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快楽を求めて

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第四章

「ですから」
「一緒に戦ってくれるんか」
「そうします、ほな」
「やろか」
「僕には鉞がありますし」
 金太郎の鉞、それがというのだ。
「そして先輩も」
「そや、神様がそのまま化身したな」
「あのスコップとツルハシがありますね」
「どっちもこれがな」
「強力な武器になってますよね」
「普通の工具やない、これを使って」
 そのスコップと神具を出した、それぞれカナヤマヒコノカミとイシコリドメの力を宿している。それぞれ右手と左手に持っての言葉だ。
「戦っていこな」
「それでは」
 田中は鉞を両手に持ってその川端に応えた、そしてだった。
 二人は娼館の地下にある闘技場に向かった、そこはかなり大きな闘技場で多くの客達もいた。その闘技場に挑戦者として二人で入ると。
 中国にいる様々なモンスターが出て来た、鳴蛇や羅刹鳥、そしてキョンシーといったモンスター達が次から次に団体で出て来たが二人は冷静にだった。
 それぞれの神具だけでなく術も使って戦い勝った、合わせて四十回もの戦闘であったが全て勝った。その賞品としてだ。
 商人から頼まれているものを得た、それは壺であった。
 その壺を受け取ってだ、川端は老婆にまさかという顔で尋ねた。
「麻薬とかちゃうやろな」
「うちは娼館ですけれど健全ですよ」
「そうした商売してるだけでか」
「はい、普通に遊んでもらうお店で」
 それでというのだ。
「法律に触れる様なものは」
「扱ってへんか」
「はい、絶対に」
「まあ麻薬の類はな」
「おかみが厳しいですよね」
「あんなんやったらあかん」 
 川端は老婆に自分そして田中の素性を隠して答えた。
「即刻警察来るで」
「ですから」
「そこはやな」
「ちゃんとしてますから」
「そやとええがな」
「では今から」
「この壺を渡すわ」
 依頼主の商人にとだ、こう話してだった。
 川端は田中と共に壺を手に商人の屋敷に向かった、そうして商人に壺を渡して多額の報酬を受け取ってこれで終わったかと思っていると。
 二人が夜に四川料理で川端の神託を適えたことに対して乾杯しているとだった、店の客達が証人が倒れて病院に担ぎ込まれたという話を聞いた。それでだった。
 二人は先の仕事の依頼主ということから商人が担ぎ込まれた病院の場所を聞いて見舞いに行った、するとだった。
 商人は病室で天使の美女に縛り上げられて天井から海老反りで全裸で吊るされて鞭でしきりに叩かれ蝋燭責めを受けて罵られていた。しかも。
 その天使は黒いボンテージと下着とガーターストッキングにハイヒールという恰好だった。川端はその光景を見て瞬時に察した。
「ひょっとして壺にいたのは」
「ええ、私よ」
 その天使の美女が答えた。
「私の名前はアズミエルというのよ
「アズミエルかいな」
「召喚される天使でね」
「壺におったんかいな」
「あの壺は私を召喚する道具で」
 それでというのだ。
「商人さんはね」
「そう、是非彼女を愛人に欲しくて」
 商人も縛られたまま語った。 
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