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おぢばにおかえり

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第五十話 冬休みその六

「全然奇麗じゃないでしょ」
「だから。自分ではわからないのよ」
「そうそう、鏡とかじゃないと見られないから」
 こう言う妹達でした。
「自分のお顔のことは」
「それはわからなくて当然よ」
 私に直接言ってきます。
「人の顔はいつも見られるけれどね」
「自分はね」
「それで私達が見てもよ」
「お姉ちゃん可愛いわよ」
「奇麗さも加わって」
「もてるでしょ」
「もてる筈ないでしょ」 
 こうしたことはよく言われますがいつもこう言えました。
「そんなことは」
「だからそれはね」
「自分がそう思ってるだけで」
「ほら、あの高校一年の人とか」
「夏休みの」
「阿波野君?変な子よ」
 すぐに言い返しました、というか寮の娘達もクラスメイトもいつも言ってきて妹達もですからたまりません。
「別に私のこと好きじゃないわよ」
「そうかしら」
「どうかしら」
 妹達は私の言葉に疑問形で返しました。
「それはね」
「実はとか」
「そんな筈ないわよ」
「お姉ちゃんは絶対にそう言うけれど」
「私達から見ればね」
「それは違うって言ってるでしょ」
 何かあんまり言うので少し腹が立って言いました。
「そんなことばかり言っててお掃除してるの?」
「ちゃんとしてるけれど」
「それじゃあ駄目なの?」
「手を動かすの」 
 本当に少し立腹したので妹達にさらに言いました、おみちでは怒ることを立腹と言うので私も結構立腹しています。 
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