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八条学園騒動記

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第五百五話 水族館と動物園その五

「そうさせてもらう」
「そうするのね」
「場所はわかるか」
「ええと、冷たい海の生きもののコーナー?」
「いや、クジラだ」 
 そちらのコーナーだとだ、ダンは話した。
「そちらだ」
「そうなの」
「ちなみにアシカやアザラシは動物園だ」
 そちらにいるというのだ。
「ペンギンやオオウミガラスは両方にいるがな」
「私ペンギンとオオウミガラスの区別つかないのよね」
 この二種類の生きものの名前が出てだ、ナンは困った顔で述べた。
「実は」
「結構違うが」
「そうかしら」
「そうだ、あれでな」
「いや、そっくりでしょ」
 ナンは自分が見たところを述べた。
「ペンギンとオオウミガラスって」
「あれで結構な」
「違うの」
「そうだと思うが。俺は」
「そうかしら」
「うちの家の水族館にもいるが」
 ペンギンもオオウミガラスもというのだ。
「あれでな」
「何処がどう違うのか」
「色々違うと思うが」
「具体的には?」
「大きさや羽根の形、色具合がな」
「どっちも白黒じゃない」 
 このカラーリングだとだ、ナンは述べた。
「まあ星によっては黒が赤になったり白が黄色だったりするけれど」
「基本は白黒だな」
「どっちもね、それで飛べなくて」 
 それでというのだ。
「立っていてよちよち歩きで」
「歩き方も違うが」
「そう?」
「俺から見ればそうだが」
「あの、それってあれでしょ」
 ナンはダンがペンギンとオオウミガラスが結構違うと言い続けるのを聞いてそれで自分のことを考えて述べた。
「道産子とモウコノウマの違いでしょ」
「どっちも小さくて頑丈な馬だな」
「私違いがわかるわよ」
 両者のそれがというのだ。
「これが結構違うのよ」
「馬は馬じゃないのか」
「それも小さいね」
「俺は同じだと思うが。というかだ」
 今度はダンがいぶかしんで言った。
「元々同じルーツの馬だな」
「そう言うと思ったわ」
「思った、か」
「ええ、これが結構違うのよ」
「ナンはわかるか」
「馬は種類によって色々違うのよ」
 ナンはナンでこう言うのだった。
「流石にサラブレッドは極端だけれど」
「競走用の馬だからな」
「あれはもうね」
 それこそというのだ。
「特殊な馬だから」
「競争に特化したな」
「そうしたものでね」
「特別だな」
「モンゴルでも乗るけれど」
 当然競技でだ、ナンも乗ったことがある。
「普段の遊牧の時は乗らないから」
「今は足も丈夫なる様に品種改良されたがな」
 かつてサラブレッドの脚はガラスの脚と呼ばれていた、しかしこの時代では品種改良で丈夫になったのだ。 
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