げて返す。

遮音フィールド展開。

認識阻害術式展開。

ラウラには腹の内を吐き出してもらおうか。

精神干渉系系統外魔法アンチェイニング展開。

この魔法は、相手の判断能力を落とす魔法。

自白剤のようなものだ。

「なぁ、妹よ」

「黙れ」

「俺が姉さんの弟であることがそんなに気にくわないか」

ラウラがいっそう強く俺を睨み付ける。

「それとも、姉さんが女として俺を愛しているのが気にくわないか」

「黙れ!」

ラウラが身をのりだし、俺の首に両手をかけた。

話そうとしても声が出ない。

なら声を出さなくてもいい。

「姉さんに弱い所があるのは嫌か」

喉を使わず、魔法で空気を震わせる。

「姉さんは完全無欠なんかじゃない。姉さんも人間だ。弱みの一つや二つ、あって当然だ」

ギリギリと首を絞める力が強くなる。

「お前のそれは、ただの幻想だ」

ラウラの体の中で急速に気が練り上がる。

感情に任せて、気の巡りを加速させている。

ゴキリ、と首から嫌な音がして、ラウラが手を離した。

「この程度ではお前の兄は死なんぞ」

首を再生する。

「化物め!」

フォークで眼球を貫かれ脳を抉られた。

「なかなかバイオレンスだな」

それからの数分、俺はラウラに殺され続けた。

心臓を刺され、首をはねられ…。

今はマウントポジションで何度も胸を刺している。

「はぁ…はぁ…はぁ…!」

「気は、済んだか?」

ラウラの壊した物を再生する。

「何故だ…なぜ死なない!」

「俺が吸血鬼だから」

また、眼球を貫かれた。

「これは本当さ。姉さんも知っている」

さて…と。

「続きは、姉さんに聞くといい。きっと教えてくれるだろう」

必殺丸投げ!
 
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