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ガラスの心

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第一章

               ガラスの心
 私は自分位心の強いもっと言えば図太い人間はいないと思っていた、それこそ何を言われても何をされても大丈夫だと思っていた。
 それで友人達にもいつもこう言って自分の心の強さを自慢していた。
「私位何を言われても何をされても何があっても平気な人間はいないわよ」
「そうなの?」
「じゃあ失恋とかがあってもなの」
「家で何があってもなの」
「それでも大丈夫なの」
「ええ、大丈夫よ」
 こう豪語していた、もう何も考えずにこう言っていた。
 それでだ、この時もそんな気持ちで知り合ったばかりの友人達に言われるがままにクラスのちょっといけてる男の子に告白をした、けれど。
 その子は私に告白するより先にだ、馬鹿に仕切った目でこう言って来た。
「御前何考えてんの?」
「えっ?」
「俺デブは嫌いなんだよ」
 こう私に言ってきた。
「豚はな、しかも御前臭いし」
「臭いって・・・・・・」
「デブはいつも汗かいて臭いんだよ、口だって臭いしね」
 こうも言ってきた、私を見下ろして。
「そんなデブが俺にコクるとか何なんだよ、俺は御前みたいなデブはお断りなんだよ」
「そ、そんな・・・・・・」
「とっととどっかに行けよ」
 表情は馬鹿にしきったままだった、もう私なんて眼中にないといった位だった。
「同じクラスってだけでも嫌なのによ」
「・・・・・・・・・」
 私はもう何も言えなかった、それで俯いてそのままその場に泣き崩れた、だが彼はそんな私にまだ馬鹿にしきった声をかけてきた。
 しかもその時の画像をスマホで撮ってそれを知り合い全員に送った。勿論クラスの子達にもだ。私はこの時からクラスの笑われ者になった。
 そして私に告白する様に言った友人達はあっさり手の平返しをして逆に私を指差して笑う方に回った、私は完全にクラスで一人になって。
 いつも告白のことを言われて言われるのが嫌でも言われる度に心にダメージを負った、そうしてだった。
 私は学校に行かなくなった、それどころか拒食症になって家でも何も食べられず部屋の中に閉じ籠る様になった。お水位しか口に出来なくなった。
 そうして二週間位経った時にだ、私の部屋の扉を叩いてきた音がした、そのうえで自分の部屋のベッドの中で寝転がっているだけの私に言ってきた。
「いい?」
「ちいちゃん?」 
 私の幼馴染み、小学校中学校も一緒で今通っている高校でも一緒の娘だ。苗字は鈴木といってこんなにいい娘はいないという位の娘だ。今はクラスは違うけれど仲のいい友達だ。 
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