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星河の覇皇

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第七十部第二章 同士討ちその三十六

「それならだ」
「はい、奪いに行きましょう」
「逆らうなら容赦なく制裁を加えて」
「革命の礎にしますか」
「ここは」
「是非な、そうするぞ」
 強い声で言ってだ、リーダーは革命の同志達生き残っている者達のうちの半分を引き連れて略奪へ出ようとした、だが。
 そのアジトから宇宙空間に出撃した彼等にだ、近くの海賊達が襲って来た。リーダーは横から来た彼等の軍勢を観て忌々しげに言った。
「チーフキッズか」
「ですね、連中ですね」
「簾中が来ましたね」
「ここで」
「ここで来るなんてな」
 忌々しげにだ、リーダーは彼等のj艦艇達を見つつ言う。
「嫌なことだ」
「それでどうしますか」
「連中向かってきますが」
「やりますか」
「どうしますか」
「仕方がない」
 これがリーダーの断だった。
「ここはやるぞ」
「わかりました」
「じゃあここはです」
「やってやりましょう」
「奴等を退けてやりましょう」
 同志達も言う。
「海賊が何だ」
「海賊なんかに負けていられないですよ」
「連中には革命の理念とかないですから」
「そんなのとは無縁の奴等です」
「ただ奪うだけです」
「そんな連中です」 
 この者達だけでなくテロリスト達は海賊達を大抵はこう見て軽蔑している、これはカルト教団も同じだ。そして海賊達もテロリストやカルト教団を狂信者として軽蔑している。
「ここで一気に潰してやりましょう」
「前から目障りでしたし」
「奴等からものを奪うのもいいですし」
「蓄えている金目のものを革命の資金にしましょう」
「そうだな、ここで会ったのも運命だ」
 それならとだ、リーダーも言ってだった。
 そしてだ、同志達にこうも言った。
「全員攻撃だ」
「はい、今から」
「総攻撃ですね」
「そうするぞ」 
 こう言ってだ、そのうえで。
 テロリスト達は海賊達との戦いに入った、彼等は戦力的に互角であり激しい戦いになってだ。痛み分けとなり。
 お互いに退くことになった、そうして。
 テロリスト達はあらためてだ、リーダー達に今後の方針を尋ねた。
「かなりやられましたが」
「連中は何とか退けました」
「略奪には行けますが」
「どうされますか」
「行くしかない」
 自分達が生きる為にとだ、リーダーは苦い顔で言った。
「もう金も何もないからな」
「だからですね」
「ここは、ですね」
「このまま進む」
「そうしますか」
「それしかない、行くぞ」
「しかしです」
 参謀がリーダーに言った。
「我々のこの戦力で攻めますと」
「かえってか」
「はい、今の状況では」
 海賊との戦闘で傷付いた今の状況ではというのだ。
「かなりのダメージを受けていますので」
「コミュニティを攻めてもか」
「返り討ちに遭います」
 そうなってしまうというのだ。 
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