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ロックマンX~Vermilion Warrior~

作者:setuna
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第57話:Sniper

大型戦艦が姿を現し、そのあまりの大きさにエックスは圧倒されてしまうが、怯んでいる暇はないとシュリンプァーに狙いを定めようとするが、砲撃が放たれたことでエックスは回避に集中しなければならなくなる。

「しまった!街が!!このままでは壊滅してしまう!!」

しかし、砲弾は建物に直撃してしまい、街が破壊されていく。

それを見ていたゼロが住民を避難させている。

「早くこの街から離れろ!!レプリロイドは人間の年寄りと子供を運んでやれ!!(頼むぞエックス…)」

住民の避難に集中しながらゼロはエックスに全てを任せる。

「くそ、どこを狙えば…」

何とか攻撃は避けたものの、その間にシュリンプァーを見失ってしまう。

バスターを構えながらシュリンプァーを捜すが、甲板に現れたシュリンプァーが連れている者達に目を見開く。

「何?あれは…人間!?」

「ひゃーはっはっはっ!!撃てよぉ~。まあ、撃てねぇ~よなあ?しかもまだまだ船ん中にはセレモニー用にまだまだ人間はいるぜぇ~」

「貴様!!卑怯だぞ!!」

「ひゃーはははっ!!何とでも言いなぁ~っ!!外海に出たら派手にセレモニー開始だぜぇ!!それまで花火で時間潰しだぁ~っ!!」

再び砲弾が撃ち込まれるが、エックスは人質がいるせいで反撃出来ない。

「くそっ!手が出せない…このままでは…」

それだけではなく飛行艇が戦艦から飛び出し、エックスの周囲に大量のメカニロイドを投下した。

「くそ……ん?」

周囲を見渡した際にある場所が視界に入ると、そちらに向かって駆け出す。

「(一か八かだ!!)」

しかしシュリンプァーと人質には逃亡と見られたのかシュリンプァーは愉快そうに、人質は見捨てられたと絶望する。

「見ろよ見ろよっ!!逃げて行っちまったぜぇ~っ?構わねえ!!味方ごと吹っ飛ばしちまえーーっ!!」

「何!?奴め、見境なしか!!」

敵味方関係なく攻撃するシュリンプァーにエックスは激怒しながらある場所を目指す。

襲いかかるメカニロイドを蹴散らし、障害物を避けては破壊しながら目的の場所まで突き進む。

そして辿り着いたのがガンダ造船所の灯台であった。

「よし、ここなら奴の死角を取れる…!!ルイン、力を貸してくれ…!!」

ルインのセイバーをバスターに変形させるとエックスはシュリンプァーに狙いを定める。

「(チャンスは一度だけだ。この一撃を外したら人質と一緒に艦内に逃げられてしまう…しかもこれだけの距離があると0.001度の狂いでもターゲットから大きく外れてしまう。限界まで、チャージショットの攻撃範囲を限界まで絞り、射程を伸ばす…そして正確にシュリンプァーの頭部を撃ち抜かなければ…)」

ZXバスターのチャージショットの攻撃範囲を限界まで絞り込んでチャージショットの威力と射程を上げていく。

残るはシュリンプァーの頭部を的確に射抜くのみだが、これはあまりに厳し過ぎる。

少しでも狙いが狂えばターゲットを外し、下手をしたら人質に当たる可能性も無くはない。

エックスはシュリンプァーの僅かな動きや隙も見逃さないように極限まで神経を研ぎ澄ませた。

「ひゃーはっはっはっ!!死んだぁ死んだぁ!!おっ死んだぁ~!!」

砲弾を何度も撃ち込まれたことで火の海と化した街を見ながらシュリンプァーは大笑した。

「そ…んな…あっ!?」

愕然としていた女性だが、シュリンプァーに髪を切られたことで正気に返る。

「さあ!!セレモニーだ!!お前からか!?お前か?いーや!俺の鋏ならてめえら纏めて真っ二つだ…」

シュリンプァーが鋏を振るおうとした直前に一筋の閃光かシュリンプァーの頭部を貫いた。

「ん?成ぁ~る程」

頭部を貫かれたシュリンプァーは閃光が放たれた方向を見遣るとそこにいたエックスに納得したような表情を浮かべた。

「ひっ、ひひひひ…ひゃーははははっ!!…逃げたんじゃなかった訳かい…低い所からじゃ人質に当たるからなぁ…たった1つの死角は“真上”だもなぁ…」

そのまま機能停止したシュリンプァーは海に落下し、海中で爆発を起こした。

「ふう…」

精神的な疲労でエックスは仰向けに倒れ、爆発の水しぶきによって出来た虹に笑みを浮かべた。

ゼロからも通信が来て、怪我人はいたが死者は奇跡的に出なかったのが救いだった。 
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