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星河の覇皇

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第七十部第三章 作戦発動その十四

「うちじゃ無理だ」
「連合軍は弱いからな」
「数と装備、あと物資」
「設備とかな」
「そういうのをアピールするからな」
「派手になるんだよ」
 どうしてもというのだ。
「そうした軍隊ってことでな」
「出店もバンバン出して食ってもらう」
「食いものは安いからな」
「兵器よりずっとな」
 これもまた現実だ、兵器はどうしても高くなってしまう。それと比べれば食料のそれはかなり安いものなのだ。
「それこそな」
「幾らでも出せるからな」
「どんな料理でもな」
「だから派手に出来る」
 市民との交流のイベントもというのだ。
「それで作戦もか」
「派手にやる」
「エウロパ戦役もそうだったしな」
「これまでの海賊やテロリストの征伐もそうだった」
「派手にやって市民にアピールか」
「連合軍は凄いって」
 確かに訓練はあまり行っておらず精強ではないがだ、だがそれでも市民達に自分達をアピールしているのだ。
「規律は厳正」
「そして大掛かりな作戦遂行能力があり」
「最先端の技術を駆使している」
「しかも数も多くて物資もある」
「そうした素晴らしい軍隊だってな」
「市民にもアピールする為にか」 
 兵士達も連合の教育を受けているのでこうしたことがわかるのだ、もっともそれは兵士によるがだ。俗に下士官候補生と下士官補士及び一般では違うと言われている。二年で下士官になり事実上士官候補生でもある下士官候補生は七つボタンの詰襟の軍服であるが補士及び一般はセーラー服で一般兵士の数も多い。そして入隊試験の難易度も違い候補生は面接でその知能の程度もチェックされて入隊している。
 そうした事情から一般の兵士達はあまり頭がよくないと認識されている風潮がある、だがこの彼等はわかっていた。
「そうするんだな」
「一気にやるってか」
「派手に」
「そして一気に終わらせる」
「そういうことか」
「あの長官さんはやるとなるな」 
 八条のことも話に出た。
「徹底的にやるな」
「それも派手にな」
「連合軍をアピールする様にやるな」
「政治的にな」
「堅実な人だけれどな」
「やることは派手だな」
「見せるものだな」 
 作戦もイベントもいうのだ。
「連合軍のアピールか」
「連合軍って予算少ないしな」
「定員ギリギリだしな」 
 求人のそれがだ、連合軍は一般ならば試験で名前さえ書けば通り大学を出ているならば無条件で士官になれるとさえ言われている。
「俺達も楽に入ったしな」
「軍規軍律は厳しいけれどな」 
 この厳しさは各国の軍の中でも随一と言われている。
「軍服の手入れとか掃除とかは五月蝿いにしても」
「他は楽だしな」
「給料はいいし待遇もいい」
「適当にやっていけるしな」
「兵隊でな」
「兵長になれば下士官の試験も受けられる」
「名前書けば通るらしいしな」
 ただし三年の任期で辞めて他の職に行く者も多い、一般の兵士達はそこが候補生や補士達とは違うのだ。 
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