| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

徒然草

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

237部分:二百三十七.柳筥に据うる物


二百三十七.柳筥に据うる物

               二百三十七.柳筥に据うる物
 道具箱の蓋の上にものを置く際には縦に向けたり横に向けたりとその置くものによってそれぞれであります。溝に向かって縦に置いたり紐木の間から紐を通してそのうえで結んだりします。硯も縦に置くと筆が転がらなくていいと三条実重殿が言っていたものなのであります。
 また勘解由小路家の歴代の能書家達は間違っても硯を縦置きにはしませんでした。この人達は決まって横置きにしてきたのであります。
 こうした置き方もそれぞれですしまたこだわる人もいます。人それぞれなのでありますが中々難しいかといいますとそうでもないことでありましょう。結局のところは置きやすいように置けばそれでいいのであります。硯を横置きにしてしまうとどうにも書きにくいのではないのかとも思ってしまいますがそれも置き方の一つであると考えることもできます。何はともあれ置き方はそのものによって違いますしその人によっても違います。どれがよくてどれが悪いのかは一概に言えることではありません。その人がそのものを置きやすいように置けばそれで済むことなのであります。それだけのことでありますがそこから見えるものも実に多いものであります。


柳筥に据うる物   完


                  2010・1・6
 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧