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ソードアート・オンライン~遊戯黙示録~

作者:マローン
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FILE232 死銃の更なる共犯者

 
前書き
相変わらず今回も4人での話し合いだけです。長々とすいませんです(笑) 

 
何故死銃は黒星でキリトを撃たなかったのか・・・?撃つ前に十字のジェスチャーを取る事に一体何の意味があるのか・・・?推測・・・っ!――そして考察・・・っ! by立木ナレ


キリト「つまり、死銃は俺を殺せたのに殺さなかった事になる。でも、敢えて俺を見逃す理由なんかないははずだ。予選トーナメントで優勝したのは俺だし・・・」

俺「ついでに見た目そのものもお前の方が目立つよな」

キリト「目立つ見た目で悪かったな・・・」

俺がからかう様に口を挟むと、キリトは少しムッとしたように口を尖らせて、咳ばらいをしていた。

スネーク「ともかく奴は、キリトを撃てなかったんじゃなくて、何かしらの理由があって撃たなかったという事になるのかもな」

キリト「ああ、多分そうだろうな」

シノン「・・・・・そう言えば、前の時も、妙って言えば妙だったわ・・・」

キリト「前?」

シノン「鉄橋のとこ、アイツ、ペイルライダーは黒星で撃ったのに、すぐ傍で無抵抗に倒れてたダインは無視したでしょ?」

俺「ああ、それなら俺とスネークも見てたっけな・・・ダインはペイルライダーに倒された後だったからな」

シノン「ええ、私はてっきり、ダインも撃たれると思ったのに・・・」

キリト「ああ・・・でも、あの時点では、彼はもう死んでただろ?」

シノン「死んだって言ってもHPがゼロになって動けなくなっただけで、アバターは残ってたし、本人の意識もまだ接続してたんだよ。ゲームの枠を超えた力があるなら、HPの産むなんて関係なさそうなものじゃない」

スネーク「言われてみれば確かに妙だ・・・廃墟の時も、鉄橋の時でも、死銃は何かしらの理由でペイルライダーは撃ち、ダインは撃たなかった・・・」

シノン「つまり・・・こういう事?あなたとダイン、後オズマとスネークに対して、私とペイルライダーの間には、それぞれ何か共通点があって、それがターゲットになるプレイヤーとならないプレイヤーを分けている・・・・」

俺「そう考えるとよ、前に殺されたゼクシードとたらこの二人も、シノンやペイルライダーと同じ共通する条件がある事か・・・。単に強さやランキングの問題か?」

シノン「でも、ペイルライダーは確かに強かったけど、前の大会には出てないのよ、BoBのランキングで言えばダインの方が上だわ」

キリト「じゃあ・・・何か、特定のイベントに関わっている、とか?」

シノン「それも無いよ、だって私、ダインとはこないだまで同じスコードロンにいて、何度も一緒にフィールドに出たけど、ペイルライダーと会った事はおろか名前すら知らなかったんだから」

俺「ゼクシードやたらこは?」

俺の問いに対してシノンは軽く苦笑して答える。

シノン「あの二人は、わたしやダインとはまた一つ二つランクが違う有名人だから・・・。」

スネーク「だろうな、ゼクシードは前大会優勝者で、薄塩たらこは5位だったが、GGOで最大クラスのスコードロンのリーダーだった。」

シノン「そう、私は彼らと喋った事なんて一回か、二回くらいしかないの」

キリト「むぅ・・・じゃあ、やはり装備とか・・・あるいはステータスタイプ・・・」

シノン「装備は、全員バラバラだよ。私はこの通り狙撃銃だし、ペイルライダーはショットガンだったわ」

スネーク「そしてゼクシードは激レアなXM29アサルトライフル。薄塩たらこはエンフィールドの軽機関銃だった・・・」

俺「今更なんだけどよ・・・」

ゼクシードと薄塩たらこの武装に付いて説明をするつぶらな瞳のテディベアを改めて見ながら、俺は言ってみた。

俺「スネークも前回のBoBの本戦で8位になったんだっけな?」

シノン「そうよね、私が脱落した後も結構長く戦ってたから覚えてるわよ・・・けどそれが?」

俺「スネークも前回のBoBで目立った割には、死銃のターゲットに入ってるようには思えねぇぞ」

スネーク「俺も、実際に奴に追われて、撃ち合いまでしたというのに、どういうわけか奴は俺に対してそれ程執着しているような気がしなかったな・・・事実、奴の切り札である黒星で狙われたのは一貫してあの時はシノンだけだ」

シノン「そうよ、スネークだって前回のランキングで言えば私より上なのに・・・死銃にはねらわれてるようすがない・・・」

キリト「あ・・・」

いきなりキリトは首を傾げていた。

俺「今度はどうした?」

キリトは言い訳するように眉を動かしてから続ける。

キリト「共通点とはとても言えないけど・・・・・。強引にくくれば、全員AGI特化ビルドじゃないってことになるかな。でも、やっぱりちょっと無理あるか・・・。STRに偏ってたり、VITに偏ってたりするから・・・」

俺「AGI特化ってGGO初期の頃に流行ってたビルドだったか?」

俺はスネークから前に聞いた話を思い出し、確認するようにスネークの方に視線を向けて聞き返すと、スネークは葉巻に火をつけて、口から煙をふっと吹かしてから答える。

スネーク「まぁな・・・だがあれは流行ったというよりも、ゼクシードに踊らされたと言うべきかもな・・・」

シノン「そうね・・・。アイツ、だいぶ前からGGOでは敏捷力最強って言う情報を色んなところから広めて、それでいてあいつ自身はSTR・VIT型のビルドとレアアイテムで前回のBoBで優勝しちゃったもんだから、敵も多かったらしいわ・・・」

スネーク「丁度、奴が死銃に撃たれた時の、ネット番組に出てる時もその事で盛大にVIT特化型のGGOプレイヤー達を挑発してたしな・・・」

俺「だとしたらゼクシードが死銃に最初にやられたのは、それが原因・・・その事で死銃から恨みを買ったとかか?」

キリト「いや・・・死銃と戦ってみた限りの推測だが・・・奴のステータスはとてもVIT特化型と言うほどでもないと思うな・・・・」

俺「まあ、VIT特化型じゃ、あんなバカでかい対物ライフルを背負った状態であの身のこなしは無理あるか・・・。」

キリト「結局、理由も無くターゲットを決めてるだけなのかな・・・・。なんか・・・何かありそうな気はするんだけどなあ・・・・。――さっき薄塩たらことは喋った事あるって言った?何を話したんだ?」

シノン「えーと・・・」

スネーク「そうだな・・・」

シノンの方はたらことの会話の記憶を思い出すのに相当苦戦しているようで目を閉じて考え込んでいた。一方でスネークはシノンよりもたらこと話した回数が多く、その記憶もハッキリとしているのかすぐに口を開く。

スネーク「俺がハッキリと覚えているのは・・・奴とは前回のBoBの大会が終了した後に、商品が楽しみだとか、そんな話をした事は確かだな。確か奴は、モデルガンを貰うんだとか言ってたぞ。本戦ではフィールドで奴と一戦交えたが・・・結局互いに決着が付かずにお互いにその場から撤退してたな」

シノン「あ、そう言えば私も・・・」

スネークの言葉でシノンも何かを思い出したようだった。

シノン「・・・って言っても、ほんとにちょっと話しただけ。たしか・・・前の大会が終わって、総督府の一階ホールに戻った時、出た場所がすぐ近くだったんだ。で、二、三分、商品に何を貰うかとか喋ったんだけど・・・フィールドでは直接戦いもしなかったし、世間話程度だよ」

キリト「そっか。前の大会には死銃は出てなかったわけだしな・・・」

俺「まさか賞品が貰えなかった恨みだとかじゃねぇだろうしよ」

随分と色々と話している気がするが、これ以上話しても結局は推測の域を出ないわけで、時間の無駄になって気がした時だった。

キリト「そういや、そこまで調べなかったんだけど・・・賞品って何が貰えるんだ?」

それは、俺も少し気になっていた事だった。俺も態々面倒な自分の本名、住所、職業まで記入して登録したのだから何が貰えるのかは重要だ。

スネーク「それは選択式だ。順位に応じて様々な選択が出来る。今回俺達は結構上の順位になっているだろうから、良い物が貰えるだろう・・・もっとも無事に戻れればな・・・」

キリト「例えば、どんな?」

スネーク「店売りされていない銃、防具、他にも色の髪染めや服だな」

シノン「けどまあ、ほんとに高性能な奴じゃなくて、外見が目立つって感じの物ばっかりよね」

スネーク「あとは、ゲーム内の銃のモデルガンもあるな」

それはスネークから聞いた通りだ。事実俺も上位に入賞したら現実でモデルガンを貰ってそれを売って小遣いにするつもりだからな。

キリト「モデルガン?・・・って事は、ゲーム内のあいてむじゃなくて、リアルで実際に貰えるの?」

シノン「そ、私、前の大会じゃ順位悪くて、ゲームアイテムじゃあんまりいいもの選べなかったから、それにしたんだけどね。そういや、たらこがモデルガンを貰うなんてこと言ってたのは、私も聞いたかも。玩具は玩具だけど、金属も使ってあって、結構出来は良い物らしいよ。しん・・・シュピーゲルがそう言ってた。まあ、私は・・・・・引き出しにしまいっぱなしで、ろくに見てないんだけどね」


そしてそれ以降も、キリトは他に気になることがあるのか、真剣な声をだす。その後の話し合いでモデルガンは運営体が国際郵便(EMS)で高い送料にも拘らずアメリカから送っているという事・・・・by立木ナレ


キリト「・・・EMS・・・。でもさ、俺がGGOのアカウント作ったのはついこの間なんだけど、プレイヤーのリアル情報は、メールアドレスと性別年齢くらいしか要求されなかったぜ。住所は、どうやって・・・」

俺「お前、本当にエントリーする時にちゃんと見たのか?」

つい昨日の事をキリトが失念している事に俺はため息を軽くついていた。

俺「総督府の一階ホールの端末でBoBの予選にエントリーした時に、リアルの住所氏名とか書く欄があったじゃねぇか。そこに注意書きがあったろ?住所とかを空欄にしてもエントリーは出来るが、商品を受け取れなかった場合があるってな」

シノン「さてはあんた、書かなかったんでしょう。後から追加入力はできないから、もうモデルガンは貰えない・・・――って、ええ!?」

俺「・・・・・」

スネーク「・・・・・・」

いきなりキリトがシノンの右肩に手を掛けて、顔を思いっきり近づけたからか、シノンは変な声を挙げていた。
その光景を俺とスネークは無言で唖然と見ていた・・・こいつは俺達が見ている事・・・というかいっそ俺達の存在を忘れて二人きりだと錯覚してやがるんじゃないかと問い詰めたくなるな・・・・!

キリト「その前大会の商品、ダインは何を選んだ?」

シノン「え、えっと・・・たしか、ゲーム内の装備。一度見せてもらったけど、なんかどぎつい色のジャケットだった」

キリト「ゼクシードは?」

シノン「さ、さあ・・・話したことも無いから判らないよ。」

スネーク「それなら俺が聞いた。奴は徹底した効率主義と言う事もあってか、外見だけのアイテムに興味は無かったらしくてな、優勝者というだけあってゲーム内でも高価でRMTされるライフルを手に入れたらしいぞ」

俺「キリトよぉ・・・さっきからそれが、どうした?」

だが、キリトは答えず、奴の眼は完全にシノンの顔をみているだけだった。

キリト「現実世界のアイテムだけじゃなく・・・現実世界のモデルガン・・・。それが、シノンとペイルライダー、ゼクシードとたらこの共通点だとすれば・・・EMSの宛先・・総督府ホールの端末・・あの場所は確か・・・」

スネーク「ま、まさか・・・光学彩を使ったというのか!?」

キリトの両目は大きく見開かれて、目が小刻みに震えて、スネークもキリトの憶測と同じ結論に近づいたのか、洞窟の外に漏れかねない声を挙げていた。

俺「だからさっきからほんとうにどうしてんだっての・・・」

俺とシノンは相変わらず置いてけぼり・・・奴らが何に気が付いて、何に納得したのか分からぬまま!

キリト「・・・VRMMOをプレイする時は・・・プレイヤーの意識は、現実世界から仮想世界に移動して、そこで喋り、走り、戦うんだ・・・だから、死銃も、この世界で標的を殺してるんだろうと・・・」

シノン「ち・・・違うの・・・?」

キリト「違う。本当は、プレイヤーの身体も、心も、移動なんてしちゃいない。現実世界と仮想世界の違いは、脳が受け取る情報の多寡だけ。アミュスフィアを被ったプレイヤーが電子パルスに返還されたデジタルな映像を見、音声を聞いてるだけなんだ」

相変わらずややこしい専門用語を使うな・・・俺はその手の電子機器だとかコンピューターに関する話はまるで分からない・・・

キリト「だから・・・ゼクシードたちは、あくまで死体のあった場所、自分の部屋で死んだんだ。そして・・・真の殺人者も・・・その場所に・・・」

シノン「何を・・・何を、言ってるの・・・」

俺「真の殺人者がその場所ってまさか・・・・!?」

ようやく俺は、キリトが言わんとしようとしている事に気が付いていた。だが・・・それは、死銃の犯行を為すうえでこの上なく説得力のある手段・・・っ!

キリト「死銃は二人いるんだ。一人目・・・つまりあのぼろマントのアバターが、ゲーム内でターゲットを撃つ。同時に現実世界のターゲットの部屋に侵入した二人目が、無抵抗に横たわるプレイヤーを殺す」

俺「死銃の共犯者はモルターレだけじゃねぇって事か・・・!」


現実世界にも死銃の共犯者の可能性・・・っ! 
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