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レーヴァティン

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第九十六話 都市国家達その四

「そうだよな」
「はい、北の騎士団領や王国に」
「そうだよな」
「今は騎士団領と王国が衝突していて」
「こっちにまで手を伸ばせてないか」
「そうした状況です」
「だったら焦ったら駄目にしてもな」
 それでもとだ、彼は言うのだった。
「のろのろしてたらな」
「他の国がです」
「攻めてきかねないな」
「騎士団領と王国が講和すれば」
 そうすればとだ、夕子はそのケースを述べた。
「その時はです」
「どっちもこっちに来るか」
「そうした場合も考えられます」
「そうだよな」
「ですから」 
 それ故にとだ、夕子は久志に話した。
「半島特に彼等と接している北をです」
「掌握してな」
「守りを固めそのうえで」
「逆にな」
「こちらが攻めることもです」
 こうしたこともというのだ。
「考えていきましょう」
「というか攻めないとな」
「それこそな」
「統一は出来ないですから」 
 この島のというのだ。
「まことに」
「だよな。守るのも大事だけれどな」
「まずはです」
「攻撃は最大の防御だな」
「そうです、ですから」
「攻めるだけの力を身に着ける」
「そうしていきましょう」
「幸いこの半島豊かだしな」
 国力は高く人口も多い、それでと久志も言うのだ。
「それならな」
「積極的にです」
 まさにというのだ。
「やっていきましょう」
「よし、内政もしながらな」
「北にです」
 そちらにというのだ。
「進みましょう」
「さて、じゃあな」
 北に進むと聞いてだ、ここでこう言った久志だった。
「道も整備しておくか」
「ローマから各地への道もですね」
「ああ、当然その道を軍隊が通るんだよ」
「商人と共に」
「いざって時はな、全ての道はローマに通ず」
 こうもだ、久志は言った。
「文字通りだな」
「そうですね、では」
「ああ、道も今以上にな」
「築いていきますね」
「そうするな、領内が拡大するにつれ」
 それと共にというのだ。
「道を築いていくな」
「それでは」
「それと領内の行き来はこれまで通り自由にするからな」
「関所は廃止していき」
「あと商いもな」
 これ自体もというのだ。
「街に申請さえすればな」
「どうした者もですね」
「許すからな」
「この島の楽市楽座ですね」
「それだよ」
 まさにとだ、久志は夕子に笑って話した。
「それを中央部だけでなくな」
「北部にもですね」
「やってくぜ、まあこの世界にもメディチ家みたいな家あるけれどな」
 豪商から権門にまでなった、そこまでの家ががというのだ。 
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