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ソードアート・オンライン~遊戯黙示録~

作者:マローン
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FILE236 ラストバトル直前・・・生き残りし者達

キリトが先に一人洞窟から出て、一分弱で午後の9時45分、第三回バレット・オブ・バレッツ本大会が開始されてから、七回目のサテライト・スキャンが行われる時間になり、今度は俺とスネークが先に洞窟から出たキリトの元に向かう番だった。
洞窟から一歩外に出ると、そこは空からは夕日は完全に消え去り、最後の残照が照らす状態になっていた。

スネーク「お、あそこか」

俺「結構洞窟から離れずにいたんだな」

俺達の方を向きながら、手を振ってるキリトに気が付き、俺達はスグにキリトに合流。というか、このだたっぴろい暗い砂漠で一人ポツンと突っ立ている見た目だけは美少女と化したキリトの姿はよく目立っていた。

キリト「オズマ、スネーク、これを見てくれ――」

俺「当然だけど、シノンは洞窟の中だから表示されてねぇし、俺とスネークもサテライト・スキャンの時は洞窟にいたから表示されてねぇな」

スネーク「そして、洞窟から少し離れた位置のこの光点はキリトだな・・・それにしても意外だな、キリトの周囲の砂漠地帯の半径5キロ以内には他の生存者がいないみたいだぞ」

キリト「最も、スティーブン・・・死銃は光歪曲迷彩のマントでスキャンを回避できるから、奴がいないとは言い切れないな・・・けど俺達が砂漠の中にいるのを看破したプレイヤーが洞窟にグレネードを投げ込みに集まってきてないのは予想外だな・・」

俺「その原因の一つはよぉ・・・生存者が残り少ないってのもありそうだぜ」

俺は砂漠地帯のそこかしらに、濃いグレーに沈むドットが散らばっている――すなわちすでに脱落した連中のマークを指差していた。

キリトはそこで端末の倍率を上げる。すると、南西に6キロほど離れた場所に明るい光が一つ、それは生存者を示す光点。

スネーク「闇風か・・・奴はまだ生き残っているようだな」

俺「確か、前回大会の準優勝者だっけな・・・」

更に都市廃墟エリアにも、近接する二つの光点と幾つもの暗転。生存者はNo-Noとフェルネィ。今度は倍率を下げて、島全体をパネルに表示させると―――

キリト「後は――一人だけ?」

その光点は南端の岩山の頂上にポツンと表示されていた。その位置に大会開始直後から陣取っていたのは確か獅子王リッチーとか言う奴だったはずだが。リッチーの光点もいつの間にかその場所でグレーの色に変化しており、代わりに、そのすぐ近くで光点を照らしているのは――

俺「モルターレか・・・!」

スネーク「あの自爆で生きていたというのか・・・」

であれば、モルターレが獅子王リッチーを倒したのかもしれない。更に言えばこの生きているモルターレの近くに死銃がいる可能性が少なからず考えられる。

キリト「つまり・・・今生き残ってるのは、画面に映ってないシノンと死銃を入れても9人って事か・・・」

スネーク「最も、他にも洞窟に隠れるなり、水底に潜るなりしてスキャンを回避した者もいないとは言い切れんが、死銃のような特殊なスキル出ない限り、衛星情報を受け取れなくなるからな」

俺「この大詰めの場面で、この状況を知らずにいられる奴なんてそうそういねぇ―――」

キリト「・・・・・・・あっ」

キリトのその声は、廃墟で密接していた二人のドットが、いきなり同時に暗転した事による反応だった。

スネーク「恐らく、衛星スキャンが開始されるまでは、お互いに相手の存在に気づいていなかったのだろうが、画面を見て初めて、すぐ近くの――例えば岩一枚隔てた隣の部屋に敵がいる事を知って、互いに慌てて戦闘を開始し相打ち――と言ったところなんじゃないか?」

俺「ここまで生き残ってそんな最後とは――腑に落ちねぇ負け方になっちまったもんだな・・・」

何はともあれ、これで30人から開始されたバトルロイヤルは残りは7人になったわけだが―――表示されているのはキリト、闇風、モルターレの三人だけで、モルターレは南端でキリトと闇風から遠いので、ここから次に戦闘が発生するとなるとキリトと闇風の接触の可能性が高い。

キリト「え・・・・・」

スネーク「どうした、キリト?」

キリト「あ、いや・・・今、光点と暗転の合計の数を数えたんだけど――合わないみたいなんだ」

俺「どういう事だよそりゃ・・・」

俺とスネークも光点と暗転の数を数えてみると、そのドットの数は生存者の白が3.敗退者の灰が21――つまり

俺「全部で24で・・・映ってないのはシノン、死銃、俺とスネークを合わせても28人・・・」

スネーク「それと既に死銃の黒星に撃たれて、回線の切断で消えたペイルライダーを加えて29――確かに一人足りないぞ・・・!」

俺「この状況下で他に誰か一人が洞窟やら海底に隠れてる以外で考えられるのは・・・奴に撃たれて消えたか・・・・」

キリト「いや、後者の可能性は低いだろ。死銃の現実世界での共犯者は今頃、シノンの家の中で待機してるはずだから、死銃が彼女を狙ってる限りは共犯者は他のターゲットの所には移動できないはずだろ」

俺「それは死銃の現実世界での共犯者が一人だけだったって場合に限ればだろ」

キリト「・・・・・・・」

そう、もし仮に――死銃の現実世界での共犯者が二人以上だとしたら・・・共犯者の一人がシノンの部屋で待機し続けていたとしても、別の現実世界での共犯者が手を下す事が出来る。

スネーク「ひとまず、洞窟の中に戻るぞ。シノンに説明しなくてはならない事もあるからな」

スネークの提案通り俺達はひとまず洞窟の中へと引き返した。巨大なライフルを抱えた狙撃手のしのんは、S2000を隠した最奥部でなく、角を少し曲がったところで俺を待っていた。

シノン「どうだった!?状況は!?」

キリト「スキャンの最中にも二人相打ちで退場して、残りは恐らく7人だ、君、俺、オズマ、スネーク、闇風、そしてモルターレと画面に映らない死銃だった」

スネーク「闇風は、ここから6キロ南西。死銃もこの砂漠のどこかにいて、この場所へと向かって来るだろう。モルターレはおそらく獅子王リッチーを倒した直後のようだったな」

俺「ついでにもう一人、洞窟なり海底なりに隠れてるか――死銃にやられちまったかもな」

キリト「おい、オズマ・・・」

死銃による二人目の犠牲者の可能性を俺が口にした事をキリトは良く思ってなかったのか、口を尖らせ、咎めるような表情を浮かべていたが、どっちにしろここからログアウトした後には知る事になるんだ。
シノンは俺の憶測を聞いても、少し意外そうに呟いただけだった。

シノン「・・・・あと、たったそれだけ・・・」

スネーク「だが、もう一時間四十五分も経ってるからな。前回が二時間強で決着だったのを考えれば、ペースは概ね同じと言っていいだろう」

シノン「そうだったわね・・・誰もここにグレネードを投げ込みに来なかったのが不思議だけど・・・・」

俺「全くだぜ・・・俺等を探してうろちょろしてた死銃が、片っ端からあのライフルで始末しちまったのかもしれねぇな・・・確か、砂漠全体に、グレーの点が幾つもあっただろ」

シノン「・・・・だとしたら、マックス・キル賞は間違いなくあいつね」

複雑そうな顔で肩をすくめて、シノンは切り替えるように言った。

シノン「それはそうと、問題は闇風よ。彼の端末に表示された生存者はキリト一人だけなんだから、間違いなく接近してるわ」

闇風とは――前回の準優勝者であった。徹底したAGI一曲ビルドのプレイヤーであり、通称・・・ランガンの鬼!
ランガンとは、RUN&GUN(ランアンドガン)、橋って打ってまた走るスタイルであった。武装は超軽量短機関銃キャリコ・M900Aをメインアームとして使い。前回はゼクシードのレア銃とレア防具に競り負けて敗れ二位となったものの、プレイヤースキルに関してはGGOプレイヤー達の間では闇風が上回っているだろうと言う声があがっていた。

一同は闇風の相手はシノンが自ら対処する事になった。闇風の強さから考えて、キリトやオズマと言えど一対一で戦っていれば、そこを死銃に狙われる危険性が高いのであった。
キリトはやはり自分がシノンを守らなくてはならぬと考えていた為、シノンが戦う事にな色を示したが、最終的にシノンの申し出を受け入れて行動開始・・・バレット・オブ・バレッツ本大会最終局面へと挑む事となった! by立木ナレ



※ ※ ※


一方その頃、現実世界でアスナはキリトがフルダイブしている病院へと辿り着いていた。

ユイ「ママ、壁のパネルPCを観て下さい!回線を、MMOストリームのライブ映像につなぎます!」

アスナの左手の携帯端末からユイの声がして、はっ、と顔を上げる。ユイが携帯端末から無線で接続したのだろう。ブラックアウトしていた薄型モニタの画面が勝手に点灯、即座にプラウザがフルスクリーンで起動!

上部左に、ガンゲイル・オンラインの無骨なロゴ。その隣に細長く、第三回バレット・オブ・バレッツ本戦バトルロイヤル!独占生中継の文字。

どうやら、二つの接近戦をモニタを上下に二分割した状態で撮影しているようだった。上の画面に映っているのは、全身を闇より深い黒の戦闘服に包み、長い髪をなびかせる小柄なアバター。発光を放つ刃を右手で構え、左腕はだらりと下げている。その肩口からは、真紅のダメージエフェクトが絶え間なく零れる。足元に、小さなフォトンで、プレイヤー名の表示。【Kirito】

アスナ「あれが・・・キリト君・・・」

ユイ「ママ、下の画面ではオズマさんが戦っているみたいです!」

アスナ「オズマ君もなの・・・?」

携帯端末から聞こえたユイの声にオズマの事を思い出したアスナは、下の画面に目を向けると、そこには長身の体躯にボサボサの伸ばし放題の長髪に、薄っすらと無精ひげを生やし、現実世界にいたとしたら一発で無職の引きこもりのダメ人間と思われてしまいかねない風貌のアバターが右手に刀身がやや短い刀を構えていた。

そして、キリトが対峙するアバターの名前は【Sterben】アルファベット表記であったがすぐには読めず、アスナはぎこちなく呟いた。

アスナ「すて・・・スティー・・・ベン?Stevun(スティーブン)のスペルミス・・・?」

ユイ「いいえ・・・違います。ママ」

ユイが端末から答えるのと、キリトの身体を見ている安岐(あき)看護師が「違うわ」と答えるのはほぼ同時だった。

安岐「あれはドイツ語よ。同時に、医療関係の用語でもある。読み方は・・・ステルベン」

アスナ「ステル・・・ベン」

安岐「意味は・・・死。病院では・・・患者さんが、亡くなった時に使う言葉・・・」

アスナ「では・・・オズマ君が戦っているmortaleは、英語読みでモルターレじゃないんですか・・・?」

安岐「あれは読み自体はモルターレで合ってるんだけど・・・」

ユイ「あれは正確にはイタリア語なんです・・・」

安岐「そう・・・意味は、致命的な――という意味よ」

アスナ「・・・・・・」

キリトVS死銃ことステルベン・・・そして、オズマVSモルターレ・・・バレット・オブ・バレッツ最後の決戦の時・・・来たる! by立木ナレ
 
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