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星河の覇皇

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第七十部第二章 同士討ちその三十四

「激しい衝突をはじめた」
「そしてですね」
「戦闘状態になるとのことだ」 
「こちらの謀略通りに」
「そうなった」
 アラガルも言う。
「いいことだな」
「敵同士が争えばです」
「それだけで我々の利益になるからな」
「全くです、それも敵が弱ることです」
「そしてそこにだ」
「我々が攻める」
「非常にいいことだ」
「獲物同士が争ってくれれば」 
 趙虎は言いながら自分もアラガルも猟師になった気がした。諺であれば漁夫の利であるから漁師であろうか。
「猟師は楽です」
「傷ついた両方を手に入れられるからな」
「それも労せず」
「だから策はいい」
「まことにですね」
「どんどん使うべきだ」
「損害を抑えたいのなら」
 まさにそれならとだ、趙虎も言う。
「むしろですね」
「使うべきだ」
「だから内相もですね」
「諾とされたのだ」
 つまり策の使用を認めたというのだ、金も。
「それを諾とされることがな」
「内相もですね」
「見事なのだ」
「一線級の政治家ですね」
「連合内外でそう評価されている通りな」
 まさにというのだ。
「見事な方だ」
「そうですね、確かに潔癖症ですが」
「厳格な方だがな」
 一点の不正も許さない、そうした人物であるがというのだ。
「謀略も認めてくれる」
「政治的に必要ならばですね」
「認めてくれる人だ、だが」
 それでもというのだ、金の場合は。
「ご自身のこと、そして風紀のうえではだ」
「そうしたことはですね」
「絶対にされない」
「ご自身は不正を犯さず」
「組織内でもそれを許さない」
 こうした場合で謀略を使ってもというのだ。
「汚職もセクハラも」
「どちらも」
「あの方はスキャンダルと無縁だが」
「それはその厳格さ故ですね」
「そうだな、そして中央警察もな」 
 彼等が所属しているこの組織もというのだ、連合は各国の警察と共に中央政府管轄で連合全体を管轄区にしているこの警察の二つがあるのだ。
「風紀が変わったな」
「以前から警察らしくしっかりしていましたが」
「金内相になりな」
「さらに厳しくなりました」
 風紀がより厳正になったというのだ。
「まさに鋼鉄の如く」
「そうなりましたね」
「いいことだ、やはり警察はだ」
「風紀厳正であるべきですね」
「二十世紀のイタリアの警察なぞはだ」
「論外ですから」
「全くだ」
 連合ではこの時代のイタリアの警察は相当に酷評されている、これはエウロパの警察ならどれでもだがこの警察は特になのだ。
 
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